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それでもHappy Halloween!

サウジアラビアの王子様の一人が日本を訪れ、たまたま目にした車に惚れ込んでしまった。
「豪奢で華やかで気品も威厳もある。これぞ余が探し求めていた理想の車じゃ」
というわけで、早速買い求め、今も国で愛用しているという。

でもおそらく日本人には、この車を毎日乗り回す気は絶対におこらないと思われる。


その車とは、霊柩車。

* * * * *

【イベント】
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ハロウィンなのである。
が、すでに中学生は騒ぎ方が分かれるイベントなんである。要は思いっきり騒ぐ派から、なーんにもしないよー派まで。
完全に後者に属するお嬢は、数日前になっても「ハロウィン? それおいしい?」なんてノリで、まだどこかに未練がある母を歯噛みさせていたのだった。Mulanの頃は可愛かったのに……!(ハンカチを噛む)

しかし2日前になって急遽クラスパーティをすることに決まったり、学校でUNICEFへの寄付箱を渡されたことで、少しは気持ちも出た様子。
今日は担当のフルーツを持参し、オレンジのシャツ&ブラックジーンズを着ていった。ちなみに母のお仕着せだ。



夕方になって友達と合流し、お菓子用のカゴや枕カバーの代わりに、ユニセフの箱を持って回る。
「Trick or Treat!」の声に、にこにこしながらお菓子を差し出してくれる住民の皆さんに寄付をねだっても、普通財布を抱えて玄関まで出てきている人はいないのであって。それでも皆さん、わざわざ小銭を持ってきては箱に入れてくれたそうだ。帰ってきたら、小さなオレンジの箱は一杯になっていた。

2ドルあれば、暖かい毛布を配ることができる。50ドルあれば、井戸が掘れる。
そんなお嬢の説明を聞きながら、しかしその善意のお金のうち、果たしてどのくらいが彼らの手元に届くのかと、どこか苦く考える。
ハロウィンがいつしか特別なお祭りではなくなっていくように、そんな裏側を知る年齢が近づいている。しかしいつかそんなポイントを超えて、また楽しむ時も来るのだろうか。

* * * * *

【料理】
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飾り付けもしてない家で、せめてなーと思って用意した料理。だってつまんないもん。私が。

去年も作った魔女たちのHalloween Dumpling、中身をベジタリアンバージョンに変えてみたよ。
またマッシュしたかぼちゃを粉と混ぜて皮を作り、具はセイタン(グルテンミート)、にんじん、ねぎ、筍などを練ったもの。

一つにまとめた生地を等分に切り分けた後で、綿棒を手にして一枚一枚皮の形に丸く伸ばす。
ここで脳裏に浮かぶのは、近所の中華料理店で、おばあちゃんが見せる熟練の手業。生地の塊から適量を切り取り、のばし、具を入れて包む。ここまでで所要時間8秒(推測)。
あの技をイメージするのだ自分。よーいスタート。

生地に綿棒を置いてぐっと押し、持ち上げた綿棒にくっついてきたのを振って落とそうとしたところで、すでにイメージは塵と化した。

打ち粉をふって、一生懸命手早く回転させながらのばそうとするんだが、これがなかなか見事な雲の形。去年生地を担当したお嬢の方が上手かったかも(悔)
おまけに具がふわふわとしてるものだから、ぎゅっと詰め込むのが難しく。もちきびを使った方が良かったかなー。

なんとかかんとか作り上げ、蒸篭で蒸して出来上がり。あっさりした肉まんといった風味だったよ。


去年これを作った時は、こんな風に動物性のものを控えるようになるなんて思わなかった。
マクロビという言葉は知っていても、中身は全く無知だった。
お嬢がここまであっさりハロウィンと距離を置くようになるなんて、考えなかったよなあ。

行事とは確かに、その一年の歩みを振り返る機会でもあり。
さらにその先の歩みが予想がつかないことが、また来年の種になる。
by senrufan | 2006-10-31 11:46


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