人気ブログランキング | 話題のタグを見る

研いで、澄ます、べきものは

水始めて涸る、登山の日
山田長政、徳川幕府から通商貿易の許可証、朱印状を許される(1629年)
日本武道館開館(1964年)
東西ドイツ統一(1990年)


[フードファディズム(food faddism)]
「食べものや栄養が健康と病気に与える影響を過大に信じること、科学が立証した事実に関係なく何らかの食べものや栄養が与える影響を過大評価することである。科学が立証したことよりもその影響を信じ固執していることである。
対象となりやすいものは、健康に好影響をもたらしそうな食品、有害性が疑わしい食品をはじめとして、ダイエット食品、健康食品、ミネラルウォーターなど様々である」
                     --------- Wikipediaより冒頭抜粋


「あるある」の納豆捏造問題の記憶がまだ新しい現在、日本では今度は、バナナが品薄だそうですね。

数限りなく林立する健康法がありますが。やはり、自分の身体で一定期間試してみないことには、何とも言えないわけでして。
しかし試してみたところで、身体の声をちゃんと聞けるかどうか。
身体の声が聞こえる身体になっているかどうか。

自身による人体実験は良いのですが(良いのか)、実はこれが一番の壁かなあ、と思うのです。

* * * * *

【レストラン】

以前から気になっていた、ナチュラル・ハイジーン。この夏から興味を持ち始めた、ローフード
両方とも、キーワードは「酵素」です。

とりあえず、ネットで少しずついろんな情報を漁ったり、本を探したりは始めたものの。これも調べれば調べるほど(というほど調べてないが)、異論・反論も見つかるもの。
日本でベストセラーとなった、新谷弘実氏の「病気にならない生き方」のミラクルエンザイム論だって、医療界などからはガンガン反論が上がっている模様だし。
それを言うならマクロビオティックだって、嫌悪派やアンチ派はいくらだっているわけだ。



ローフードについて知った時も、最初はアンチ派の人のブログからだった。「理論はわかるけど、はっきり言って美味しくない」という感想だった、と思ったぞ。
しかし初挑戦のQue seRaw seRawは十分美味しかったし、次のCafe Gratitudeも、とても気に入って。
思うに、身体がヴィーガン食に慣れてから試したのも、良かったのではないかな。だって家族でCafe Gratitudeに行ったら、お嬢はすごく気に入って、旦那は再訪を拒んだしな。(くそう)

ならば同志同士で行こう、ということで。お嬢と共に、近所で見つけたローフードカフェへ、週末ブランチに繰り出してみたのだよ。

研いで、澄ます、べきものは_b0059565_1139397.jpg

検索してたら偶然見つかったそのカフェは、カフェはカフェでも、スポーツジムの中のカフェ。
会員でなくてもOK、となっていたので、恐る恐る入ってみたら、カフェというよりコーナーで。
両側と後ろをカリアゲ・てっぺんの髪の毛でポニーテールという、センス溢れるヘアスタイルのお姉さんが、にこやかに応対してくれたのだ。

研いで、澄ます、べきものは_b0059565_10415342.jpg

ローフードではドリンクも楽しみの一つ。
お嬢はChoco Maca Malt
生のカカオとアーモンドミルク、ブラジルナッツ、デーツにマカ。
私はGinger Rawgers。だって名前が嬉しいし。(かのジンジャー・ロジャースですよ)(単純)
クコの実にラズベリー、マンゴー、バナナ、オレンジ、ジンジャーにミント。

お嬢のはコクのある外見に反して、爽やか系の甘味が美味しくて。
私のはミントのさっぱりフレーバーに、生姜のぴりっとした刺激も味わえる、美味しいミックスジュースだね。

研いで、澄ます、べきものは_b0059565_10423731.jpg

食事の方は、まずは私が頼んだFiesta Quinoa Toss
蒸したボリビア産のキヌアの上に、サルサ、人参、ガカモレ、オリーブ、pepitas(かぼちゃの種)をどかどかとのっけて、更にカシューナッツのサワークリーム、シアントロー、赤ピーマンソースがかかってる。

良く混ぜても、バラバラに食べても、とっても美味しいメキシカン。ちゃんとしたメキシカンはほとんど食べたことないくせして、なぜかローフードのメキシカン。
大好きなキヌアが美味しいのは勿論のこと、サルサもナッツソースも、とにかくフレッシュ。口の中でも、身体の中に入った後でも、クドさの欠片もない感じ。
野菜という素材だけで作れば、こんなにもさっぱりのメキシカン。

研いで、澄ます、べきものは_b0059565_1043747.jpg

お嬢が選んだのは、No-Fish Tacos
どういう皮で包んでくるのかと思いきや、なんとロメインレタスの葉。その上に、ローフード流の”サーモン”とガカモレ、サルサ、やはりカシューナッツのサワークリーム、シアントローが大量に。

サーモンは何で作ってる? にんじんとナッツが入ってることはわかるんだが。あとはセロリや赤ピーマン?
何にせよ、これもあっさりすっきりと食べられる。しゃくしゃくと歯応えの良いレタスの、瑞々しい味がまず舌にきて、その後に、コクがあるのにくどくない具の味が。
シアントロー嫌いなお嬢は辛そうだったが、そうやっていくうちに慣れていくものさ、人間って。(いきなり説教)

研いで、澄ます、べきものは_b0059565_1043382.jpg

デザートも試してみよう。ガラスケースに並べられてた、Chocolate Creme Pie
くるみで作ったクラストに、アボカドとカカオのフィリング、そしてヤングココナッツのクリーム付。

このローフードのアボカドフィリングは、外でも食べたし、自分でも作ってみたけれど、ほんとにねっとりと濃厚で。でも、アボカド風味なんて全然なく。
濃厚さのわりに後味はすっきりなので、ヘタな乳製品ベースより、量も沢山食べられる。
アボカドは脂肪分が多いから、と敬遠する人もいるけれど。各種栄養素が豊富な上に、脂肪分解酵素であるリパーゼも備えてる、って知ってるんかな。自然の力ってすごいよなあ。

研いで、澄ます、べきものは_b0059565_11401267.jpg

ローフードを食べるたびに、おうちごはんの味ではなく、おそとごはんだとは思うけど。
それでもしっかり感じる身体の軽さと、何を食べても大丈夫という安心感。両方揃えば、嬉しい食事でないわけがないのだね。

こちらではオーダーしたものは、お皿ではなく、持ち帰り用のパックに入って運ばれてきたので、長く滞在する場所というより、ジムで運動した人が、ぱっと食事を買い求めるという場所でもあるのかな。
ジムで推奨する食事。そう考えると勇気が出る。(なぜだ)
ローフードが食べたい時に、遠くまで行かないですむという意味でも、このカフェの存在はありがたい。
研いで、澄ます、べきものは_b0059565_11404795.jpg


Cafe Soulstice
440 Portage Avenue
Palo Alto, CA 94306
(Inside the Equinox Fitness Club)
*-*-*-*-*-*-*-*-*

ブランチということもあって、私にしてはかなりの量を食べたのだが。
ローフード体験するうちに改めて実感したのが、生野菜・生果物というものの消化の良さ。お腹いっぱいに食べたところで、しばらくすれば楽になる。
それはすぐ空腹になる、という意味ではなく。だって身体はしっかり満足してるから、すっきりした後でも、何かを食べたくなる衝動は起こらない。

ローフードやナチュラル・ハイジーンでは、果物や野菜の生食を薦めるだけでなく、食べ物の組み合わせをも考えるべきだ、と指導する。
消化の過程で必要になる「酵素」を、なるべく沢山摂取する為に、生で、もしくは摂氏48度以下の調理したものを食べるようにするべき、という理論なんだが、これには食べ合わせも考慮しなければならない、と。

例えば、

 ・果物は空腹時に、単体で食べる
 ・たんぱく質(肉、魚、乳製品など)とでんぷん(ご飯、パン、芋など)は一緒に食べない
 ・たんぱく質と野菜、またはでんぷんと野菜を一緒に食べる


などが挙げられる。
これは全て、「いかに効率良く、身体に負担をかけずに消化するか」ということを主眼に置いている。

なので、生野菜や果物は、食べるなら食前、もしくは食事の一番最初に食べるんだって。これらは一番消化が早いし(目安30分~1時間)、まず酵素を摂り入れられるから。
そして、その後でたんぱく質や炭水化物を食べよう、と。消化に時間のかかる肉類など(目安3~4時間)と一緒に摂ると、そちらの方に消化酵素が回されて、栄養が十分に吸収されないまま、体内で腐ってしまってガス化するそうな。
こおゆう話を聞くと、そうか、以前の食事で「お腹いっぱあい、苦し~~」となっていたのは、動物性の食べ物の重さだったのだなあ、としみじみ思っちゃうよね。


ただね、やっぱり反論はあるわけで。そりゃそうだ、目の前で腹をかっさばいて、酵素の働きを見られるわけじゃないし。
実際、マクロビはできるだけ加熱食を薦めているので、ローフードには賛成しない立場にあるわけだ。

んじゃどうすればいいべ、となれば、ここはやはり自分の身体に聞くしかなく。たとえ万人が認める健康法であっても、自分に合わなきゃどうしようもないことで。
それこそ、マクロビの大事な理念の一つ、「NON CREDO(ノン・クレド)」。全てを妄信しないで、自分で考え、決めること。フードファディズムに陥らないで。
そして言い換えればこれは、「結果に対して、自分で責任をとる」という意味であることを、決して忘れちゃいけないね。


お嬢はどうやら、朝食は液体食や果物の方が、今のところは身体がいい感じ、とわかったので、彼女向けの朝食を変えるにあたって、私も便乗して人体実験。今週から、朝は出来たてフレッシュジュースと果物、というメニューにしてみている。
寒くなってきたことだし、はたしてどこまで続けるかわからないけれど、まあ当分の間はいいだろう。
私の食習慣からすると、あまり効果は見込めないかも、という不安はあるのだけど。(詳細省略)

しかし、私が50%以上、ローフードやナチュラルハイジーン化することはあるまいな。
だって食べ合わせを考えたら、モロにたんぱく質+でんぷんの、大好物の納豆ご飯が食べられない、ということになるもんな。(結局は食い気負け)
by senrufan | 2008-10-03 10:35


<< 百読は一体験に如かずして 神無月・孟冬・神去月 >>