「人の評価は、他の人たちの意見よりも、
その人が他の人たちについてどのように言っているのかでより分かるものです」
----- オードリー・ヘップバーン
(ベルギー→イギリス人、女優、1929年5月4日生まれ)
先日、お友達から聞いた話です。
4歳になるお嬢さんが、ママとパパの関心を引きたくて、色々といたずらをするのだと。
叱っても変わらないし、叱ること自体も辛いので、お医者さんに相談してみたところ、
「パパとママの反応が欲しくてやっていることに対して、叱ることも反応を返すことになるから、やめた方が良い。
無視して反応しないようにしていれば、そうやっても無駄なのだということがわかって、いずれやらなくなるから」
というアドバイスをいただいたそうです。
彼女と2人で話したのですけれど。
確かに先生のおっしゃることには一理あるし、実際、それで改善されるかもしれない。
でも、”無視”が果たして良いのか、と不安になるよね、と。
”愛”の反対って、”憎悪”や”嫌悪”ではないのですよね。
”愛”の反対、それは、”無関心”。
大好きなパパとママに見て欲しいのに、そのパパとママに、自分の投げかけたものが素通りしてしまうとしたら。
極端には、いないように扱われるとしたら、どれだけ悲しいことか、と思ってしまうのです。
無視ではない、でも過剰ではない返事とは。
何年子育てしようとも、いつまでも五里霧中のままでございます。
* * * * *
【旅行】
4. Lower Antelope Canyon (
HP)
高所恐怖症克服に失敗した後(違)、いよいよ我々的メインイベント、
アンテロープ・キャニオンに向かいましたですよ。
アメリカの多数の自然公園の中でも、特にフォトジェニックな場所として有名なアンテロープ。
Upper(アッパー・キャニオン)と
Lower(ロウワー・キャニオン)の大きく2つに分かれていますが、一般に人気の高いのは、アッパーの方だそうで。
しかも、夏場のアッパーが、上から射し込む光で大変美しい光景が見られるということで、大勢の観光客が訪れるそうでございます。
しかし、時は1月。そういう絶景は、相当無理っぽい。
でもその分、人が少ないだろうから、ゆっくり見られることで良しとしよう。
そんなポジティブ志向で臨んだ、今回の訪問でございました。
アンテロープの中に入る方法は、ガイド付きツアーのみ。
いろんな会社が提供してまして、事前に予約して、最寄の町のホテルから車で行くツアーもあれば、現地に集合して、その場で申し込むツアーまで。
我々は、アッパーは日が射しやすいお昼のツアーを事前に予約して、
その時間までの午前中に、ロウワーの現地ツアーに参加、という形をとりました。
全部を調べたわけではないですが、基本、アンテロープ現地で申し込むツアーの方が、外部会社によるツアーより少しだけ安く、でも、内容的には差はないような。
アッパー・ロウワーとも、日が入りやすい時間帯が人気が高く、値段に差をつけてる会社もあるようです。
朝、ロウワーのゲートが開く時間に車で行って、その場で申し込んだところ、幸い、一番最初のツアーに参加決定。
集合をかけられた後、ガイドのお兄さんの後をついて、歩いていったところ、着いたのが↑ のような場所。
この隙間から入っていきます、と言われて、えええええ
最初はキツかったのですが、段々と広くなってきて。
足元に気をつけながら降りていった先には、写真で何度も見ていた、あの色・あの形の岩に囲まれた空間がありました。
きちんと立てる場所に着いた時から、たちまち魅了された光景。
左右、上下、前後、どこをとっても絵になる、としか言いようが。
ガイドのお兄さんの説明を聞きながら、少しずつ進んでいったのですけど、
今まで写真を見たのは、ほとんどアッパーの方だったのかも、と思ったのは、この狭さ。
写真では、こんなに狭いところは目にしてなかったんですよね。(いつもの下調べ不足)
岩の間をすり抜けるようにしたり、頭を下げて、ぶつからないようにしたりと、洞窟ツアーのよう。
途中、短めの階段など、足が滑りやすい場所も数箇所あって、これは小さい子連れだったらどうだったかな、と思ったり。
むしろ、大人より身軽に進んでいったかもしれませんが、少なくとも赤ちゃんを腕に抱いて、というのは、ちとキツそうでありましたな。
Lower Antelope Canyonは、ナヴァホ族の名では、
Hasdestwazi。
「Spiral rock arches(螺旋の岩のアーチ)」という意味だそうですが、訪れてみれば、膝ポン納得な名前でございますね。
柔らかい砂岩が何百年もかけて、水や風によって侵食されて出来上がった場所なので、思わぬ自然の”芸術”も楽しめます。
例えば↑写真の右下側にあるのが、
「バッファローの顔」とか。
こちらは、
「風で髪がなびいている女性の横顔」。
言われてみれば、おお、なので、自分でもあちこちの岩を、何かになぞらえることができそうで、ついキョロキョロしちゃったり。
にしても、良い写真が撮れないよぉ……と、またオノレの腕の無さに、そっと涙していたのですが。
ガイドのお兄さんが大変良い人で、全員にマメに声をかけたり、順にカメラで撮ってくれたりして。
私も撮ってもらったのですが、その時に、自分はこのモードで撮るよ、というのを教えてくれたので、以降はそれをベースに頑張ってみたです。
気持ちはね。気持ちはね……
ナヴァホ族の女性が、たまたま迷い込んで見つけたという、アンテロープ。
アッパーはともかく、こちらロウワーは、山中の洞窟のような場所なので、雨などが降りこんできたら、たちまち危ない場所になりかねず。
数年前には、観光客が鉄砲水の犠牲になるという
悲劇も起こっているそうです。
個人では入れず、ガイド付きツアーのみ、というのは、そういった理由もあるようですね。
そんな悲劇も、こんな美しい自然の彫刻(ライオンの顔)も、全て人間側から見た話。
風も水も、あるがままに岩と触れ合っただけ。
そして、この形を今の一瞬のみ、とっているだけで。
それを美しいと感じるのは、あくまで私が勝手に思っている、というだけのこと。
他の自然風景と同じく、全て一期一会の形。
ただ、そのスパンが、数十年、数百年単位というだけの。
ガイドのお兄さんが吹いてくれた笛の音を聴きながら、そんなことを改めて思ったです。
最後は階段を上って、再びなだらかな場所へ。
きめ細かなガイドのお兄さんに導かれた、とても良いツアーでございました。
予想していたより広大な場所・長い時間でしたが、一瞬も飽きることなく、ほんとに楽しかったです。
米国他州からは勿論、カナダやドイツ、韓国など、インターナショナルな人達が集まったツアー。
機会があったら、ぜひまた訪れたい場所でございます。
この後、お昼をはさんで、午後はアッパー・アンテロープに参りましたです。
(続く)