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もてなす心の真髄を

「若い人には若い日の花があるのと同時に、老いたる人には老人の日の花があるのだ」
   ----- 大佛次郎
       (日本人、作家、1897年10月9生まれ)





実は今、ちょっとだけ日本に来ているのですが。(唐突)
発つ直前に飛び込んできたのが、カズオ・イシグロ氏のノーベル文学賞受賞のニュース。
久しぶりに心が震えた、素晴らしいニュースでございます。

海外ミステリーかファンタジー系しか読まない私が、氏の本だけは数冊読んでいたのは、博識なお友達が貸してくれたから。
しかも、いつもお世話になってる早川書房からの出版。
どこまでがフィクションで、どこからが現実なのか、境目がぼやけるほどに引き込まれて読んだです。
薦めてくれた友人に感謝すると共に、素晴らしい作家さんが受賞されたこと、本当に喜ばしく思います。


で、そういうおめでたいニュースが流れている中で、一つ気になったのがこちら↓。


今年に入ってから、アメリカの一部で話題になった小説が、記事にあったマーガレット・アトウッドの「侍女の物語」
近未来、キリスト教原理主義・白人至上主義の国家で、女性は子供を産む道具として仕えるだけの監視社会を描いたディストピア小説です。
2年ぐらい前にKindleで購入して読んだのですが、なんともいえない硬質な不気味さが漂う作品で、涙が麻痺して出ないような感覚を味わいました。

発表されたのは1985年でありながら、なぜ今年また、アメリカで話題になったのか。
それは当然、大統領交代の前以来、様々な人が抱いている危機感の表れ、に他なりません。

両氏の本は、読み返すのにエネルギーが必要であるのと、最初の印象を壊したくない思いがあるのとで、どの本も一読したままになっておりますが。
またいつか、違った気持ちで読み返したい、というのが誠実な望みでございます。

* * * * *

【レストラン】

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カリフォルニアでも、Green TeaやMatchaが珍しくなくなってきた昨今。
しかし、私の好みからすれば、全然抹茶の味が足りないぜ、というのを、以前日記に書いたんだ。

そしたらとある方から、サンフランシスコに、お寿司&抹茶デザートのお店を開かれるという、素敵なお知らせをいただいて。
絶対行きたい、行かいでか(鼻息)、と、いつもの遠足仲間におねだりさせてもらってね。
夏が終わって、みんな揃ってお出かけできる日に、いそいそと出かけていったのね。

お知らせをくださったお店の方に、あらかじめ連絡していくべきかどうか、かなり悩んだが。
もう忘れていらっしゃるかもしれないし、お気遣いいただいたからかえって申し訳ないし、と思って、何も言わずにお店に向ったの。(小心者)




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ビルの1階、大きなガラス窓から射す光で、とても明るくて清潔な店内。
可愛いお寿司やサラダが並ぶカウンター前には、プラスチックコンテナとお皿が重ねて置いてある。

メニューを見ると、手毬寿司とサラダ or 味噌汁 or ドリンクのセットメニューになってるね。
なるほど、TO GOの人はコンテナに、イートインの人はお皿に盛る、らしい。
場所柄、TO GOの方も多そうだ。

まごまごしていたら、お店の方が、日本人の方ですか?と話しかけてくださって。
HPで拝見していたので、オーナーのSさんだとすぐにわかったよ。
素敵な笑顔とお声に一目惚れ、な私達。


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カウンターには、なんとも可愛らしい手毬寿司が並んでて。
全員、お寿司6個+サラダのセットにしよう、と決めて、お皿を手に取ったら、その間にSさんが、わざわざ大皿を出してきてくださって、全員分に、とその日の2種類のサラダを盛ってくださったの。
なんて優しい方なんだあぁ、と全員感激しきりです。

お寿司だけでなく、ミニおにぎりもラインナップにあって、どれにしようか迷う迷う。
どんどん減っていくお寿司、また適宜補充されていくのがありがたい。


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Sさんがよそってくださったサラダを真ん中に、各自思い思いに取ったお寿司のお皿を置いて、ぱあっ、と華やかなテーブルに。(喜)
Heath Ceramicのお皿なのが、また拝んでしまうではないですか。


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手毬寿司のこちらのお店での名前は、Deco Sushi
1個の大きさは握りより小さいけれど、中身は負けないよ。
例えばサーモンはアボカドとわさびマヨが上に、エビは天かす&スリラチャで食感まで楽しいし。
おにぎりは塩麹を使った焼き鮭ととびことか、心にくいメニューが勢揃い。

あとね、サラダも美味しいの。
この日は、パルミジャーノ入りのKale Caesar Saladと、Asian Tofu Saladだったんだけど、どちらも全員から好評で。
特に豆腐サラダは、ザーサイや鰹節が入ってて(多分)、これ真似したい! 美味しい! という声が続出だ。

6個だと足りないかな、8個にしようかな、と迷っての6個セットだったけど、食べ終わってみたら、ちょうど良く。
男性客にはどうかな、というのが気になるところだが、これなら大丈夫、と思いたい。
実際、男性のお客さんも何人もいらっしゃってて、私達まで密かに喜んじゃったりね。


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そして、待望の抹茶デザートタイムなり。
抹茶ティラミス抹茶ブラウニー抹茶チーズケーキが勢揃い。(きゃっほーい!)
たっぷり抹茶がふってあるのに、期待が一段と膨らむね。


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どのスイーツも美味しかったのだけど、全員一致のNO.1は抹茶ブラウニー。
すごくコクがあって、どっしりしてて、そして抹茶の味がきちんと濃い。
抹茶だよ! しっかり抹茶だよ!(感動)

チーズケーキも甘過ぎず、ティラミスのクリームはふんわりと。
ああ、このスイーツを、アメリカンなMatchaのあれこれを販売している人達に食べていただきたい。

抹茶にシロップや砂糖をたっぷり合わせて、香りもほろ苦さも感じないようにする方が、お茶に慣れてない方々には、抵抗なく食べてもらえるのかもしれないが。
私達にとっては、この香りと苦味がなくて、なんの為の抹茶ぞ、ってなもんだよね。

でも、確かにちゃんとした抹茶は、どうしてもお高いものなので。
代金がそれなりのものは、それなりのクオリティであろうことに文句はないけれど。
だからこそ、きちんとした香りと味を感じられる抹茶メニューに出会えた時は、それだけの価値に見合うお金を払いたい、と思うのね。


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そうやって、いちいち感動している私達を更に嬉しくさせてくれたのが、オーナーのSさんの気配りで。
眩しいばかりの素敵な笑顔で、大丈夫ですか、足りてますか、と、絶妙なタイミングでお声をかけてくださるの。
もったいないばかりのサービスを沢山くださって、何度お礼を言っても足りませぬ。

すごく恥ずかしかったのだけど、思い切って名乗ったの。
だって、コメントをくださったおかげで、こんな素敵なお店に来られたわけだから。
人見知りゆえ、拙いお礼しか言えなかった我が身が不甲斐なし。
でも、こんな駄日記を覚えていてくださったので、もうそれだけで。ほんと、それだけで。(感涙)


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付き合ってくれた遠足仲間の皆も、大いに気に入ってくれたお店。
サウスにも来てくれればいいのに、そしたら通うのに、って、ほんとそれ。

ブラウニーがあまりに美味しかったので、各自買って帰ろうとしたけれど、残念ながら売り切れで。
今度来る時には買い占める。(決意)

あとね、ドリンクを注文したお客さんの為に、抹茶を茶筅で泡立てていらっしゃるのを目撃して。
何度も、抹茶が溶けてなくてダマになっているMatcha Latteを飲まされている身としては、ああああ、さすがです、それですそれ、と心の中で叫んだよ。
今度おじゃまする時には、ぜひドリンクも。
ちなみに後でHPを拝見したら、丸久小山園の抹茶をお使いとのことでした。


Sさん始め、他のスタッフさんも、笑顔が素敵でナイスな方ばかり。
素晴らしいサービスを受けたから言うわけではなく、心から、絶対リピートしたいお店。
今度は、あの人やあの人と行こうかな。
お寿司と抹茶スイーツを味わって、これこれ、この味よね!と一緒に喜んでくれるであろう人、の顔を次々と思い浮かべながら、次の機会を待つのです。


303 2nd St., #102,
Get Directions
San Francisco, CA 94107



by senrufan | 2017-10-09 20:44


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