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We belong together

「僕の後ろを歩かないでくれ。僕は導かないかもしれない。
僕の前を歩かないでくれ。僕はついていかないかもしれない。
ただ僕と一緒に歩いて、友達でいてほしい」
   ----- アルベール・カミュ
       (アルジェリア→フランス人、作家、1913年11月7日生まれ)


先日、久しぶりにいただいた鶏のから揚げでございますが。
思い出しヨダレを垂らしながら(ヤメロ)、”から揚げ”って、”唐揚げ”なんだよな、なんで”唐”なのかな、と思いながら、日記を書いたのでございました。

そうしたら、たまたま目に入った以下の記事。

「空揚げ」か「唐揚げ」か、問題の根っこは深かった

なるほどー!(膝ポン)

* * * * *

【舞台】

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お嬢がいると、あちこちお出かけするパワーが沸いてくる母ちゃん@ヒッキー体質です。
コンサートや映画、舞台など、お嬢がいなくなってから、とんとご無沙汰するようになっちゃっいまして。
旦那とだと、時間が合わなかったり、好みが違ったりするんだもーん……(ある種、問題発言)

ちょうどお嬢がいる間に、良いミュージカルが来てくれまして、ですね。
嬉々としてチケットをゲット、いそいそと夜のサンフランシスコに繰り出したわけですよ。

観に行ったのは、「Prischilla, Queen of the Desert」
最初は何も知らずに、あら、面白そう、と思って、frogfreakさんに話したところ、
彼女が大好きな映画の一つだ、とおっしゃるじゃありませんか。
その時ようやく、映画を舞台化した作品だということを知りましたです。いつもながら、無知蒙昧。




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そんな有名な映画をベースにしているわけですから、ご存知の方も多いとは思いますが、一応ちょこっとあらすじを。
舞台はオーストラリアの首都、シドニー。Drag queenであるMitziことTickは、砂漠の町・アリススプリングスでカジノを経営するMarionから、ステージショーの依頼を受けます。
トランスジェンダーのBernadetteと、やはりドラァグ・クイーンのFeliciaことAdamと3人で、Priscillaという名のバスをチャーターして、一路砂漠へと向かいます。
その道中で、様々な人々に出会い、様々な出来事を経て、ようよう辿り着いたアリススプリングスには、ミッチとマリオンとの間に生まれた息子、Benjaminが待っていたのでした。
何年も会っていなかった息子に、ドラァグ・クイーンであることを打ち明けて、果たしてミッチは受け入れてもらえるのでしょうか?

ってなことを、開演前の劇場で、ネットで調べて読んでいたのであります。これぞ付け焼刃。
で、この時に、drag queenというのは、drugとは違うんだよ、とお嬢に教わったのでありました……そうか、麻薬の売人の話じゃないんだね。(棒読み)


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始まる時、まずは会場の大拍手で始まったことにびっくりです。
こんなに好かれてる作品なんだなあ、とわくわく度が更に上昇です。

そして始まってみたら、これがもう、楽しいのなんのって。
や、実際はですね、ぽんぽん繰り出されるジョークの連続に、客席は常に笑いっぱなしであるにも関わらず、私は半分以下しかわからなかったりしたわけですが、まあ、これはいつものこととして。

それでも、なんとか聞き取れた端々さえも面白い上に、音楽が最高なんですよ。
懐かしのディスコミュージックを中心に、シンディー・ローパー、マドンナ、ジョン・デンヴァー、ティナ・ターナーなど、聴いてた聴いてた、大好きだった!という曲のオンパレード。
もー、ほんとに楽しくて、客席でほとんど踊ってましたですよ。(エアダンス)

また、俳優さん達がすごくお上手で。
ミッチことWade Mccollumは、どこか女性らしい仕草がとっても自然で、繊細さと芯の強さをにじませる演技。
バーナデットのScott Willisは、服も体型も女性なわけですが、姉御肌のきっぷの良さと、巡り会った恋人候補への葛藤や感情の揺れを見ていて、じ~~んと感動です。
破滅型のフェリシアことBryan Westのセリフ一つ一つに、胸が痛くなりました。どんな時代であっても、ゲイを公言して生きていくのは、決して楽ではありませんから。

あと、時々出てくる3人のディーヴァも最高でございました。
ずっとラスベガスのショーを見ているような躍動感と高揚感が、幕が降りる時まで続いたです。


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自分はLGBTの方々に対して、ほとんど含むことがない、というか、そのつもりでおりますので、
カミングアウトして苦しむ方や、周囲の無理解に泣く方の話を聞くたび、悲しいと同時に、なんでそうなるんだろう、と遣り切れなくなるのでございますが。
これも、考えてみれば当たり前。
何も性志向のことに限ったことではなく、ありとあらゆる物事に対して、人それぞれの価値観があり、それに対峙すると思われるものへの警戒心や反発心は、どうしたって消えていかないもの。
自身の価値観と違うからといって、別に敵対を意味するわけではないのに、です。

ただ、それぞれの立つ位置と形がある。それだけのこと、なのに。
世の大多数の問題が、これに尽きるような気がすることさえあって、遣り切れなさは募るばかり。
そんな苦さや涙を、笑いに紛らわせながら繰り広げてくれた本作に、最後は感謝すら覚えたのでございました。

当然ラストは、会場総立ちのスタンディング・オベーション。
しかも、なんとなんと、最後の挨拶の時に、各自が纏って出てきた衣装ったら。
コアラやエミュー、ウォンバットなど、オーストラリア名物の着ぐるみで出てきて、場内大爆笑。

主役の3人には、特に盛大な拍手が贈られて。
バーナデットは最後の最後に、ぱっとカツラをとって、いきなり男性が登場しちゃって、また拍手。
そして、彼らが着た衣装を合わせれば、シドニーを象徴する建物、オペラハウスの出来上がり。
映画はアカデミー衣装デザイン賞を受賞したというこちら、舞台も相当に素晴らしい衣装と大道具・小道具に溢れていましたよ。


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お嬢と、楽しかったね、すごかったね、を連発しながら帰路につき。
帰ってから顔本にポストしましたら、hiloさんからも、
「私の名作映画ベスト10に入ります」
というコメントをいただいて、おおお、とまたカンドー。

お嬢がいるうちに、DVDをレンタルしたかったのですけど、時間切れで叶わず。
そして、いまだに叶っておりません、ってどおゆうこと。
こうなったら、いっそ中古のDVDを買おうかしら、と画策中でございます。クリックすべきか、しないべきか、それが問題だ。

と思っていたら、Youtubeにあるじゃないかああぁぁぁ!
後で観る。絶対観る。(はあはあ) 


最後に、このミュージカルのトレイラーを。
ノリノリの音楽と衣装、何回見ても嬉しくなるのです。


Priscilla - Queen Of The Desert - The Musical




Priscilla, Queen Of The Desert the Musical  (オフィシャルサイト)
by senrufan | 2013-11-07 11:40


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