昇るその背に声援を

聖ペテロの祝日、星の王子さまの日
治安維持法改正・公布(1928年)
十勝岳爆発(1962年)
ビートルズ来日、翌日に日本初公演(1966年)


米のフェルプス、世界新で五輪へ

日本では、続々と北京オリンピック代表が決まりつつありますね。

こちら米国でも同様で、今日は水泳の代表選考会が行われました。
前回のアテネで大活躍だったマイケル・フェルプス、いきなりの世界新をマークして、貫禄の北京行きが決定です。


水着問題がやたらとクローズアップされてしまった感のある日本競泳界ですが。
どうか心置きなく、思う存分、悔いのないように。

米国選手の応援で盛り上がる、ここ北カリフォルニアのとあるスイミングクラブにて、
決して声には出さずとも、心から日本選手に声援を送っているヤツがいます。

* * * * *

【雑事】
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「家でごろごろ」という、トンデモナイ夏休みプランしか持ってなかったお嬢ですが。
それでも一つだけ、申し込んだサマーキャンプがありまして。
それがUS Sports Campというところの、Swimmingのキャンプでした。



数年前から、夏が近づくと広告が送られてくるようになっていたので、名前は知ってはいたのですが。何せ結構なお値段なので、庶民としては二の足を踏んでいたわけで。
ところが、お嬢のスイミング友達数人が体験したところ、みんな口を揃えて絶賛。「絶対行った方がいいよ!」との太鼓判。
なので、今年はこの一つ限り、と決めて、申し込んだのでありました。


場所は地元のスタンフォード大学。こちらのプールも、オリンピック候補らしいです。
日程的には6日間ですが、初日は夕方5時から・最終日は11時まで、という変則日程なので、実質は5日間。
なぜこのようになっているかというと、このキャンプ、全米各地から飛行機に乗ってキャンパー達がやってくるので、初日と最終日は飛行機のスケジュールの為に、こんな形になっているのです。
お嬢がいたグループだけでも、サウスダコタ・テキサス・ノースキャロライナ等々からやって来たメンバーだったとか。

なので、5泊6日の泊り込みが基本のキャンプだったのですが、朝8時から夜9時まで、というDay Campの選択もあり。こんな近所で泊り込みもなかろうと、お嬢はそちらを選びました。
それでも昼食・夕食付で、私がしたことは朝食の用意と、送り迎えのみ。旦那もいないので、朝食以外はほとんど料理もせず。
お嬢も充実、私も充実(いやほんとに)、大変はっぴーな数日間でございましたよ。

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このキャンプの目玉(?)は、コーチ陣です。
米国競泳界で著名なコーチ、Skip Kenneyをヘッドとして、アシスタントコーチのTed Knappや他のコーチ陣、そしてスタンフォードのスイミングチームがバックアップ。
参加人数もすごいものなので、個人指導が受けられるわけでは勿論ないのですが、それでも与えられるアドバイスの的確さに、お嬢は感動しておりました。

更には、スタンフォードに在籍している、ケニア代表の水泳選手を始めとして、オリンピック候補選手が惜しみなく泳ぎを披露してくれたそうで。
”本物”を目の前で見て、質問にも答えてもらえる。こんな機会がそうそうあるものではありません。
今まで申し込むことのなかったこのキャンプですが、たまたま申し込んだ年がオリンピック・イヤーに当ったこと、実はたまらなく幸運なことだったなあ、としみじみ思います。


お嬢から色々と聞いた中で、最も感服したのが、Skip Kenneyの広範にわたる指導力です。
NCAA Coach of the Yearに6回選ばれ、1984年・1988年のオリンピックでアシスタントコーチを、1996年のアトランタでヘッドコーチを務め、現在はスタンフォード大のコーチです。

こちらでは、スポーツ界のコーチというものは、日本よりずっと社会的地位が高く、その分、個々人の人格面まで含めた能力は相当なもの。
実際、ほんの断片にしか触れられなかったであろうキャンパー達も、かなりの感銘を受けた模様。
カリスマ性。この言葉を本当に体現できる人に出会った、という印象だったそうです。

要約すると、
「的確な言葉での指導」
「絶やすことのないユーモア」
「ほめる・励ます・士気を上げる」
「選手の力を120%引きだせる」
といったところ、だと。
元来ほめ上手な人が多い米国の指導層ですが、今回は大人数のキャンプのヘッドコーチという役割上、個人個人を励ますことは難しく。
よって、大局的に自分の影響力が行き渡るような形をとり、選手達はそれを肌で感じることができた、ということらしいですね。


面白かったのが、毎朝の挨拶。毎日、その日に練習する泳ぎをもじったもので。
「Good morning, Skip & Ted!」
で始まり、その後Kenney氏が言うままの言葉を繰り返すのですが、
「Breatstroke is the best stroke」
「Teach us the back, so we can attack」
「Teach us the fly, so we don't die」
最終日には、
「WE LOVE YOU~~!!」
イントネーションや仕草までお伝えできないのが、大変残念でなりません。


彼はスタンフォード大のコーチですから、当然有望選手のスカウトもするわけですが。
それについて、2つのエピソードを披露してくれたそうです。

ある有望選手の家で、親を含めて勧誘の話し合いをしていた時。その選手の母親が、あることを質問したそうですが。
その選手が顔をしかめて、
「ママ、なんでそんな馬鹿な質問をするんだよ?」
と言った途端、Skipは、
「あ、もう結構です。君への興味はなくなりました
と言って、その家を後にしたそうです。

もう1つ、とある試合で、実力はすごいものの、片っ端からいろんな選手の悪口を言いまくっている選手がいて。
それを耳にしていたSkipは、後日その選手がスタンフォードの勧誘候補に挙がった時に、ばっさりと切り捨てたとか。
その後、この選手はある大学のスポーツ奨学生となったのですが、1年後、そこのコーチから、
「これからも奨学金は受けられる。だが、君はもうこのチームには来なくていい」
と言われたそうで。

それらに関連して、彼が述べたことの要旨として。

大学チームというのは、家族同然のもので。
家族として結びついて進む為に問題になるのは、その実力以上に人間性だ。
人間性と実力がそろっていなければ、一流と呼ばれる資格はなく、また、その力が本物であれば、同時に人間性が備わっているはずなのだ。

深遠な、核であるべき、真実の。


オリンピック代表選考試合を目前にして、スタンフォードから出場する選手達と共に、キャンプの最後の最後で、全員で声を揃えて叫んだのは。
「Go, Team U.S.A.!!」

カリフォルニアの青空の下、響き渡ったことでしょう。





その時にこっそり内心で、
「Go, Team Japan!」
と叫んだちっちゃいヤツがいたとかいないとか。
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by senrufan | 2008-06-29 13:19 | Trackback | Comments(8)
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Commented by peartree22 at 2008-07-01 16:48
わー、貴重な経験をされたのですね。私のようなPCにほうけているような怠け者でさえ、びしっと背筋が伸びる(一瞬・・・・)のですから、1を知って10を知る能力のあるお嬢さんなら、水泳だけでなく心もまたさらに大きくなられたことでしょうね。
もう嫌と言うほど名門スポーツ校の監督や学校、生徒の不祥事が発覚する最近の日本。
一度、こうした本物のコーチの話や実際のコーチングに接することができたらと思います。
アメリカで育った選手が日本代表に選ばれることがありますものね♪
お嬢さんもいつか・・・!
Commented by マミィ at 2008-07-01 16:52 x
お嬢さんにこの夏、素晴らしい出会いがあったんですねぇ。良い経験ができて、さらに彼女の世界が広がりを持ったことでしょうな。毎日の送り迎えをしたMiyukiさん、お疲れさまでした!

そして私も大声で
Go, Team Japan!
とフランスで叫ぶ朝であります。



Commented by Miyuki at 2008-07-02 12:25 x
*ちゃんさま
こんないい体験をしたのだから、さぞかし成長して帰ってくると思いきや、翌日早々に大ゲンカです。一体誰に似たんだ、あのガンコモノー!(怒)
日本のコーチ、そんなニュースもあるんですか、悲しいですねえ。私はこれを聞いて、日本の相撲界と横綱のことを考えたです。国技であり、国民の代表であるべき相撲部屋と横綱のあの有様。人間性を伴ってこそ、という言葉がずしりときますね~。
Commented by Miyuki at 2008-07-02 12:28 x
*マミィさん
豚に真珠の体験にならなければよいのですけど、とほほ。そちらのお嬢様方は、この夏どんな体験をされるご予定でしょうか? フランスのコーチ術など、またうかがってみたいです。

お互い、海を越えてJapanを応援しましょうね~!
って、オリンピックの時、フィさんはフランスを応援するから……えーとえーと。
Commented by まきりん♪ at 2008-07-03 15:17 x
お嬢さんは素晴らしいキャンプに参加なさったのですね。
このようなコーチにあって刺激を受けられたことは彼女の水泳、ひいては人生に大いに影響ありという気がします。

「的確な言葉での指導」
「絶やすことのないユーモア」
「ほめる・励ます・士気を上げる」
「選手の力を120%引きだせる」

私もこれを座右の銘にして、仕事の時に使わせて頂こう(笑)
Commented by すれっぢ at 2008-07-04 01:59 x
すご~い、そんな有名な人に指導してもらえるなんて・・・長島の
野球教室に参加するようなもんでしょうか。

さすがアメリカの指導者、+になることばかりで伸ばそうとするのが
特徴的ですよね。ダメ出しの多い日本文化で育つと、こういう指導受けたら目からウロコになるんではないかと感じました。

朝食だけで済んだお母さんの休暇にもなりました?(笑)
Commented by Miyuki at 2008-07-04 12:35 x
*まきりんさん
人生に影響があるほど、彼女の受けとめ方が広いものだったら良いのですがー。がー。(信用度ゼロ)
そうか、確かにまきりんさんのお仕事にも応用が!(笑) まきさんなら、これだけじゃなく、さらにプラスアルファを付け加えられることでしょうvv
Commented by Miyuki at 2008-07-04 12:38 x
*すれっぢさん
そです、しかも現役監督時代の長島ですよ~。こたえられません。サインをもらわせれば良かったかも(みーはー)

一流コーチであるからこそ、こおゆう指導法ができるんでしょうね。日本とは根本的に精神論が異なるので、なかなかこの通りにはできないでしょうが、部分的にでも取り入れていけば、と思うのですが~。

はい、私もしっかり充電しましたよー♪ 最後の日が悲しくて悲しくて(おい)


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