ほんの些細な断片が

Army Day (Chile)


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この時期、スーパーの店頭に並ぶ、大好きな果物2種。
Thompson grapeと、Italian prune plumです。

どちらも店で見かける期間は、それほど長くないのですが、その分凝縮されたごとくに、甘い甘い果物。
こちらもこの間に、とばかりに、せきたてられるように買っては、しみじみ味わってしまうのでありました。


* * * * *

【お菓子】

知った時から、心惹かれてやみませんでした。
そちらに行ってはいけないと。せめて中身を知るまではと。
とどめようとしても叶わないまま、いつも心のどこかに在りました。

まさか、あんなところで出会ってしまうなんて。まるで私の心を見透かしたごとくに、そこに居て。
思わず足を止めた時。震えながら手を伸ばした時。あの時、確かに周りの時間は止まっていたと思うのです。

出会ってしまったのだから、仕方がない。それは、拙い言い訳と知っていて。
ただただ私があなたに、どうしようもなく惹かれてしまった。全てはあの日にあったのです。




だってまさか、スーパーのケーキ売り場に、欲しかったレシピ本が置いてあるなんてさあ!
一体誰が思うだろう。いや、誰も思うまい。(反語)

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店に行って、パンもケーキも味わって。そのカントリー風味の豊かな姿と味わいに、たちまちファンになってしまった、SFにあるベーカリーのTartine
HPを見て、レシピ本があるのを知って、すっごく欲しくなったんだけど。
こちらのレシピ本って、とにかく写真が少ないの。写真が多くなると、途端に値段もはね上がるの。
本自体は、日本より安いイメージがあるのになあ。まあその分、掲載レシピ数も多いように思うんだけどね。

レシピって、写真がないとイメージが沸きにくく。むしろいい写真が付いてると、「これは美味しそう!」と思って作ってしまうことってあるよね。
だからネットより紙媒体派の私でも、こちらのレシピブックは持たずにきて。Tartineの本も、あの値段でそういう内容だったら悲しいと思って、Amazonクリックを我慢していたんだけど。

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でも、出会っちゃったんだよなあ。カップケーキの本の横で、まるで私を待ってたように。(大いなる錯覚)
思いがけず、全く思いがけずに手に取って、中をチェックすることができて。
中身をささっと見た限り、やはり写真は少ないけれど、おおこれは、と思うところが幾つもあって、これはどうしたって買う運命。(壮大な思い込み)
ケーキ売り場のお兄さんが、「何がいりますか?」と聞いてきた時、「この本を下さい」と口走ったのは、そんなわけで大変ナチュラル。ケーキじゃなくてすいません。


レジで買った後、待ちきれずに店内のテーブルについて、中をじっくり読み始める。
序文は、カリフォルニア料理の創始者的存在である、アリス・ウォーターズによるもの。Tartineのオーナー夫妻とどう出会ったか、彼らの作るパンの魅力は、などについて、2ページにわたって丁寧に書かれている。
そしてオーナー自身による前書き。ここだけでも、この本の価値の結構な割合を占めるように思う。

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ターティーンのパンやお菓子は、見かけは大きくて素朴で、決して華奢ではなく。むしろどこかの片田舎の、地元に根付いたパン屋さん。
でも食べてみると、実は都会に出ても、十二分にやっていける力があるとわかるもの。
この本の中には、先日食べたクロワッサンから始まって、ケーキ、パイ、キッシュやクッキー、人気商品のバナナクリームパイまで、かなりのレシピが網羅されている。

では、とレシピを良く見ると、のっている材料はごく普通のものばかり。しかし、単に手順を示すだけでなく、各段階ごと、細かい秘訣が惜しげもなく散りばめられている。

オムレツはシンプルこの上ない料理だけど。卵と熱という、ただそれだけを、どこまで理解して上手く作れるか。
ターティーンのシェフ達が、最初はひたすらにペストリー・クリームとジェノワーズを作り続けるように、家で作るものも、それが全にして一つのものであり。
「レシピ通りにブラウニーを作った時、ほんの少しでも焼きすぎたら、それはすでにターティーンのブラウニーではありません。私達は特別な材料や変わったことをやっているわけではなく、ただ全ての手順に確実に意識を払うことを、常に努力しているだけなのです

Bay Breadのサンドイッチでも感じたこと。それは小さな、でも大きな意味のある。
芯の中まで、奥の奥まで、大事なことはそういうこと。

*-*-*-*-*-*-*-*-*

ここのクロワッサンとブレッドプディングに、特に惚れこんでしまったのだけど。両方ともレシピはのっていたものの、中種を作るところから始まるもので、残念ながら今の私にはまだこなせそうもなく。

ターティーンのブレッドプディングは、わざわざそれ用のブリオッシュを焼くところから始まっているそうで。
なら、ブリオッシュは私に作れるレベルのものでも、せめてブレッドプディングはレシピに従って作ってみたらどうだろう。


まずはローフ型でブリオッシュを焼いて、それをしばらく取っておく。
卵液は、ただ卵とWhole milk、砂糖、塩にバニラエッセンス。でもレシピの指示は細かいよ。

 決して混ぜすぎないこと、材料がきちんと混ざるところまで。
 ブリオッシュは軽くトーストして、型の中に、余裕をもって入れること。
 液を入れすぎず、少量とっておいて、最後の仕上げに使うこと。
 生地が乾くには原因があって、……

昨夜のうちに、液を八割方流し込んだところまでやっておいて、今朝最後に残りの液を加えて、オーブンでじっくりと焼いた。

その間にプルーンを切って、メープルシロップと油でキャラメライズしておく。
レシピではソテーして、キャラメルソースに漬けておいたりするのだけど、さすがにそこまではやめておいて。

焼き上がったプディングの上にプルーンをのせて、更にもう数分焼いて。それでほんのりキャラメル風味が強くなってくれたかな。

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ブレッドプディングは、焼いたその日が一番なので、ターティーンでは必ずその日の朝に焼いてサーブするという。
ちなみにここのパンは、夕方5時からの販売と決まっている。仕事で疲れて帰る人達に、夕食にできるだけ美味しいパンを食べて欲しいから、というのがオーナーの信条だ。
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by senrufan | 2007-09-19 14:13 | Trackback | Comments(10)
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Commented by shina_pooh_at_sfo at 2007-09-21 23:23
「何がいりますか?」「この本を下さい」と返されたときの店員さんの表情が眼に浮かぶようです(笑)アリス・ウォーターズさんによる序文なんてお洒落。お菓子好きな私の友人も、このレシピ本は目に入った瞬間買ってしまったと言っていました。自分でお菓子を作られる方にとっては、一度は手にしてみたい魔法の本でしょうね。

お料理の中でも、お菓子は特に分量や手順に厳密に従わないとうまくいかない。普段作りなれてないとなおさらで、、、Miyuki さんの画像で目の保養です。おなかはぐぅ。。今日は今まで踏み切れなかった Italian prune plum を買いに走りまーす。
Commented by マミィ at 2007-09-22 01:54 x
一体誰が思うだろう。いや、誰も思うまい。しかしこりゃぁうまい!(ダジャレ)

「・・・ただ全ての手順に確実に意識を払うことを、常に努力しているだけなのです」ってこの言葉、ずずず~んと来ましたよう。それだ、それ、それが大事なんだなぁ。このように常に謙虚であり続けること、簡単な様で難しいですよねぇ。

Miyukiさんのブログってさ、美味しそうとか楽しそうとか、それだけじゃないんだよな~。そこにはいつも必ず何か学ぶことがあって。これまた凄いことだよな~。←やだな、お世辞じゃないって。頼み?ないない。


Commented by まきりん♪ at 2007-09-22 07:40 x
おいしそうな葡萄ですね~。
私はこの季節になると巨峰が食べたくなるんです。ここでは売っていないんだけどね。

Italian prune plumはこのあたりではお庭にたくさん生る家が多いようで、この季節は頂き物で嬉しい悲鳴を上げています。

[レシピって、写真がないとイメージが沸きにくく。むしろいい写真が付いてると、「これは美味しそう!」と思って作ってしまうことってあるよね。]

賛成!ビジュアル派なので、写真がないレシピだと作る気が半減しちゃう。

ブリオッシュから焼き上げたブレッドプディング。
Miyukiさん宅にお味見に行きたいのは私だけではないでしょうね~
Commented by peartree22 at 2007-09-22 08:21
序文がアリス・ウォーターズというところで、もう得した気分になりますね♪でもオーナーの言葉、しみじみとしたパンの味はその心からきているのだなぁと感じますね・・・。そして、それを噛み締めて読み、紹介してくださるMiyukiさん。この本は幸せですね♪
上のコメントのマミィさんの言葉のとおり、Miyukiさんのブログの魅力は単に美味しいものや作ったものを紹介するだけじゃないってことなんですよね。ほんと。あ、私もお世辞じゃあありませんよ!でも、いつかはたくさんMiyukiさんとお店を歩いたり、一緒にお菓子を作ったり、あ、一緒に作れなくても作ったものを何かしら頂きたいという下心があるのは、間違いありません(笑)。
Commented by frogfreak at 2007-09-22 09:15
素敵なお買い物が出来てよかったですね。
Tartineに負けない美味しいパンを焼いてください。MIYUKIさんなら出来る!
Commented by Miyuki at 2007-09-22 12:30 x
*shinaさん
あはは、確かに店員さん、その瞬間2秒は固まってました! お友達も持っていらっしゃるですか、うんうん、お気持ちわかります~。

確かにお菓子は、分量などを正確に、と言われますよね。だからこそレシピ通りに作れば、それなりのものが必ず出来上がるのも良いところ。だから余計に、写真も説明も豊富なレシピを探してしまうです。プルーン、shinaさんにもおいしいのが当たったのだといいなあ♪
Commented by Miyuki at 2007-09-22 12:32 x
*マミィさん
謙虚で在り続ける、まさしくその通りですね~! ちょっと慣れてくるとすぐ手抜きに走る、私には座右の銘とすべき言葉でありましたよ。料理だけじゃないしアタシ……

勿体なさすぎるお言葉に、しばし震えておりました。マミィさんにそう言ってもらえて、こんなへっぽこ日記を書いていた甲斐を噛みしめました。

この感動のまま、この日でブログを終わらせるのがベストかもしれん。(悩む)
Commented by Miyuki at 2007-09-22 12:36 x
*まきりんさん
巨峰、日系スーパーで売ってますが、買ったことがありません(笑) ブドウの美味しさに目覚めたのは、こちらに来て、皮ごとぽんぽんと口に放り込むブドウ達に出会ってからでしたからねえ。そのままサラダにも使えるし!
なんとプルーン、それは羨ましすぎる環境ですわ~(うっとり)

写真がないレシピはツライですー。私など、特に想像力がないもんで。
や、私はまだまきさんのかぼちゃのプディングにこだわってますぞ! かぼちゃー、食べに行きたーい。
Commented by Miyuki at 2007-09-22 12:39 x
*ちゃんさま
そう、あのウォーターズが!? みたいな。知り合いでもないのに!(笑) 本に、幸せだと思ってもらえるべく、がんばって役立てなくてはなりませんね~。これの為だけに、ほんとに久しぶりにミルクを買いました、たはは。

うーわーー、ちゃんさままで、なんとありがたいお言葉を……!!(感涙) ちなみにその下心、私もちゃんさまに向けて、一緒でありますが!
うーむ、やはり今日で終わらせれば、有終の美が飾れるか(まだ悩む)
Commented by Miyuki at 2007-09-22 12:40 x
*frogfreakさん
ほんとにラッキーな買い物でございました♪
ターティーンに負けない、それは一生無理なので、せめてレシピ通りに作れるだけの腕になりたい! がんばるです~。


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