その力と心は誰のため

農林水産省発足記念日、ビキニスタイル発表の日
下山事件(1949年)
沢松和子、日本選手として初めてウインブルドンで優勝(1975年)


往年のMGMミュージカルスター、シド・チャリシー逝去

先月のニュースになりますが、最初に耳にした時は、ああ……とやはり、ため息がでたものでございました。

特にファンというわけではなかったのですが、ハリウッド黄金期のミュージカルが大好きな私には、はずせない女優さんの一人であり。
特に彼女の、あの脚線美。ストッキングに包まれ、ハイヒールをはいたあのおみ足。
長く、真っ直ぐで、膝の形も美しく。決して細くはないのですが、むしろ太腿などは立派なボリュームがあるのですが。
鍛えている、とわかる、ゆるむ余地もない力強さ。こういう健康的な強さには、何をおいても惹かれます。

脚線美といえば、マレーネ・ディートリッヒが有名ですが、個人的には、チャリシーの脚の方が好きだなあ。
ほんと、ダンサーやアスリートの身体には、見惚れてばかりです。モデルさんにはそこまでないのに。


今月中に、チャリシーが出演する映画を2本観る予定です。

* * * * *

【映画】
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映画「Hancock」を観に行って来ました。
6月27日の公開から、まだ間もない頃に観に行くなんて、我が家にしては珍しい。お嬢が今月半ばから日本に行くので、その前に観ておこうという試みです。(どうでもいい事情)

人気スターのWill Smith、この夏のBlockbuster(レンタルビデオ屋です)は、スミスなしではいられない、と言われておりますが。果たしてこの「Hancock」は、その評判を更に高めることができるのか。
予告編を観た時にあまりに面白そうだったので、勇んで行ってまいりました。




John Hancockは、凄まじいパワーを持つスーパーヒーロー。のはずなのだが、人助けのたびにその手荒な振舞のせいで、何億ドルもの損害を出すことで、すっかりLos Angelesの住民の嫌われ者。孤独なまま酒に溺れる、アル中の日々を送っている。
そんなある日、電車にひかれそうになったRay Embreyを助ける。”All-Heart”という慈善事業で世界を変えようと奮闘する彼は、恩返しを兼ねて、ハンコックの更正に乗り出し、ハンコックも渋々ながら承知するのだが。


この映画、前半と後半に分けられる、と思います。
みじめな充血目のハンコックが、とうとう皆に本物のヒーローとして認められるまでの前半と。そして本人さえ知らなかった、ハンコックの秘密が明らかになっていく後半に、です。
前半部まではハラハラしても、どこかで大丈夫だろうという安心感を持って観られたのですが、それに続く後半は、私ごときでは予測できなかった(しようともしなかっただろうおい)、こうきたか!という内容で進んでいくのです。


冒頭は、酔っ払ってベンチで寝ているハンコックを、クソガキが起こすところから始まります。
このガキ、ハンコックのことを「as○hole」と呼ぶのですが、そこで私の隣で、「あんな小さい子に、あんなセリフを言わせるなんて」と怒っていた、どこぞの教育委員のオバハンのような13歳児がいました。
でもって、このAワード、ハンコックをキレさせるキーワードとして、これからも数回登場します。

イメージ・コンサルタントのレイとの交流は、ハンコックの思いがけない辛抱強さと優しさを、そして、あまりに強固な鎧の下に隠れていた、孤独感と傷つきやすさを垣間見せ。
AA(Alcoholics Anonymous)、つまりアル中から脱却する会の集まりで、少しずつほころびていく頑なさ。それを温かく歓迎する人々。

80年前に病院で目覚める前の、記憶を持たないハンコック。自分の名前さえ覚えておらず、書類にサインを求める看護婦の言葉から、勝手に自分の名をジョン・ハンコックとするのですが。
ここで全く繋がりがわからなかった私に、お嬢が教えてくれました。さすがアメリカ育ち。

ジョン・ハンコックとは、米国の独立宣言に署名した人々の一人なのですが、彼のサインが一際大きく目立つ為に有名となり、いつの間にやら「署名」の代名詞として、彼の名前が使われるようになったらしいのですね。
教育を受けた米国人であれば、悲しく微笑むシーンなのでしょうけれど、んなこと無教養な生粋の日本人にわかるわけがないだろう。(ぶつぶつ)(言い訳)
日本での公開時、どんな説明がつくのか楽しみでありますね。

ともあれそこで、「え、80年前!?」と観客は一旦驚きますが、なんのなんの、実はもっともっと時を遡ること。
彼自身がすっかり喪失していた記憶と秘密を、彼の運命のパートナーが、力と怒りと、大量のやり切れなさをもって明かすのです。


今回はやはり、ウィル・スミスの上手さに感服です。
最初のアル中の日々、すがめた目に映る絶望感。罵声を何度浴びせられても、立たずにはいられない切迫感。それでも爆発することがないのは、ハンコックの抱えてきた果てのない孤独を思い知らされるようで。
悲しいほどぎこちなく、不器用に。最初は針の穴ほどから。そして大きな光へと歩み出したハンコックを、胸に迫る演技でもって、観客を惹きつけ続けて止まりません。
勿論、笑いもしっかり健在です。

そして彼の身体の美しいこと! や、変な意味ではないですよ。
元々のスタイルの良さがあるのはわかるのですが、とにかくあの長い手足のしなやかさ。鍛えてるなあ、とわかる逞しさ。
クライマックスのスローモーションの動きのシーンで、展開に夢中になりつつも、目は彼の肢体に釘付けでした。
男性でも女性でも、ただ細いとかスタイルがいいとかだけじゃなく、「努力している」とわかる身体に、一層強く魅せられます。

ハンコックをターニングポイントに導くレイを演じたのは、Jason Bateman。爽やかで真っ直ぐで、それでいて信念を貫く強さの持ち主であるレイを、嫌味なく温かく演じます。
彼の妻のMaryには、Charlize Theron。何回見ても、美しい女優さんだなあ。
彼女は最初から、「ん?」と思わせる何かを醸し出しているのですが、その、なんというか、”静”の部分と、何かが判明した時の”動”の部分を、対照的に演じ分けた上で、でも確かに全てまとめて彼女なのだ、とわかる形でまとめていて、とても好感が持てました。

悪役も個性があってよろしくて。刑務所の面々は、よくもあれだけの悪人面を揃えたもんだ。
個人的に唯一惜しかったのは、子役の子かな。もうちょっと表現力が欲しかったなあ、と思ったり。幼児に無茶言っちゃいかんのだろうか。


実はこの映画、誠に勝手ながら、続きがあるのでは、と勘繰っております。
というのは、敵であるらしい「彼ら」というのが、正体がわからないままなのです。
私の英語力不足のせいかと思ったのですが、お嬢にもそうだったらしいので、うーん。それとも、私達が聞きそこなった何かがあったのか。

まあそれは置いといても、ラストは心温まる仕上がり。同時に、山ほどの切なさも沁みてきます。
ヒーローである、ということには、孤独である、ということがもれなくついてくるのは、一体どうしてなんでしょう。
優れた力を持つことを、彼らが心から望んだわけではないでしょうに。

しかし、心の強さも同時に併せ持つことが、彼らをしてヒーローたらしめるものであり。
その無限の力と同様の規模で、強さと優しさを持つことをも証明してみせたハンコック。
彼もまた新しいヒーローの一人として、栄えある仲間に加わるのです。
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by senrufan | 2008-07-05 12:18 | Trackback | Comments(6)
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Commented by マミィ at 2008-07-08 15:39 x
ううむ、「ハンコック」、面白そうですねぇ。ウィル・スミスは夫婦共にファンなので、是非とも観に行きたく。それにしてもMiyuki嬢はどうしてこんなにも表現豊かに映画を語れるのでしょう。こちらは一昨日「ナルニア国物語カスピアン王子の角笛」を観に行って来たのですが、私に書かせると「すご~く良かったです。カスピアン王子が超格好良かったです。続きが楽しみです。」になります・・・やはりこれは読書量の違いね、とほほほ。
Commented by すれっぢ at 2008-07-08 23:10 x
見たいな~と思ってたので、日記はところどころ飛ばして拝読(笑)
ジョン・ハンコックの由来・・・アメリカ人じゃなきゃわかんないですよね~。
日本でいうと・・・三年寝太郎みたいなもんか。(違いすぎ)
Commented by shina_pooh_at_sfo at 2008-07-09 03:36
こんな映画なんですね、Hancock。題名を見た瞬間、韓国系スーパーマーケットしか思い浮かばない私には、聡明なお嬢様の解説なしではまったく意を解さなかったでしょう、、、感謝。字幕なしではつらいわたくし。Netflix待ちにしたいと思います。

そして!冒頭の
> 沢松和子、日本選手として初めてウインブルドンで優勝(1975年)
にくぎづけ!日本人でウィンブルドン優勝者がいたんですかー!知りませんでした。
Commented by Miyuki at 2008-07-09 12:30 x
*マミィさん
お、マミィさんご夫婦もファンですか! いいですよねえ彼♪ 逆に私は、いまだにナルニアを観てないのです~(涙) 一体公開からどんだけたってるんだ。
私の文はやたら長いだけ~の、ポイントがない駄文そのものでございますよ……姉さまの詩! 一文にこめたキレと見事なオチ! あれぞ文才というものです。(憧れ)
Commented by Miyuki at 2008-07-09 12:32 x
*すれっぢさん
器用な読み方をしていただいて恐縮です(笑) ぜひ観てくださいね~。
うちの娘は、最初にこの映画のタイトルを聞いた時から、「ジョン・ハンコックのことかと思った」と言ってたのですが、まさかほんとに関連があるとは知りませんでした。日本でいうと……浦島太郎とか(激違)
Commented by Miyuki at 2008-07-09 12:38 x
*shinaさん
ネタバレ大丈夫でしたか? Netflix利用の方、どんどん増えてますね~。ほんとは私こそそっち利用の方がいい英語力なのに(遠い目)

そう、沢松選手、女子ダブルスで優勝したそうです! 沢松奈生子選手の叔母さんにあたるとのこと。ちょうど熱戦を鑑賞した後に、知った私でございました(笑)


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