あの日、あの時、繋いだ手 (4)

「どうでもよいことは流行に従い、重大なことは道徳に従い、芸術のことは自分に従う」
   ----- 小津安二郎
       (日本人、映画監督、1903年12月12日生まれ)

* * * * *

【雑事】

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私(以下M):「Skills for Living、いい内容だよねえ。日本でも、こおゆう授業があればいいのに。特に、若い子の鬱とか増えてるんだしさ」

お嬢(以下O):「でも日本とアメリカじゃ、鬱というか、思春期がちょっと違うような気がする

M:「え、そうなの? どう違うの?」




O:「うーん、私はこっちで、日本人の子は少ししか知らないから、ネットで見る子達のことも含めちゃうし……これはあくまで、私が感じているだけのことなんだけどね」

M:「うんうん」

O:「なんかアメリカの思春期って、”自分探し”っぽいんだよね。そして、感情のアップ&ダウンが激しいかな」

M:「ほぉ、それで日本はどなの?」

O:「言い方は悪いんだけど、ええとね、被害妄想のケが強いと思う」

M:「ふむむ、具体的に言うと?」

O:「日本の子は、『みんなが私のことを嫌ってる』とか、『誰も私のことをわかってくれない』と思って、落ち込むパターンが多いね。アメリカは、今まで自分が好きだったことに興味が持てなくなって、これからどうしよう、とか、自分の将来はどうなるんだろう、と思い悩む系」


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M:「日本のそれってやっぱり、他人の目を気にするお国柄からきてるんかな?」

O:「あ、それはあるだろうねえ」

M:「だから日本は、鬱や摂食障害の人数が世界トップクラスなんだなあ……ちなみに、キミの場合はどっちだったわけ?」

O:「私はかなり日本人気質だから、思春期も日本型だったね。人から言われることとか、人からどう見られているかが気になって、鬱々してた。それでも、ネットで時々見るような、すごい自意識過剰ではなかった、と思いたい(笑)」

M:「まあ、自己中の時期、という点では一緒だろうけどね~(笑)」

O:「あと、アメリカの思春期って、性格が日によってころころ変わったりするの。昨日はワルぶってみたり、今日はお嬢さまぶってみたり。それも、自分探しの一環なんだと思うんだけど」

M:「そうやって、自分に合う自分、しっくりくる自分を探してるわけかあ」

O:「性格を色々試して自分探しする、という意味では、日本もアメリカも同じなんだけどね。アメリカの方が、もっと堂々としてる。アメリカってやっぱり、基本”真っ直ぐ”なんだよね」

M:「日本の子はひねくれてると感じるわけ?」

O:「日本の子は、う~ん……かなりメンドくさいのが多い気が。 性格を変えるのも、家で豹変するとか、二重人格っぽかったりとか。まあ、アメリカも、ウザい子はほんとにウザいんだけどね!(笑)」

M:「それって、どうウザいの?」

O:「基本が思いっきりKYで、KYをKYと思ってないところが、すごくウザい。日本だと、KYだったら、周りから非難の視線が飛ぶから、気づいたら直していけるけど、アメリカは皆がKYで、皆が自己中だから、他の人のことを気にしない!(笑)」

M:「うーん、実感こもってますな、お嬢さん(笑)」


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O:「ただね、日本でKYだと、かわいそうだと思う。なんというか、日本ってある前提があって、それからはずれると、KYになっちゃうところがあるでしょ。日本では常識みたいなことに対して、皆が『そうだよねー』と頷きあってるとこで、1人で『私はそう思わない』と言ったら、うんと気まずいよね」

M:「あー、そおゆうのね」

O:「日本だと、そういう子はつらいだろうけど、アメリカだったら、どこか居場所が見つかる、と思う。但し、本当にただウザいだけの子は、やっぱりだめだけどね~」

M:「アメリカってさあ、例えば進路についても、セカンドチャンス、サードチャンスがある国だよね。失敗したり受け入れられなかったりしても、そこで絶望する必要はなかったりするよね。だから自分探しにしても、こんな可能性も、あんな方向もある、というところで悩めたりする。そしてその分、要求されることも多いし、抜きん出ようと思えば、要求レベルも高くなる」

O:「うん、そうだね」

M:「ところが日本だと、立派だと言われる将来の選択肢の数が決まってるし、KYじゃなく受け入れられる姿勢も、暗黙の了解のように決まってて」

O:「そうそう、だから、日本の子はチョイスの少なさに追い詰められて、アメリカはチョイスの多さに追い詰められる、ということだよね。どっちもどっちだよ」

M:「さて、気質は日本人だけど、アメリカ育ちの要素も加わったキミは」

O:「うん、私が日本に住むようになったら、どうなるかなあ」

M:「色々息がつまるような思いをすることがあるかも。でも、価値観の共有という点では、日本の方が暮らしやすいかな」

O:「どっちにしろ、私もかなりKYだからねー、嫌われるかなー(笑)」

M:「まあ、自分が本当に正しいと思うことを貫いてほしいけど。問題は、それが正しいかどうかを客観的に判断できる姿勢をとれるか、ということだねえ」

O:「そおゆうママはどうだったの?」

M:「『長いものには巻かれろ』を座右の銘としてン十年」

O:「最低だこの人」
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by senrufan | 2010-12-12 12:59 | Trackback | Comments(16)
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Commented by まきりん♪ at 2010-12-14 14:53 x
親子漫談、違った、親子談義を微笑ましくも興味深く拝見致しました。
お嬢殿の所見、とても鋭く真髄を突いているように感じられました。

「アメリカってやっぱり、基本”真っ直ぐ”なんだよね」
「日本の子は、う~ん……かなりメンドくさいのが多い気が。」
「日本だと、立派だと言われる将来の選択肢の数が決まってるし、KYじゃなく受け入れられる姿勢も、暗黙の了解のように決まってて」

このあたり、うんうんと頷きながら読みました。



Commented by まきりん♪ at 2010-12-14 14:54 x
決定打がこちら。

「日本ってある前提があって、それからはずれると、KYになっちゃうところがあるでしょ。日本では常識みたいなことに対して、皆が『そうだよねー』と頷きあってるとこで、1人で『私はそう思わない』と言ったら、うんと気まずいよね…日本だと、そういう子はつらいだろうけど、アメリカだったら、どこか居場所が見つかる、と思う。」
コメが長過ぎたので続いて書きますね。

はい、これは日本での私の姿でした。
周囲から要求されていることを認知しながらも、真っ直ぐさが仇となり、異端児として出る杭は打たれることに。そして、カナダに移ってからは思いっきり真っ直ぐさを発揮し、しかも、それが認めてもらえる仕事、交友関係を築けるようになり心から幸せを感じています。
Commented by まきりん♪ at 2010-12-14 14:55 x
三つ目に突入。
長くてごめんなさい~

日本では器用貧乏と世間からはみ出していたと感じていた自分は、カナダでは多才で芸術性の高い人と受け入れてもらえるようになったことも嬉しいです。

「日本の子はチョイスの少なさに追い詰められて、アメリカはチョイスの多さに追い詰められる」どちらも大変な思春期であることには間違いはなく、この時期をどのように生きるかでその後の人生に大きく影響する大切な過渡期。死んでしまいたいくらい辛かった思春期に戻りたいと思ったことはありませんが、今、その時期を過ごしている方たちには、その時期を苦しみと喜びのどちらも充分に感じながら生きて欲しいと願って止みません。
Commented by マミィ at 2010-12-14 22:47 x
母娘の興味深い会話をありがとうございますぅ。

で、KYってなんや?って、調べてみたら、へぇ~空気が読めない人のことなんだ。わははは、傑作。で、ついでに見つけたKY度チェックhttp://goisu.net/cgi-bin/psychology/psychology.cgi?menu=c077
やってみたら『あなたの【KY度は80%】で、かなり空気が読めないタイプです!!』だって。えーそうなのぉ!?かなり読めていると信じていたのに…。どうぞお嬢さんとお試しくだいませ。え?ウザい?
Commented by こっぺ at 2010-12-15 03:20 x
こういう会話が親子でできるって本当に素敵ですね。あーあこがれ。うちのヤローはそんな風になってくれるかどうか。
日本とアメリカの自分探しにそんな違いが。どちらがいいとは言えないけれど、今どちらで教育したほうが自分たちに合っているのか考えているので、とっても参考になりました。私は日本に帰りたいってずっと思ってたけど、なんかそう簡単にいかなくなってます。。。
Commented by shina_pooh_at_sfo at 2010-12-15 04:48
こんな会話ができるお嬢様ってすごい。なんて客観的に(第三者的に)人を見れているんでしょう。さすがいつもMiyukiさんといろんなお話をしているお嬢様だ。

えー、私も「『長いものには巻かれろ』を座右の銘としてン十年」です。楽チンお気楽。ゆえに、自分から考えて動くことが圧倒的に欠落しています。反省。
Commented by ゆりこ at 2010-12-15 11:08 x
私も「長いものに巻かれろ」かなぁ~。お嬢さんに「最低~」って言われそ(笑)
日本って、なんだかんだ言ってもやっぱり全体主義でしょ?!
アメリカは、個人主義的考え方のような気がします。
ほんとに、日本人って、ちょっと人と違うと何か言うわよね~
一見大らか?でも、つっつくよね?!
お嬢さんは、日本もアメリカも知ってるし(良い点、悪い点。)これから
どんどんと自分の栄養にして欲しいと思います♪経験は1番の教師&味方♪
でも、親子が真剣な話題を楽しく話せるって素敵なことよね~(^◇^)
Commented by Miyuki at 2010-12-15 13:09 x
*まきりんさん
はい、もう2人で話してると、おひねりが飛んでくる勢いで(嘘)

まきさんもそうでしたね~。私も子供時代を思い返してみると、皆からはずれてた子の中には、自業自得な子より、きちんと意思を持って、凛とした姿勢でいた子の方が印象に残ってます。
彼女たち、今頃どうしてるかなあ、あれで傷ついて歪んでたらもったいなかったよなあ、とか。まきさんが今を幸せと感じてらっしゃること、2歳の頃でさえ、日本の保母さんの一部から批判されていた娘の親としては、大いに励みになるですよー!

そうなんです、必ず通らなきゃいけないし、そうでなければロクな大人にならない気がする、思春期という時期。すでに終えた身としては、渦中の子に何かできることはないか、探していけたらと思ってます。そういう意味で、まきさんはすばらしいお仕事をなさってますよねvv
Commented by Miyuki at 2010-12-15 13:14 x
*マミィさん
いやいや、お恥ずかしゅうございますぅ。

KY度チェック、やってみましたよー!
あなたの【KY度は62%】で、時々空気が読めないタイプです!!
あれー、おかしーなー、相当読めないはずなのに。なんかプライドが傷ついたので、もう一回やろうかしら。目指せ100%(殴)
Commented by Miyuki at 2010-12-15 13:17 x
*こっぺさん
思春期を抜けて、ほんとに色々話すようになりましたね~。男の子は親とはあまり話さない子も多いようですが、その分行動や態度で表す子も。ぼんず君はどういうタイプかなあ♪

日米、どちらも良い点・悪い点があるし、考え抜いてどちらかに決めたところで、結局移った場所の運が大きくモノを言い。なので、住んでる場所の中で精一杯、が一番の解決策なのかもしれませんね。
Commented by Miyuki at 2010-12-15 13:21 x
*shinaさん
いえいえ、このぐらいになると、しっかり自分の意見を持ってる子は多いですよ~。ただ、「これは自分だけが思ってることだけど」と言えるのはえらい、と親バカ気分にひたりましたが(笑)

そなんですよね、周りに合わせていきたいタイプには、日本はとても生きやすいんですよね。で、大海に放り出されてあっぷあっぷ。未来明るいshinaさんの数年後は、アメリカ流にびしばし自己主張、かもしれませんよ、うふふ。
Commented by Miyuki at 2010-12-15 13:24 x
*ゆりこさん
そうそう、そうなんですよ、全体主義と個人主義の差。
だから、それぞれいいとこ・悪いとこがあるんですよね。
日本のように個人で動けないことに対して、周囲との協調性に欠ける欧米。築かれてきた文化と価値観の溝は大きいです。
というより、やっぱり日本って特殊ですねえ(笑)
経験は一番の教師&味方、うわあ、当たり前なのにすごく素敵な言葉!
ありがとうございます、娘の座右の銘にさせます。ええ、「長いものには巻かれろ」じゃなくて(殴)
Commented by さまんた at 2010-12-16 01:55 x
こういう話が出来るMiyukiさんとお嬢さんの関係が素敵だなぁといつも思います~最後のオチも微笑ましい(笑
しかし面白いですねぇ~この国民性(?)の違い。KYな方たち(私も含めて…マミィのテスト私も80パーでした。冷汗)について最近は『あの人はAC』『あの人はアスペルガー』とかさらに専門的なカテゴリー分類をする傾向が日本ではあるようですが、そこいくと仏ではそれはその人の個性としてあえてレッテル張りはせず、本人にコンプレックスを植えつけないようにする…んだそうです。亜米利加もきっとそんなんなんですかねぇ…あと日本人ももちっと図々しくなるべきですかね~(もちろん思春期が自分探しで終わった私は除いて…笑)。
Commented by Miyuki at 2010-12-16 11:30 x
*さまんたさん
えへ、嬉しいです、ありがとうございます(照) でもいつもオチがあるんです(笑)
え、さまんたさんは80%ですか? くっ、負けたわ…!(悔)
レッテル張りについてのご意見、さすがはさまんたさんです! そですよね、それ、すっごく大事なことですよね! カテゴリー化する人は、自分もカテゴリー化されているという意識でいるので、それが自分に枠を作って苦しめているということに気づいてなかったり。人にやってほしくなければ、自分がまずやめなければいけませんよね。ね、ずうずうしくなってもいいかもしれませんね~。と、まだ思春期の私は思ってみることにします(まだかよ)
Commented by ayumin_moo at 2010-12-17 09:47
KY度チェック、99%でした。。。まったく空気が読めないタイプだそうです。
あっはっは。笑うしかありません。。。当たってるから悔しい。苦笑

お嬢様の洞察力、すごいですね!冷静に分析されていて、それをしっかり言葉にされているからまた素晴らしいと思います!
特に、「日本の子はチョイスの少なさに追い詰められて、アメリカはチョイスの多さに追い詰められる」という意見になるほどと思いました。
私には、何かに雁字搦めにされる日本人の若者の方が、哀れというか、重症になりかねない気がします。

大きな声では言えませんが、日本を飛び出してアメリカで活躍している友達にKY系が多いのも事実です。(99%の私が言える立場ではありませんが)
Commented by Miyuki at 2010-12-17 13:00 x
*ayuminさん
ええーっ、ayuminさんといえば、私の知り合いの中でも、トップクラスに気が利くお方なんですが! あ、もしかして、テストが「悪い結果になれー」と要求している空気を読んで答えを変えたとか(邪推)

おーい、お嬢、ほめていただいたよー、喜べー(笑)
私も改めて、なるほど~と思いました。それぞれのメリットがあるし、結局は本人と環境の運によるところも大きいとは思いますが、それでも日本については、私も思うことが沢山あるのです。

あははは、すごく心当たりがあると大声で言ってもいいですか!
日本が合わない・アメリカが合うということがえらいことではない、ということをわかってくれている人ならば、居場所が見つかってよかったね、と大いにエールを送りたいですねえ♪


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