信頼という絆

【映画】
b0059565_16155981.jpg映画「Nanny McPhee」を観に行って来ました。映画館で予告編を観た時から、お嬢が絶対行くと主張していた映画です。いわば現代版メリー・ポピンズといった趣きで、母子二世代続いてのポピンズファンとしては行かいでか!と、鼻息荒く待っていました。

舞台はイギリスの片田舎。1年前に妻を亡くしたブラウン氏には、7人の子供がいます。が、ひどい悪戯で次々とナニーを追い出してしまい、その数なんと17人。
次のナニーが見つからずに頭を抱えるブラウン氏のところに、突然やって来たのがナニー・マクフィー。いつも杖を持ち歩き、大層醜く無口ですが、子供達の悪戯などどこ吹く風で見事にかわし、子供達もいつしか彼女を必要とするようになっていきます。
怖い伯母様からの横槍やブラウン氏の再婚騒動を通して、ナニー・マクフィーから与えられる”レッスン”を乗り越えながら、ブラウン一家は本当に辿り着きたかった姿に近づいていきます。

不思議な力を持つところはメリー・ポピンズと同じですが、キャラクターは大いに違うナニー・マクフィー。まずその外見の醜さで圧し、さらに目をじっと見つめることで、何も言葉を発することもなく、子供達に言うことを聞かせます。しかし怖がらせて従わせる躾かというと決してそうではなく、むしろその子を見通す目を子供自身が見返すことで、その子の内部にあるものに自分で気づかせるような。
彼女が与える”5つのレッスン”は全て生活の基本ルールですが、それを頭ごなしに押し付けるのではなく、子供達が自らそれが必要なことだと理解して選びとるように仕向けていきます。
言葉を発することがほとんどない彼女が、その静かな声で「Think(考えなさい)」と言う時。それは、「自分がどう振舞って、どんな結果を招いたのかを思い出しなさい。そうすれば次にどうすればいいかがわかります」という彼女の子供達への後押しです。彼らの中にある力を信じているからこその言葉に、子供達、特に長男のサイモンは全力で応えます。

原作となったのは、ミステリー作家のクリスチアナ・ブランド著「Nurse Matilda」(日本語訳「ふしぎなマチルダばあや」)。この本を元にして、アカデミー主演女優賞と脚色賞のダブル受賞者であるエマ・トンプソンが脚本を書き、さらに主演女優も務めています。
ブラウン氏役のコリン・ファース、「Finding Neverland」のケリー・マクドナルドに加えて、個人的に大ヒットだったのが、アデレード伯母様役のアンジェラ・ランズベリー。「ミス・マープル」や「ジェシカおばさんの事件簿」で大好きだった方なので、再会がとても嬉しくて。映画出演は約20年ぶりという独得の風格のある演技は、ブラウン氏が全く頭が上がらない伯母様にふさわしい迫力でした。
更に奇抜な衣装やメイクアップなど、見所は沢山。

ナニー・マクフィーが最初に子供達に述べたことは、
「あなた達が私を欲しくなくて、でも必要とするなら、私はここにいます。あなた達が私を欲しくて、でももう必要としないなら、私は去ります」
最初は「絶対に必要となんかするもんか」と言い切る子供達でしたが、彼女の力を目にするにつれ、いつしか叫んだ言葉は、「Nanny McPhee, we need you!」でした。
彼女を必要としなくなった時。それはその一家が、自分達の力と愛情で家庭を守ることができるようになった時です。そしてそれは、ナニーの仕事の終わりをも意味します。

後に残すものは幸せと笑顔と、きっと沢山の涙。ナニーという仕事が社会的に重要な地位にあったイギリスだからこそ生まれたと思える、暖かくて素敵な映画です。



* * * * *

下調べもしないで行ったので、映画を観始めてから、ようやくこの映画がイギリス製だと気づきました。

私にはどんな英語でも「わからん!」の一言で終わりですが(くそう)、お嬢は当然違いがわかるわけで。彼女に聞いてみたところ、カリフォルニア育ちでありながら、実はイギリス英語を聞くのが大好きだそうです。
彼女の印象は、米語(西海岸訛り)は明るくて軽いのですが、英語は暖かいと。ブリティッシュアクセントを聞くと、暖炉の前でくつろいでいる光景が目に浮かんで、ほんわかするらしいんですね。それはアクセントの印象というよりは、彼女が読んだイギリス文学が多分に影響しているのだというのが母の分析ですが。

自分でも上手く説明できないと思ったらしく、家に帰った途端、キーボードに向かい、音楽で説明しようと試みた彼女。
「Amazing Grace」をまずは白鍵で弾いて、それが米語。次に黒鍵で弾いて、それが英語。そんな感じを持っているそうです。

映画からの帰り道、車の中でなんとか言葉で説明しようとして、色々考えた結果、彼女にとっての米語は次のような言葉で要約されました。
「とってもマッチョな雄の蚊がブンブン飛んでいるみたいな!」
※あくまで、世界人口65億人のうちのただの1人の意見として流していただければ幸いです
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by senrufan | 2006-02-20 16:07 | Trackback | Comments(8)
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Commented by ぱんな at 2006-02-23 06:43 x
わあ、この映画、見たいのです。それなのに、子供達の選択は「ピンクパンサー」。あれはあれなりに良いのだけど。ますます行きたくなりました。よおおし、明日だ!!
Commented by mikamika at 2006-02-23 10:32 x
うちの子たちの選択は「おさるのジョージ」。あれはあれで見たいとは少し思う(絵が現代っぽいのが気にかかる)けど、こちらに惹かれるなぁ。
Commented by あつゆき at 2006-02-23 11:52 x
ご紹介ありがとう。
ずっと子どもが見たいといってたのでどうしようか考えていました。
明日、行ってこようと思います。子供たちの午前中の態度がよかったら。
Commented by GB at 2006-02-23 16:03 x
レッスンの前にこの分ログ読んでいなかったなんて、残念。
来週は、「Amazing Grace」を弾いてもらおうっと!”お母さんごめんなさいヴァージョン&米語&英語ヴァージョン”でもってレゲエヴァージョン
も、なんちゃって、、、。
Commented by Miyuki at 2006-02-23 16:47 x
*ぱんなさん
うちの次の映画は「ピンクパンサー」の予定だよ(笑) これは女の子の方が好きな映画かもねえ。ぜひ観に行って~vv
Commented by Miyuki at 2006-02-23 16:48 x
*みかさん
おお、ジョージに行くのね。私もあの絵はお?と思ったけど、面白そうだよね。こっちも時間がある時にぜひぜひ。
Commented by Miyuki at 2006-02-23 16:51 x
*あつゆきちゃん
お子さま達、明日は朝が勝負どころね、うむ。観たら感想聞かせてね~。
Commented by Miyuki at 2006-02-23 16:53 x
*GBちゃん
あはは、そうなると私がバラしたって怒られるかなー。でもきっとGB先生にならいいと言うに違いない。なんかお嬢が弾くようになって、ますますあの曲が好きになったよ。先生のおかげだよん♪


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