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It's Swingtime!

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【イベント】
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「スウィングしなけりゃジャズじゃない」
お気に入りの言葉なのですが、正確には、かの有名なデューク・エリントンの曲の題名で、
「スウィングしなけりゃ意味がない (It don't mean a thing if it ain't got that swing)」
でございますね。




以前、映画では「ハリウッドの黄金期」、つまり1930~40年代を中心にした時期のものが好きだ、と告白したことがありますが。
実はこの時代のスウィングジャズビッグバンドジャズにも、結構な思い入れがあるのです。
ベニー・グッドマン、カウント・ベイシー、グレン・ミラー、サッチモにシナトラ、エラ・フィッツジェラルドにビリー・ホリデイ……理屈抜きで、というか、音楽の理屈など全くわかりませんが(殴)、彼らの音楽が大好きで。フレーズをちらっと耳にするだけで、自然と身体が動いてしまうのです。

単純で、シンプルで、ひたすらにリズムを愛したswingの時代。
この30~40年代のナンバー専門のバンドが、週末に近くのホールでコンサートを開いたので、家族揃って行ってきたのでありました。


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会場に着いてみて、まず驚いたのは。
お客さんが、おじいちゃまとおばあちゃま、という年代の方しかいらっしゃらない。(愕然)

改めて、この時代の音楽を好まれるのは、そういう年の人達なんだなあ、とわかった次第。
そして、自分はそこに含まれる、ということなんですね……
そうだよね、MTVとか見たことないし……あめりかん・あいどるなんて、チャンネルも知らないし……(俯いて小石を蹴りながら)

でも、集まったおばあちゃま達の、随分とキュートなことったら。
小粋な帽子をかぶってたり、お揃いのショールとドレスでドレスアップしていたり。
すでに、ステップらしきものを踏んでいるおじいちゃま達もいたりして。

そんなほのぼの待ち時間はあっという間に過ぎ去って、いよいよ開演時間です。


California Pops Orchestraと、The Black Tie Jazz Big Bandの共演、というコンサート。
30~40年代のビッグバンドジャズをメインとした楽団です。
彼らがどのぐらいの知名度なのか、全くわからないのですが、今シーズンのシーズンチケットは完売、今回の土・日のコンサートのチケットもほぼ完売状態とのことなので、カリフォルニアではそれなりの人気のバンドかも。

オープニングは「In The Mood」。
曲目はプログラムに書かれているものの、順番は完全にアトランダム。合間合間に指揮者の軽妙なおしゃべりを挟みつつ、ぐんぐんとノリよく進みます。

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トランペットやトロンボーンの見事なソロに酔い、サックスの響きに身体は踊り、クラリネットの軽さにわくわくと。
無口でシャイなバリトンの男性シンガー、でも笑顔は絶やさず、骨太な響き。
いかにも明るいアメリカンレディの女性シンガー、踊って歌って、足も背中も見せますよ。

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この時代のジャズは、現代から見ると、どうしてもリズムやフレーズが単調になるのは否めないのですが、それでも全20曲、間に休憩を挟みつつ、飽きさせないようにアレンジや見せ場を工夫していたところ、なかなか見事なもの。
観客は年齢のせいもあって(多分)、派手に盛り上がったりの反応はなかったものの、良く見ると皆さん、身体を静かにゆすっていたり、手で終始リズムを刻んでいたりと、十分に楽しんでいた模様。

中には、曲に合わせてフロアで踊り始めたカップルもいらっしゃいまして。
ちょっとサクラっぽい?と思ったのですが、それにつられて一組の母娘が立ち上がって踊り始めたのは、とても微笑ましい眺めでしたよ。
お嬢にちょっと誘いをかけたら、気でも狂ったか、という目でにらまれた我が家に比べたら……いいんです、どうせ冗談だったし。(くそう)


20世紀の終わりから、21世紀の始まりにかけて、アメリカという国に住むことになりましたが。
住む前も、住んだ後も、この国で好きな時代も文化も、なぜか私が生まれる前のもので。母国との関係は最悪の時期にあり。
しかし、いまだ惹かれてやまないのは、あの時代の持つパワーに対してなのか、それとも真っ直ぐに前を向いた視点になのか、理由は自分でも良くわからないままですが。

辛い時こそ、堪えて笑おう。切ないからこそ、ジョークで流そう。
言葉にすれば、人々のそんな強さを、あの時代の映画や音楽といった娯楽に感じるから、なのかもしれません。


「American Patrol」、「Moonlight Serenade」、「Don't Be That Way」、「Jingle Jangle Jingle」……
最後は大好きな一曲、「Sing Sing Sing」で締めくくられた、楽しくて楽しくて、ほんわかと心温まる数時間でございました。
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ところで今回コンサートに行って、パンフレットを見て。目の玉が飛び出るかと思うぐらいに、びっくり仰天したことがありまして。

出演者で、ですね。
男性シンガーの人、がですね。

うちの大家さん

ではないか、と思うのです。


しっかり同姓同名。しかも、今まで他で聞いたことのない苗字。
1年前に大家さんが変わった時、私とお嬢が数分間会ったきりで、顔も良く覚えてないのですが、なんとなくあんな体型と顔だったような。
旦那は会ったことがないのでわからないし、頼みのお嬢は「足が大きかったことしか覚えてない」と言うので(ちっ)、自信は全然ないのですが。

うーん、うーん、どうなんだろう。
とりあえず、チャンスがあったら尋ねてみようと思ってます。
その時まで、このパンフレットは捨てられませんな。だってサインをもらう為(違)
by senrufan | 2008-04-13 12:54


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