出し尽くしてもまだ足りず

【映画】
b0059565_1322644.jpg映画「The Da Vinci Code」を観に行って来ました。
今日は珍しく旦那も一緒。や、旦那をひっぱり出して、「家族で行くんだから」ということにしないと、お嬢が来ようとしなかったので。原作大好きなのですが、あの殺人シーンを映像で観るのが怖いと、ずっと拒否されていたわけで。
家族内で唯一全部理解できるんだから幸せに思え!みたいな、全く筋の通らない理由で連行しました。

公開から2週間以上経ちますが、今までのところはあまり好意的でない批評が優勢。長い原作をまとめきれていない、原作を読んでないとわからない部分が多い、配役がイメージと違うといった類の原作先読み派からの批判が多い様子。
先日TVで観た監督のインタビューで、「原作を忠実になぞって2時間程度におさめることは到底不可能。理解してほしい」と訴えておられましたが、まあそれはそうだろう。なので、どのように映画としてまとめたかを楽しみに観たのですが。

観終わった後の旦那の感想は「急ぎすぎ、はしょりすぎ」、お嬢は「二度と観たくない」でしたが、私は「予想より良かった」というのが正直なところ。
全然期待してなかった分(酷)、丁寧に作りこまれた画面に好感が持てたし、音楽の効果にも満足。確かに原作に比べたら説明不足の感は否めませんが、それでもなんとかカバーしようと苦心した跡が見られたので、所詮素人の私にはそれでいいんじゃないかと。
館内の観客には原作未読派の人もいたようで、犯人が明らかになるシーンでは驚きの声が結構あがったりしてたので、そんなところでも良しと思います。



配役はというと。
主役ラングドン教授にはトム・ハンクス。「原作者がイメージしたのはハリス・ツイードを着たハリソン・フォードであって、妙な髪形のトム・ハンクスではない」と酷評されていましたが、基本ハンクス好きの私も、こればっかりはかばえない。何故にあの髪でなければならなかったのか(悩) 相手役のオドレイ・トトゥが可愛く華奢であっただけに、余計に釣り合わないような。
イアン・マッケラン(リー・ティービング)、ポール・ベタニー(シラス)には拍手。原作から持った私的イメージとは違うのですが、細かいところまで神経を行き渡らせた役作りが見事で、その演技力に拍手。
ファーシュ警部のジャン・レノは、また仏系のビッグネームだから選ばれたような気がして、今ひとつ感情移入できず。
アリンガローサ司教のアルフレッド・モリナ、スパイダーマン2の悪役の印象が強すぎて(タコ男)、本当はそうではない司教が、妙に腹黒く強欲な人に見えてしまいました。せめて痩せた人を選んでほしかった。

そして私が原作で一番好きなソニエール館長のジャン=ピエール・マニエールは、出番が少なすぎて映画でのインパクトに欠け。しかし考えてみれば、それがそのままこの映画のインパクトの強さを反映していることなのかも。
原作ではソニエールが張り巡らせた謎解きと、彼の深い知識と人徳、これが物語を支える土台の一つであったのに、映画ではあまり感じられなかったところも、作品を浅く見せた原因の一つであるのかもしれません。や、お気に入りをないがしろにされた個人的恨みじゃないよー。

ラストの方では原作と変えられた箇所があり、それがまた原作贔屓のお嬢の気に触ったようですが、ラストシーンは素晴しかったと意見が一致。
走るラングドンと共に鼓動を早め、ガラスのピラミッドの上で、共に手を握り締め。2年前に訪れたルーブル美術館は、その時の思い出と一緒になって胸に迫りました。

米英語と英英語と仏英語の掛け合いも面白く。皆”Teacher(導師)”の発音が違うんだよ。
大人の演技巧者と監督の努力により、原作の人気先行映画として、「ハリー・ポッター」に引けをとらない出来だと思います。比較対象の出来はともかく。
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by senrufan | 2006-06-04 12:44 | Trackback | Comments(0)
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