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とある果実の内側は

ペリー上陸記念日、廃藩置県の日、検疫記念日
政府が日本の呼称を「ニッポン」の呼び名に統一(1970年)
ひまわり1号の打ち上げ(1977年)
日本一の70階建て横浜ランドマークタワー完成(1993年)


ちなみにフランスでは、この日は革命記念日だそうですよ。
映画「巴里祭」は、ルネ・クレール監督の名画、「Lu Quatorze Juillet (7月14日)」(1932年)のタイトルの名邦訳です。

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【レストラン】
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前に、shinaさんとayuminさんという若き美女お2人様と、ランチをご一緒させていただいた時。レストランを出て、2軒先のカフェに入ってみたのだよ。
そこで目にしたあれやこれやがあって、以来、再訪したいと思い続け。
とあるチャンスが巡ってきたので、お嬢と一緒にランチタイムに行ってみた。




店名のPamplemousse(パンプルムース)。これを聞いて私がまず連想したのが、マイケル・ボンド著のミステリー、グルメ探偵・パンプルムース氏のシリーズ。
1冊読んだ限りではあまり惹かれなかったのだけど(酷)、この時に「パンプルムース(仏)=グレープフルーツ」、彼のペットの犬の名は、「ポムフリット(仏)=フライドポテト」ということは覚えたのだ。ほんとにどうでもいい事情。

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しかし、まずはとにかく雰囲気が良い。店内自体はそれほど広くなく、横に細長い作りなのだけど、天井が高いのと、外にあるテーブルエリアがしっかりしているせいで、トータルで結構な広さに見える。
全面の窓から差し込む陽射しで、至極明るい店の中。
まずはランチのオーダーだ。サンドイッチを1種類ずつ。どちらもパニーニスタイルで。

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写真の向こう側が、お嬢の頼んだRoasted Vegetable Sandwich
くるみが入ったカンパーニュ系のどっしりしたパンに、ローストした茄子・ズッキーニ・赤パプリカが挟んである。塗られているのはペストソース。
焼いた野菜の甘味と旨味は言うまでもなく、ソースも適度なアクセント。チーズや油が苦手なお嬢には、ぴったりのサンドだったね。

写真手前の真っ赤なものが、「初回で惹かれたもの・その1」のRoasted Beet and Goat Cheese Sandwich
ローストした赤ビーツに、ゴートチーズという組み合わせ。それにアレグラとシャロットが一緒に挟まってる。
相変わらず、ゴートチーズは本当に甘いものと合うよね。山羊チーズとドライorフレッシュフルーツ、もしくはナッツ&シロップとかね。この焼いたビーツの甘さも、見事に合ってて美味しいったら。

加えて、このパンがなかなかの味わいで。どっしりした素朴なパンであるから、パニーニにしても崩れずに、しっかりと具を受けとめてる。
土台が揺らがないので、野菜と一緒にゆっくり噛みしめて、長く味わうことができるんだ。
このパンだけ売ってないかなあ、と思ったけど、パンの販売は残念ながらバゲットだけ。


サンドイッチを注文した後で、お嬢が、「しまった、あっちでも良かったかなー」と言ったメニューがあって。それは、Breakfastメニューの中にあった、Vegetable Baguette。Breakfastではあるけれど、終日オーダー可能らしい。
じゃあ今度は朝に来てみよう、と、その場で更なる再訪が決まったのであった。
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そして、数日経った後に訪れたのは、朝の7時半。通りには車もまばらな頃。
でも店内には、朝の陽射しが燦々と差し込んで、とても気持ちのよい空間。

ほとんど人も歩いてないのに、この店には結構絶え間なくお客さんが訪れる。このダウンタウン内で、良い朝食場所、と認識されているんだろうなあ。お巡りさんが何人も寄っては、コーヒーとペストリーを買って行ったよ。

お嬢待望のベジタブル・バゲットと、「今日のスープ」であったCream of Leakをオーダーする。
バゲットサンドには卵もチーズも入ってるけどいいの?と聞いたら、バゲットが好きだし、卵はOKだし、フルーツも付いてるところがいいと思ったんだって。さすがフルーツフリーク。

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しかし、残念ながら彼女の思惑ははずれた模様。一口食べて、「うわ、油っこい……」と眉を顰める。
そして、やおらサンドを分解して、そそくさとチーズをかきだし、紙ナプキンで具の上から油を吸い取る、という一幕が。「コックさん、ごめんなさい!」と何度も言っていたけど、それは冒涜ってもんだろう(呆)

が、私も少し食べてみたところ、うーん、これは半分彼女に賛成かも。
まず、チーズはHavartiというものなんだけど、味にちょっとクセがある上、確かに感じる油。
野菜は焼いた茄子とズッキーニ、とメニューにはなっていたけど、ズッキーニの代わりにほうれん草。でもってこの2つ、茄子は薄い一切れ、ほうれん草もかさは少な目なのに、それぞれ結構な量の油で炒められたらしく、かなり油を吸ってるの。
ランチのサンドのロースト野菜は、こんなことなかったのになあ。

そして、これらの具と組み合わされたバゲット。軽くさくさくした味わいで、これだけで食べたら美味しいのだけど、この手の油ものと一緒にすると、軽い分、沢山油を吸収してしまって、揚げ物に似た味わいになってしまって。
ランチの時のようなどっしり系のパンだったら、それもある程度緩和されたか、と思うんだが。
まあ、これはあくまで個人好みでしかないのだけど。天然酵母のような重みのあるパンに慣れてしまったので、この手のパンが物足りなくなった、というのもあるんだろう。

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対して、リークのスープはとても美味しく。おそらくリーク、玉ねぎ、ポテトを、牛乳とスープストックで煮込んで、という感じのものだと思うけど、クリーミーでコクがあって、まだちょっと肌寒い朝には嬉しい一品。
家では全くじゃがいもを食べなくなったので、久しぶりだなあ、こおゆうスープ。

しかし、これに添えられた薄切りバゲットも、やはり油で軽く揚げ焼きしてあって。しっかり油を吸ったパンは、クルトン並にさくさくと軽くて歯応えは良かったが、やっぱりちょっと胸焼けが。
このバゲットは、そのままプレーンで食べたいな。軽いパンが欲しい時に良さそうだ。
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さて、「初回で惹かれたもの」はあと2つ。
そのうちの1つが、ケーキのサンプル。はい、卑しいのは承知済。(開き直り)

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普通、ケーキ屋さんのサンプルというと、2cm四方ぐらいの小さなものだけど、ここのサンプルはデカいのだ。ケーキ4分の1個分ぐらい?と思うぐらいの大きさだ。
それが数種類、こんな形でレジの横にどーんと置いてあって、思わずずーずーしー魂に火がついて、その場にあった3種類全てをゲットした。

バナナケーキと、パンプルムースという店名と同じ名前のケーキ、それともう1種類(名称不明)。バナナは焼き菓子系、あと2つは、フルーツのムースやクリームをスポンジで挟んだタイプのもの。

これが意外にいいお味、って、味覚オンチのくせになんて失礼な。
や、大抵のアメリカンなケーキは、私の舌をその場で痺れさせ、後ほど頭痛を起こさせるんだが、これは一口以上食べても大丈夫で。
というのは、分解して食べてみたところ、スポンジ部分はある程度の砂糖は入っているけれど、フルーツを使った部分は、かなり甘さが控え目で。フルーツそのものの甘酸っぱさが良く出ていて、それで全体が私達好みのバランスに近くなってるんだね。

ショーケースに並べられた、見た目も美しいケーキ達と、マフィンやクロワッサンといったペストリー類。
チョコレート系はすごくリッチそうで、食べたら相当の濃さと甘さが予想されるが、フルーツ使用のものだったら、むしろちょっとだけ試してみたいかも。
チョコレートも、見た目はそうでも、味がヨーロッパ系のチョコだったらいいんだけどな。


ペストリー類の中の、ラズベリーとルバーブのブリオッシュ、チョコレート・ヴィーガンマフィン。この辺り、次回の私的狙い目。
蛇足ながら、朝食時にはさすがにこのサンプルはなかったので、せめて10時以降かと。
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「初回で惹かれたもの・その3」は。
ケーキと並んで、ガラスケースにずらりと並べられた、色の洪水のようなマカロン達、だよ。

マカロンって実は、とっても馴染みがなく。知識どころか、自分の中の標準の味が全くない状態。
しかし、例えば憧れのみかさんとか。可愛い可愛いayuminさんとか。マカロンに詳しく、探求もしてらっしゃる方達が確かにいるほど、人気の高いお菓子であることは重々承知。

実は、この店の再訪のきっかけをくれたのが、正にみかさんで。
彼女の家に物を受け取りに行くことになったので、この際ここのマカロンを押し付けて、感想を聞いてみたくなったのだ。
勿論、自分でも食べてみるつもりだけど、私の舌はこのお菓子に関しては、信頼度マイナス253度、なんでなー。(通常はマイナス138度)

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ショーケースの前で、お嬢と目を輝かせながら見入ってしまったよ。すごいなあ、全部で30種類近くあるんじゃなかろうか。
おまけに、今まで見かけたどのマカロンより大きいの。直径5cmぐらいかなあ。

悩んで悩んで悩んだ末に、みかさん宅と我が家に4つずつ。
うち用に買ったのは、抹茶・柚子・フィグ・マンゴー。柚子があるというのが嬉しいよね。

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帰る途中の車の中で、お嬢の中間搾取が入ったので(……)、こんな齧りかけのものの写真しかないけれど。
私も、どの種類も、ほんの一齧りずつ試してみたところ。こんなわずかな欠片だけでも、口の中いっぱいに広がる強い甘さ。
外側はさっくりと大きく、中のクリームはみっちり詰まって。その両方で、強烈な甘さを主張する。

でもマカロンって、ayuminさんに教わったところ、砂糖を減らすと上手くできないんだって。
だから見かけは小さいもので、十分な甘さを全身に、という類いのお菓子なのかなあ、と。
チョコレートトリュフやボンボンみたいに、美味しい飲み物と一緒に、ほんの少量を存分に。そんな上質な時間が似合うお菓子。

ならば、これから私達も上流階級っぽく、親指と人差し指で品良くつまんだマカロン&小指を立てながらティーカップ、となれば良かったんだが(良いのか)、んなこと逆立ちしたってありえない。
大変我が家らしく、マカロンをそれぞれ5mm四方ぐらいのミニチュアサイズに切り刻み、コンテナに入れて、何日も何日もかけて消費したのであった。
だってボク達には、一日一欠片が限界だったんだ……(負け犬)


こちらのマカロンの評価については、詳しいお2人におまかせです。美しいお2人の美しい写真の記事を、どうぞ堪能して下さいませ。

みかさんのマカロン記事 (評価してくれてありがとう!)
shinaさんのPumplemousse記事 


Pamplemousse Pâtisserie et Café
2401 Broadway Street
Redwood City, CA 94063
by senrufan | 2008-07-14 10:56


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