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繋ぐ旅路に果てはなく

「酒樽の栓が抜けたときに、誰しも慌てふためいて閉め直す。しかし底が緩んで少しずつ漏れ出すのには、多くの者が気づかないでいたり、気がついても余り大騒ぎしない。しかし、樽の中の酒を保とうとするには、栓よりも底漏れの方を大事と見なければならない」
   ----- 岩崎弥太郎
       (日本人、実業家・三菱財閥創業者、1835年1月9日生まれ)


ひっっっさびさに、読書&料理ブログ、更新しました。
料理ブログ : もろきゅう、あたりから
読書ブログ : 読書記録:2012年11~12月


読書といえば、前回日記で悦ちゃんがコメントをくださった中にある、「大笑い」の元は、こちら(↓)です。

 【これはすごい】福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」が秀逸すぎる


読書って、想像力を養う為にも素晴らしいものですが、
そのプロでいらっしゃる司書さんは、正に想像力の限りを尽くさなきゃいけないお仕事でもあったのですねえ、としみじみ。
私もがんばろう。(ナニを)

* * * * *

【アクティビティ】

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ようやく昨年10月分の日記が終わったところでございますが、年末に行った展覧会の記録を先に。
2月初旬までなので、もしかしてご興味のある方がいらっしゃるかもしれませんので。

お嬢がこちらに来たら、一緒に行こうと決めていたその展覧会は、小さな、小さな規模のもの。
しかしその中身には、71の作品、71名のアーティスト、12の国々、そして、4年半という月日が詰まってます。




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サンフランシスコのFinancial地区に点在する、SFMOMAContemporary Jewish Museumなどの美術館群の一つ、Cartoon Art Museum
ビルの一フロアを借りたような、ごくささやかなスペースに、大人と子供の為のマンガが展示されています。

更にその一角に区切った中に、71枚のスケッチが額に入れられて、大切に並んでおりました。
フラッシュを使わない限り、写真撮影OKと言われたので、気に入った絵をパシャパシャと撮ってきたですよ。


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スケッチトラベルとは、2人のイラストレーター、日本人の堤大介さんと、フランス人のジェラルド・ゲルレさんによって始められた、チャリティーアートプロジェクト。
一冊のスケッチブックに、世界各国のいろんなイラストレーターやアニメーター、漫画家の方々が、順繰りに絵を描いていかれるという、リレー形式のアートでございます。

完成したスケッチブックは、昨年の10月17日に、ベルギーのブリュッセルで行われたオークションで、70,000ユーロで落札されました。
こちらの収益金と、各国で出版された画集の印税の全ては、識字教育を推進する国際的な非営利団体のRoom to Readに寄付され、
途上国における、児童の識字率の向上と教育の普及活動の為の資金として使われるそうです。

元々私が堤さんのお名前を知ったのは、確か「Toy Story 3」の記事か何か、だったのかな。
Pixerで働いていらっしゃる日本の方が、TS3のアートディレクターを勤められたということで、
またまた素晴らしい日本人がいらっしゃるのだなあ、と思ったんですよね。多分。(うろ覚え)

その堤さんが始められた、スケッチトラベルのプロジェクト。
しかも最終ページは、なんと宮崎駿氏だというではないですか。
絶対、絶対、拝見したい。本も買いたい。
おまけに、それが読書の普及に繋がるなんて、こんな嬉しいことはありません。


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どの作品も、本当に素晴らしく。
ウィットやブラックユーモア系のものから、古典絵画のような作品まで、描いた人の数だけの個性が並んでます。

どう見ても原画っぽいのですが、原画はオークションで売られたはず。でも、とても複製には見えないよね。
と、お嬢と話していたら、特別な技術を使って、できる限り原画を忠実に再現した複製である、という掲示があり、納得です。


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家族全員が一番のお気に入りとしたのは、こちら(↑)。
ニューヨークのMichael Knapp氏の作品なんですが、いやもう、このペンギン人ったら。(いまだにオオウケ)
この絵のように、どこかに赤いスケッチブックのモチーフが描かれている作品が多かったです。


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それからこちらは、Quentin Blake氏の作品。
一目見て、「ロアルド・ダールの!」と叫んだのは、お嬢です。
ダールの本が大好きなお嬢にとっては、全作に渡って挿絵を担当したBlake氏の作品は、サプライズ的な嬉しさだった模様。


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日本のアーティストの作品も、何作もありましたよ。
松本大洋さん始め、寺田克也さん森本晃司さん上杉忠弘さん……


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スケッチトラベル制作にあたっての唯一となったルールは、
「必ず次のアーティストに、直接手渡しすること」
だったそうですが、その際に撮られた記念(証明)写真が、入り口付近に貼られていて。

これがまた、面白いんですよ。
仕掛け写真のような手渡しシーンがあちこちで演出されていて、さすがアーティスト同士は、タダでは撮られないのだな、みたいな


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こちらは、日本から参加された方々の集まり、なのかな。
堤さんの奥様のメイさんも写っていらっしゃいます。


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で、そのメイさんとは、宮崎駿氏の姪御さんで、「となりのトトロ」のメイちゃんのモデルさん。
宮崎さんにずっと憧れていて、このスケッチの最後を託したいと願っておられた堤さんが、
無事に宮崎さんに手渡しできた時は、さぞかし感動されたことと思います。


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その宮崎さんの作品が、こちらです。
柔らかな線と色合いに、ほっこりと胸が温かくなる作品は、ちょっと特別な位置に展示されていましたよ。


こちらのミュージアムのストアで、当然スケッチトラベルの本も販売中。
この時に買おうと思って、それまで買ってなかったのですけど、いざ手に持っていたら、重いのなんのって。
その後、サンフランシスコをうろうろ歩く予定だったので、ここでは断念いたしました。(コンジョなし)
完全余談ですが、「テルマエ・ロマエ」の英語版、しかも豪華版が販売されていたので、思わず立ち読みしましたよ。

後日、Amazonで注文しようと思います。
問題は、英語版を買うか、日本語版にするか、なんだよなー。(悩)


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最初は、遊びのつもりで始められたという堤さん。(作品↑)
それが、どうしてチャリティーになったのか。
その経緯については、以下の動画で語られています。

また、「ほぼ日刊糸井新聞」での、糸井重里氏との対談で、詳しく語ってくださっていますので、
興味のある方は、ぜひお読みくださいませ。
奥様となられたメイさんとのエピソードは、正に映画以上のリアルストーリーです。
更に最後にある、堤さん製作の「スケッチトラベル」のショートアニメーションが、また素敵なのでございますよ。


堤大介さんインタビュー 「スケッチトラベル」とは?




ほぼ日:THE SKECTCHTRAVEL
第一回 最初の1ページ、最後の1ページ。
第二回 メイとの結婚。
第三回 弱小校の野球少年。
第四回 ピクサー。
第五回 スケッチトラベル。

SKETCHTRAVEL (日本語HP)


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SKETCHTRAVEL
SEPTEMBER 22, 2012 – FEBRUARY 3, 2013


Cartoon Art Museum
by senrufan | 2013-01-09 11:33


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