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合わせたのは、互いの瞳 (S番外編)

「何かを始めるのは怖いことではない、怖いのは何も始めようとしないことだ」
   ----- マイケル・ジョーダン
        (アメリカ人、バスケットボールプレイヤー、1963年2月17日生まれ)

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【雑事】

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Sarahさんとのコラボシリーズ、摂食障害の第2回目のアップを前に。
知識として、「摂食障害とは?」ということを、まきりん♪さんがまとめて下さったので、S(スペシャル)番外として掲載いたしますですよー。(どんどん)(ぱふぱふ)

この手の学術的なことに触れると、自分もそうかも、と不安を煽る可能性もあるということで、どうしようかとちみっと迷ったりもしたのですが。
同時に、自分はこうなのだ、という自覚が生まれて、それが前進のきっかけになることも十分ありえる話。

まきりん♪さんのわかりやすい記述に加えて、前回のchiblitsさんからのご質問が、背中を押してくださいました。
お2人に、心から感謝でございます。ありがとうございました!
(まきりん♪さんのプロフィール&chiblitsさんからのご質問に関しては、こちらの過去記事から)

まずは、ずずずい、とご覧下さいませ。




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過食症(神経性大食症)の診断基準(DSM-IV)

A. むちゃ食いのエピソードを繰り返し、むちゃ食いのエピソードは、以下の2つによって特徴づけられる

  (1) 他とはっきり区別される時間の間に(例:一日の何時でも2時間以内)
     ほとんどの人が同じような時間に同じような環境で食べる量よりも
     明らかに多い食物を食べること

  (2) そのエピソードの間は、食べることを制御できないという感覚
     (例:食べるの止めることができない、または何をどれほど多く
      食べているかを制御できないという感じ)

B. 体重の増加を防ぐために不適切な代償行為を繰り返す、
例えば自己誘発性嘔吐、下痢・利尿剤・浣腸、またはその他の薬剤の誤った使用、絶食、または過激な運動

C. むちゃ食い及び不適切な代償行為はともに平均して、少なくとも3ヶ月に渡って週2回以上起こっている

D. 自己評価は、体型及び体重の影響を過剰に受けている

[病型分類]
(1) 排出型
現在の神経性過食症のエピソード期間中、定期的に自己誘発性嘔吐をする、または下剤・利尿剤・浣腸の誤った使用をする

(2) 非排出型
現在の神経性過食症のエピソード期間中、絶食または過剰な運動などのほかの不適切な代償行為を行なったことがあるが、定期的に自己誘発性嘔吐、または下剤・利尿剤または浣腸の誤った使用はしたことがない


神経性無食欲症(拒食症)の診断基準(DSM-IV)

A. 年齢と身長に対する正常体重の最低限、またはそれ以上を維持することの拒否
(例:期待される体重の85%以下の体重が続くような体重減少:または成長期間中に期待される体重増加がなく、期待される体重の85%以下になる)

B. 体重が不足している場合でも、体重が増えること、または肥満することに対する強い恐怖心

C. 自分のからだの重さ、または体型を感じる感じ方の障害:自己評価に対する体重や体型の過剰な影響、または低体重の重大さの否認

D. 初潮後の女性の場合は、無月経、つまり月経周期が連続して少なくとも3回欠如する(エストロゲンなどのホルモン投与後にのみ月経が起きている場合、その女性は無月経とみなされる)

[病型分類]
(1) 制限型
現在の神経性食欲不振症のエピソード期間中、規則的にむちゃ食い、または排出行動(自己誘発性嘔吐または下剤、利尿剤、または浣腸の誤用)を行なったことがない

(2) むちゃ食い/排出型
現在の神経性食欲不振症のエピソード期間中、規則的にむちゃ食い、または排出行動(自己誘発性嘔吐または下剤、利尿剤、または浣腸の誤用)を行なったことがある



非定型摂食障害(特定不能の摂食障害)の診断基準(DSM-IV)
   どの基準も満たさない摂食の障害のためのカテゴリー

A. 女性の場合、定期的に月経があること以外は、神経性食欲不振症の基準をすべて満たしている

B. 著しい体重減少にもかかわらず現在の体重が正常範囲内にあること以外は、神経性食欲不振症の基準をすべて満たしている

C. むちゃ食いと不適切な代償行為の頻度は週2回未満である、またその持続期間が3ヶ月未満であるということ以外は、神経性過食症の基準をすべて満たしている

D. 正常体重の人が、少量の食事をとった後に不適切な代償行為を定期的に用いる(例:クッキーを2枚食べた後の自己誘発性嘔吐)

E. 大量の食事を噛んで吐き出すということを繰り返すが、呑み込むことはしない

F. むちゃ食い障害:むちゃ食いのエピソードを繰り返すが、神経性過食症に特徴的な不適切な代償行動の定期的な使用はない


<摂食障害の内側>
大人になりたくない心理が核になっている。
20代以降にも発症することはあるが、精神的に緊張感が高く、対外的にはいい子を演じている13歳-17歳の女子のケースを良く見かける。
自らへの徹底した支配を緩めようとしない姿勢の延長に摂食障害の症状が起こってくることが多い。
完璧主義で頑固で視野が狭く、隠れた依存心を持っている。
また、自己価値観の低さと裏腹に、肥大したナルシズムを持ち合わせる、精神的に未成熟な状態。
痩せている=責任能力のない子供の状態を保つという(無意識的な)セルフ・イメージに対する思い込みにより、自害しているという事実を受け入れようとしない認知のゆがみを伴うこともある。
家族関係、特に母親との関係性に問題が潜んでいることも多く見受けられる。

<まきりん♪さんからのアドバイス> 
摂食障害は命に関わる精神疾患です。
消化器系だけでなく、他の臓器への疾患も併発することが多く、栄養失調、不整脈、貧血、骨粗しょう症、肥満なども起こり得ます。
また、女性機能の未発達により、将来の不妊や障害児の出産の可能性も懸念されます。
自己への不安感、抑鬱感を伴うことが多く、無意識下での自殺念慮が、摂食障害として行動面に表れているようにも見受けられます。
摂食障害という症状を露呈しなくてはならないほど、心が苦しくて悲鳴を上げている状態なのです。

早急に摂食障害の専門家、また、心理療法家を訪ねることをお勧めします。
他者に摂食障害を知られたくない、指導・治療を受けたくないという方も多いようです。
その際は、家族や周囲の人が摂食障害の人に対して専門家に意見を求めることが初めの一歩となることでしょう。

<摂食障害者への接し方>
食べることに対して干渉し過ぎず、表面に表れている行動だけでなく、どうしてそのような行動が起こっているのかを推察してみることも大切です。
例えば、どこかで人の気を引いたり、そんな行動も含めて自分を受け入れて欲しくて摂食障害の症状が表れているとも考えられます。
病気のことに関する話ではなくても、内容に過剰反応するのではなく、相手を丸ごと受け入れる姿勢で話を聴くことが大切です。
また、家族や周囲の人ははどうしても心配のあまり共依存的に過干渉になりがちですが、心身共に摂食障害者から離れる時間を持ちましょう。
ひとりひとりが自分の時間を大切にし、仕事以外にも興味や趣味の活動をすることで活き活きと暮らすことが家族全員にとって重要です。

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以上に加えて、私の方から追加を1点。
'97年に提唱された、新しい型の摂食障害について。

Orthorexia nervosa

ざっくり言いますと、
健康志向のあまり、ヘルシー度が高いと思われる食べ物に固執し、それ以外の食材を拒むがゆえに、拒食症と同様の状態に陥ってしまう、
というもの。
当然、外食もできなくなるので、社会的な孤立も招きます。
体型の悩みからくる摂食障害と違うのは、体重は気にせず、食事の内容にこだわる、という点だそうです。

*-*-*-*-*-*-*-*-*

アメリカに来て、自閉症やADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)を持つとされる子供が、自然に普通学級に在籍していること、そしてそのケアが手厚いことなどを見聞きして、正直、最初はとても驚きました。
日本にいた私の感覚では、障害がある子は障害者学級に行くもの、という意識が強かったから、であります。

そういった子へのケアの目的は、最終的には障害を持たない人と同様の生活が送れるように、ということを知った時。
特殊学級に行き始めたら、将来に渡ってその位置にあるものと思ってきた自分が、とても恥ずかしく、情けなく。
友人の子が自閉症と認定されたことをきっかけに、そういった子供のサポートグループのお手伝いに参加したものでした。

きっかけとしては、自閉症やADHD、もしくはLDなどがあるかもしれない、と教師側が判断して、まずはそのテストを受けるように保護者に薦める、というケースが一般的なのですが。
日本人家庭の場合、ご主人の理解が得られなくて、お母さんが辛い思いをする、ということが多かったのは。
私と同様、心の病気は特殊なものという感覚から、そんなものと思われたらたまらない、とか、うちの子をよくもそんな目で、というお気持ちがあったから、なのですね。

そんなところから出発した私でしたが、外部の様々なサポートを受けながら、子供もお母さんも助け合って進んでいく様子を見て。
侮辱とか屈辱とか、そんなものとは全く遠いところで、ただただ、自分が抱える辛さを癒すためのものが確かに在って。もしくは、傍からは見えない傷で苦しんでいる自分の家族の、支えとなってくれるものが確かに在って。
その為には、まずは入り口に立って、自分から手を伸ばして求めることから始めるのだ、ということを、繰り返し教わってきたのでした。

求めた後は、自分と相性の良いカウンセラーを見つける作業があるのは、一般の主治医探しと同じこと。
それからは、治療という名の、自分の傷を癒す為の道のりが待っています。
その過程で、自分の過去や忘れたい事柄に直面しなければならず、それは楽なことではないというのも、普通の病気と同様です。

誰もが、身体でも心でも、何らかの形で経験すること、と今は思っていますので。
決めて、選んで、進むこと。
それは当の本人こそができることとして、向き合っていけたらいいなあ、と思います。


次回、摂食障害シリーズの2回目です。
Sarahさんもまきりん♪さんも私も、かーなーり赤裸々に綴ってまいりますので、どうかよろしくお願い致します。(ぺこり)

それにしても、お2人の原稿を拝読した時は、涙だーだーの感動だけが溢れたのに、
なんでワタシのヤツだけは、笑いとツッコミばかりが浮かんでくるんだろう……(考えるな)(考えちゃいけないんだ)

by senrufan | 2011-02-17 13:45


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