受け継がれるべき記憶

【旅行】
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歴史があるということは、当然それは明るいばかりではないということで。アメリカ独立戦争の発端の街であるボストン、さらにその導火線の始点となった箇所があります。
5方向からの車線が交わる真ん中に、人が数人立てるぐらいの小さな三角の中洲。まるでマンホールの蓋のような石のサークルがそこにあり、1770年3月5日、ボストン虐殺事件(Boston Massacre)が起こった場所であることを印しています。
アメリカとイギリスの間の緊張関係が高まり、イギリス兵がここで5人の市民を銃殺した事件。この悲劇がボストン茶会事件のきっかけになったと言われています。

そしてもう一つ、手持ちのガイドブックには載っていなかったものが、ダックツアーの最後の方で紹介されました。
フリーダムトレイルの途中にある、ガラス製のビルのような6本のモニュメント。ナチスドイツが行ったホロコーストを伝える為の記念碑で、The New England Holocaust Memorialと名付けられています。6本という数は、第二次世界大戦中に建てられた6箇所の収容所を表しているそうです。
一見したところ、すりガラスで表面がくもっているのかと思うのですが、近寄るとそこに刻まれたのは無数の番号。これは収容された犠牲者の、ナチがその腕に刻んだ認識番号が一面に記されているのです。54フィートという高さの塔の両面、上から下までびっしりと。それが6本ということで、どれだけの数の人が犠牲になったかを無言で訴えてかけてきます。
笑顔で道を行き来する人々と賑やかな車の列に囲まれたここでだけ、そこにいる誰の顔にも悲しみと厳しさが浮かんでいました。
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起こった出来事を、できるだけ細部に渡って残すことができれば。
その後の解釈は千差万別であっても、学ぶことは絶えないはず。
その意味で、失われること・忘れられてしまうことが、歴史とそれに関わった人々にとって、何よりも悲しいことであるのかもしれません。
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by senrufan | 2006-04-11 11:04 | Trackback | Comments(0)
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