六月の空を忘れない

「成功とは、自分の人生を自分の力で動かしている実感があることだ」
   ----- トーマス・マン
       (ドイツ人、作家、1875年6月6日生まれ)


こんなことをやりながら、5月末に無事引越しを終了した我が家。
いやもう、情けないですが、ほんとーーーーに大変でございました……(げっそり)

お嬢が日本に行ってしまうので、夫婦2人になるし、学区も関係ないし、もっと小さくて家賃のお安い家に移ろう、と思い、良いおうちとご縁ができたのは幸運だったのですが。
収納力のある家に10年間、ということは、溜め込んだ荷物の量がハンパじゃない、ということで。

荷物を半減させることから始まって、お嬢の日本行きの為のグリーンカードの延長手続きや、
学校関係の書類の用意、クレジットカードのあれこれ等々、
これでもか、と言わんばかりに、次々に押し寄せてくる大波小波。

おまけに引越しの週が、正にお嬢の学校のファイナルであったので、
テストを2つ、プロジェクトを7つ抱えた彼女は、周囲のお友達から、
「こんな時に引越しなんて、お前の親は何を考えてるんだ
と、散々同情を集めたとか。ったく、とんでもない親だよね。

おかげで、引越しの3週間ほど前から、睡眠は平均4~5時間。
引越し後も、なんやかんやで用事が重なり、いまだその状況は変わっておりません。
それでも乗り切れていられるのは、毎日のグリーンスムージーのおかげです。(大真面目)

でも、卒業式という山場を越えたので、これでようやく、もう少し寝られるようになりそうな。
物理的な用はまだまだ続きますが、精神的に、ちょっと楽になりました。

お嬢の日本行きまで、あと1週間ほど。
最後まで、元気に駆け抜けていけますように。(老女の祈り)

* * * * *

【学校】

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お嬢は2歳10ヶ月の時に渡米したので、学校教育は全て米国産。
なので、幼稚園も小学校も中学校も、卒業式はアメリカしか経験しておらず。
よって、「仰げば尊し」も「蛍の光」も、当然流れるわけがなく。あの、ハンカチが手放せない、日本流の式を知らないままである。

それがまさか、高校まで続くとは、だあれも思ってなかったなあ。(しみじみ)
あ、今までの彼女の歩みについては、こちらの日記にて。3年前のだけど。

そんなアメリカ育ちの子供達にとって、卒業式とはイコール、「パーティ」&「お祭り」
数日前に渡されたガウンや帽子に、色々アートしちゃったり。
家族側も大いに楽しみで、親戚や友人と連れ立って。
カリフォルニアらしい晴れやかな太陽の下、さあ、一生一度のお祭りに出かけよう。




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ゆみたちさん、そしてHちゃん&Tさんご夫妻という、お嬢が大好きな方々が来てくださって。(特大の感謝)
会場である高校のグラウンド内、皆で一緒に、スタンド席に陣取った。
卒業証書が一人ひとりに授与される時、身内はそれぞれ、大いに歓声を上げるしきたりに則り、私達もお嬢の時に騒がねば。
ゆみたちさん、ブブゼラ持参、ありがとう。ちょっと発声練習しておくべきかな(殴)

午後6時きっかりに、卒業生が入場してきたよ。学校のバンド演奏による、「威風堂々」に合わせてね。
なんせ総勢491人、この時点で自分の子を見つけておかないと、席についたら、もう見分けられないので。目を皿のようにして、探しに探したよ。
ようやく見つけて、お嬢もこちらを見つけて、手を振り合って。
よっしゃ、位置は確認した。いつでも来い。(何が)


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まずは、校長のスピーチから。
続いて、Pledge of Allegianceの斉唱。キンダーから叩き込まれているだけあって、一糸乱れずの斉唱。


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席についている生徒達は、無地の黒のガウンとキャップに、スクールカラーである赤と黒のタッセル(帽子についている房)。
更に、一定成績を修めた子には別カラーのタッセルがあったり、クラブごとにもらえるレイのようなものがあったり、部長だった子がかける首飾りがあったりね。

そしてキャップには、自分が進学する大学のマークやロゴ、メッセージが、手描きでね。
ほんの一部しかわからない私達、あの赤い「H」が法政で、「W」は早稲田あたりかと推測(激違)


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今年の来賓スピーチは、スタンフォード大学フットボールチームのヘッドコーチ、David Shaw氏から。
良い事を、いっぱいお話しくださった。
特に、Facebookに気をつけるように、というお言葉が。不注意な書き込みをしたせいで、チームを追われた選手がいたとかで。
「Postする前に、必ず止まって考えるように」とのお言葉が、彼らにどう受けとめられたかな。

卒業生からの寄贈品の贈呈、最優等生の表彰(Faculty Cup Award)などを経て、
いよいよAcceptance & Awarding of Diplomas。卒業証書の授与なのだ。


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名前のアルファベット順の学校もあるのだけど、お嬢のところは、一人ひとりが自分の名前を書いた紙を持って、並んで、読み上げ担当の先生に渡して、読み上げられたら壇上に上がる、という仕組み。
おかげで、仲間同士で集まって座れるので、良い方法。

そして、読み上げられた瞬間に、その子の身内メンバーから上がる歓声。
なのだけど、私の隣で、とまどいの色が隠せないゆみたちさん。
なんでも、ご子息の学校は、もっともっとすごい騒ぎ様らしく、こちらはずっと上品というか、あっさり、なんだって。
なので、果たしてブブゼラを吹いていいんだか何だか、皆でひとしきり悩む、悩む。


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笛を吹いたり、プラカードを掲げてる人達も沢山いるから、いいんじゃね?
でも確かに、進むペースがすごく早いので、吹いてる間に次の子が呼ばれかねん。(わたわた)(おろおろ)

ああ、そんな間にも、あの子も、あの子も卒業だ。
演劇で大活躍のあの子は、やっぱりドラマ専攻の大学へ。Pixer制覇を狙うあの子は、コンピューターサイエンス専攻に。
彼女も彼女も、東側の大学へ。
え、あのカップルは別々の大学なの? 遠恋ってヤツですか。
彼は第一希望は果たせなかったけど、あの大学ならきっと大丈夫。


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お嬢の順番を待ちながら、ゲストスピーカーのShaw氏の言葉を思い出す。
「決して、学ぶことを止めないでください」
「常に、心の眼を開いていてください」

「自分のルールは、自分で決めるように。
自分の期待値を決めて、自分にふさわしいゴールを設けてください」

「出会う、全ての人の手を握ってください。
全ての人に、自分を印象づけてください。
そうやって繋がった縁が、きっとどこかで、貴方達の糧になります」

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そしてとうとう、お嬢の番。
名前が呼ばれた瞬間に、皆で思いっきり騒いだよ。ブブゼラは、やっぱり止めといた。(わはは)
一際ちっちゃいお嬢が、大柄な校長の腕の中、抱きしめられて、すっぽり入っちゃった。

壇上で証書(を入れるカバーだけ)を受け取って、壇を下りながら、帽子についたタッセルを、左側から右側へ移動して。
それが、「卒業しました」の印。

受け取ったら、また一旦席に着いて。
全員戻ったところで、校長から再び、短いお言葉をいただいた。
「Congrats, Class of 2012!」

同時に、空に舞い上がった帽子達。


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式が終わったら、そのままGraduation Partyに移動してしまうので、その前にちょこっとだけ、家族達との時間。
お嬢はどこおおぉ、とハラハラ見回してたら、向こうから笑顔で駆けて来た。満面の笑顔で駆けて来た。

え、タッセル、失くしたの!? 3本もあったのに!?
帽子を投げ上げるというウラには、こんなワナがあったのだ……
皆とハグして、ちょっとだけ写真を撮ったら、また友達のところに行っちゃった。眩しいぐらいの笑顔で行っちゃった。

大きく、大きく、なったんだ。誰よりもちっちゃい身体だけど。
思春期を挟んだ4年間。乗り越えた君は、確実に大きくなったよね。

日本に帰りたい、母国を知りたい。アメリカは私の場所じゃない。
そう言い続け、大学は日本に行くことにしたけれど。
それでも最後に、この高校に来て良かった、と言えるようになったこと。
今日の君のその笑顔を、どれだけ母ちゃんが嬉しく思っていることか。


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お嬢達はそのままバスに分乗して、卒業パーティの会場へ。
そこで夜通し遊んで、朝の4時半ぐらいに学校に戻ってくるんだって。
母ちゃん達も負けないよ。主役はいなくても、大人だけで我が家で夜明かしだ。(ええっ)

2時ぐらいまで、皆で飲んで話して、こちらもほんとに楽しかった。
後片付けをして、ちょっと時間が経ったと思ったら、お嬢から電話がかかってきたので、そのまま学校にお迎えだ。

学校に戻ったら、早朝で寒かったから、ホール内にストーブを炊いてくれたんだって。
それがまるで、キャンプファイヤーのようだったって。

学生代表でスピーチした男の子がね、
「卒業式では涙も出なかったけど、あの火の周りから離れる時に、皆とこれで別れるんだ、という実感が初めて沸いて、ちょっと泣けてきた」
って言ったんだって。


楽しかったね。幸せだったね。
確かにそれは、一つのEnding。
同時に、大きなBeginning。

貴方達の未来に、どうかいつも光が射していますように。
思いを積んで、想いを重ねて、ゆっくり登って行ってくれますよう。

心から、卒業おめでとう。
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by senrufan | 2012-06-06 15:27 | Trackback | Comments(11)
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Commented by ゆみたち at 2012-06-10 04:37 x
これから会うのに(遅刻ですまん!)、書かずにいられずでてきました。
お嬢、おめでとうございます。
本当にいい笑顔だったね。
そして私は、己の器の小ささに恥じ入っております。
大切なお嬢のために、ぶっぶかぶー!と鳴らせばよかった。
大学の卒業式では、誰がなんと言おうと鳴らします!
ではのちほど!
Commented by Miyuki at 2012-06-10 10:43 x
*ゆみたちさん
先ほどはどーもでした~。楽しかったねえ♪
うん、あの笑顔は私もずきゅん、ときたなあ。でもその後のタッセルのやりとりに、たちまち前言撤回よ……
大学の卒業式、私も小僧様のに出たいっ! 思いっきり校歌を歌うよ! 私が!
その横でブブゼラで伴奏してほしい。きっと退場を命じられるであろう。
Commented by myumyu at 2012-06-11 10:17 x
お嬢卒業おめでとう!!
いままでの軌道を実感できるいいセレモニーなんだね、アメリカの卒業式は。

これから新しい生活が始まるけどきっと乗り越えていける力を十分ため込んだ学生生活だったんだろうなあ。

奇しくも我が家でもいろいろ抱え込んだ娘がアメリカから帰ってくるよ。
おんなじ時期に将来の夢に向かって走り出すと思うと感慨。

ねえねえ日本に来るならいろいろ画策してね。
上京は無理そうだけど頑張るよ。
Commented by おめでとうございます♪ at 2012-06-11 11:18 x
お嬢さん、ご卒業おめでとう~!!
とっても素敵な卒業式ですねぇ~私まで「ウッ!」ときてしまいました♪
miyukiさんも、ひと段落ですね~
でも、大学は日本なのね~ちょっと寂しいかしらね?!
あ!お引っ越しもおめでとう~!!

これから第2のmiyukiさんの人生かな?!
miyukiさんと、娘さんのこれからに乾杯!!(^O^)/
Commented by 初音 at 2012-06-11 11:19 x
あは!やちゃったわ~~~^^;
上のは私で~す!!
Commented by Miyuki at 2012-06-12 10:23 x
*myumyuさん
ありがとーー!!
うん、こちらの卒業式、すごくポジティブで大好きだよ。でも仰げば尊しが懐かしいけど(笑)

こっちに来て、日本とかアメリカとかより、なんというか、どんな場所に行っても向かい合っていけるような教育を受けさせてやりたい、と思ってたんだよね。それが果たせたのなら良いのだけど。

あーん、お嬢ちゃんのお話、聞きたいよー! 彼女の目にはどう映ったのかなあ、得たものがあったのならいいんだけどなあ。
お互い、新しいスタートだねえ。

少し前にメール送ったからね!
いっぱいいっぱい会いたいよーーっっ!(海に向かって)
Commented by Miyuki at 2012-06-12 10:25 x
*初音さん
リハビリは順調ですか?
温かいお言葉、ありがとうございます!
娘と離れなくてはならないのはとても寂しいですが、いい加減に子離れしないといけません(笑)

そうですね、これでようやく老後でございます。
何をしようかなー、と色々考えております。
でもまずは、初音さんと乾杯できるように、ワインを開けるところから、かしら(殴)
Commented by KawazuKiyoshi at 2012-06-12 14:07
卒業風景が面白いですね。
まるっきり日本とは違います。
日本の生活を知らないことも好いことかもしれませんね。
引っ越しつかれ、お大事に。
今日もスマイル
Commented by Miyuki at 2012-06-13 14:20 x
*Kawazuさん
本当に、こちらの卒業式に慣れてしまって、日本の式が思い出せません(笑)
白紙で日本に行くことは、確かに良いかもしれませんね。
自分の目で、母国を冷静に見てほしいと思います。
ありがとうございます! スマイルで乗り切ります♪
Commented by mimosa at 2012-06-29 12:40 x
たいへんおそまきながら、お嬢様のご卒業、おめでとうございます!
いつもこちらで子育ての勉強をさせていただいています。
お嬢様の今後の展開も楽しみです!
Commented by Miyuki at 2012-06-30 07:51 x
*mimosaさん
温かいお言葉、とても嬉しいです、ありがとうございます~~。
ええ、どうか「こんな母にはなってはいけません」見本として、末永くご利用いただきたく。
鬼母から逃れて、のびのび楽しんでほしいと思ってます(笑)


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