せめて差し出す手の数を

「宇宙と自分は、そもそも一体であり、当然の帰結として、人々は平等である。
天地同根、万物一体の道理を悟ることで、生死の問題を越え、与えられた責務を果し、正しい方法に従って、衆生済度の為に尽くす」
   ----- 山岡鉄舟
        (日本人、政治家、1836年7月23日生まれ)


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ただ今、仕込み中の物体。
うーん、うまくいくかなあ。初めてなので、どきどきです。

* * * * *

【雑事】

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先日のFood Accessibilityの記事に、追加のような形になりますが。
ミッシェル・オバマ夫人がアナウンスしたことによりますと、
WalgreensWalmartSuperValueといった大手スーパーが、米国で”food deserts(食の砂漠)”と呼ばれるエリアに、1,500の店舗をオープンすることで合意したそうです。

詳しい経緯は、ホワイトハウス発信の食ブログ、OBAMA FOODORAMAをご覧下さいませ。

First Lady To Announce Project To Combat Food Deserts, With 1,500 Markets Across US




この”食の砂漠”がどういうエリアかというと、たとえば、
都心部で、住民の1/3が1マイル以内に新鮮な青果を手に入れられる店がない町、
グローサリーストアまで、10マイル以上運転していかなければならない郊外の町、など。
こういうエリアに新鮮な野菜や果物を、リーズナブルな値段で提供することを目的としている計画だそうです。

具体的には、以下のサイトで検索可能です。

USDA Introduces Online Tool for Locating 'Food Deserts'


米国では、WalmartもWalgreensも、どちらかといえば中~低所得層向けの、大型ディスカウントストアのイメージで。
しかも特にWalmartは、その安値の裏側で、第三国での奴隷労働などで多くの裁判を抱えていたり、握りつぶしがあったりと、黒い噂が色々と。
我が家では、安値好きな旦那はWalmartに行っても、その企業姿勢を嫌うお嬢は絶対行きません。って、どーでもいいですね。

なので、ミッシェル夫人は、目的の為には手段を選ばずに、”悪魔との契約”をしたのか?という批判もあるようですが。
チェーン店ということで、場所を選ばず均一品質のコーヒーが楽しめるスターバックスのように、その輸送力を生かした大型チェーン店の存在は、確かにありがたい面もあり。
田舎モンとしてはついつい、大型スーパーより地域密着の商店街、なんて思ってしまうんですが、そこはアメリカですから、それでは到底追いつかないことも認めざるえなかったりするんですな。

車で旅行すると良くわかるのですけど、ずーーっと続くフリーウェイを走ってて、食べ物を買える店は次のガソリンスタンドのコンビニしかないな、えーと次のスタンドは60キロ先か、なんてこともザラ。
そういう場所で八百屋さんが開店したところで、そこまで果物や野菜を運んでくる運送料だけで、すごいことになりかねず。当然、商品の値段もすごいことになりかねず。
ここは腹をくくって大手にまかせる、という選択もアリなんでしょうなあ。

加えて、こういう大型店ができることで、その地域に仕事の口を提供することにもなるわけですから、そういう面でも歓迎すべきかも。
と思いきや、今までWalmartは、かえってその地域に貧困層を生み出してきたということを取り上げて、批判の声も上がってました。うーん、経済ってムズカシイ。


どんな計画でも、立場次第で賛否両論あるわけですから、まあそれは置いといて。(おい)
前回触れたように、低所得層の人々が住むエリアでは、グローサリーストアは見当たらず、酒屋やコンビニエンスストアがせいぜい。
野菜や果物を買うには、遠くまで運転していかなければならなくて、その車やガソリン代、買い物に割く時間などにも困る、money poorだけでない、time poorな人達が大勢いるのです。
そういう場所で育てば、新鮮な野菜が必要だという意識を育むことは難しく、ましてや自分達の子供に伝えていくこともなく。
悲しい食の悪循環は、食を象徴とした、終わらない階層社会の縮図であるのですね。

人間の欲求ピラミッドの一番下は、当然のように衣・食・住。
日々身にまとう衣服があって、食べ物があって、屋根の下で住めること。
それらが満たされて始めて、仕事や教育や家族、自己実現などを考える余地が生まれます。
そう思うと、年々増す傾向の心の病は、菜食主義以上に「満たされた人々のもの」と思われても仕方がないのかも、とは思います……鬱であり続けることを「選んで」いる人は論外として、悩む本人や周囲の家族には、ほんとに苦しい状況なんですけどね。

だから、せめて次に続く世代には。
絶対的な法則などありませんが、それでも大人になって選ぶ食生活は、子供の頃の食習慣がベースになるケースが多いので。
そして当然、そこに生まれる子供も、親である彼らの食生活がベースとなって育つ可能性が高いとなれば、一日でも早く、一人でも多く、と願う気持ちは止められず。

食にせよ、教育にせよ、環境やエネルギーについては尚一層。
自分達だけ、という範囲で見ている間は解決し得ない問題は、世の中に多々あるのですね。
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by senrufan | 2011-07-23 10:35 | Trackback | Comments(4)
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Commented by ゆみたち at 2011-07-25 10:56 x
浦島な私は、この春の一時帰国時、西友がWalmartの日本の子会社になっていることをはじめて知りました。
いやびっくり。
Commented by Miyuki at 2011-07-26 11:07 x
*ゆみたちさん
そうそう、そうらしいね!イトーヨーカドーが本家米国セブンイレブンを下克上して所有しちゃったし、まこと業界の動きは激しいですなあ。
特に銀行は、今覚えても、帰国した頃はまた変わってるだろうから、その時覚えればいいやーと思って、全然把握してません(爆)
Commented by eatSFO at 2011-07-26 23:24
難しい取り組みですね~。マップを拝見したのだけれど前住んでいた場所の近所になぜかお店がない住宅エリア(低所得というわけでもなく)があってそこも対象になってました。あとファームがいっぱいのあたりも。本当に何十マイルもお店がない所には必要な取組かと思うけれどたまたま対象エリアになったようなそういうところに出店してお茶を濁すようなことがありませんように。むしろ環境破壊になる。
しかしWALMARTが出ても併設M社のバーガーや冷凍食品コーナーが盛り上がりそうで色々難しそうですね。根本的に既成の食品を買った方がオーガニックにこだわらずも消費者からみると安上がりということが問題ですよね。
前回のお話と合わせ興味深く読ませていただきました。
Commented by Miyuki at 2011-07-27 12:19 x
*eatSFOさん
ほんとに難しいですよねえ……万人にとって良い政策はありえないので、かなりの程度の割り切りが必要なのですが、その線引きが大変難しい。あちらが立てば、こちらが立たず、ですね。
今日のマクドナルドの記事に関連して見たところでは、ミッシェル夫人側は大型店だけでなく食品加工メーカーにも色々と働きかけているようなので、少しずつの小さな流れがまとまっていって、いずれ大きな流れになればいいなあ、と思います~。始めなければ始まりませんものね。


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