あの日、あの時、繋いだ手 (2)

「人生とは辛いもの、自分で自分を守っていかなければならぬのだから」
   ----- マリア・カラス
        (アメリカ人、歌手、1923年12月2日生まれ)


お嬢の歯の矯正ブレス、ついに、ようやく、とうとう、はずれました。
母子そろって歓喜です。ブラボー、ハラショー、ワンダホー。

思えば、一昨年の8月末から始めて、結局2年と3ヶ月。
当初の先生の見込みでは1年だったのですが、思いのほか骨が硬かった模様。 そうだよなあ、もう成長止まってるっぽいしなあ……


ブレスをつけてた年齢は、14~15歳。日本でいえば、中学3年生。
16歳になる前にすっかり抜けた感のある、お嬢の”思春期”は、矯正ワイヤーが一つの象徴であったことですよ。

* * * * *

【雑事】

        frameIMG_1693

お嬢と周囲の友達が、思春期に入ったなあ、と感じたのは、現地校の8年生の時だったかと。
感情的な揺れが激しくなり、声をかけても無愛想。不機嫌度が日々増すばかりの時期でした。




お嬢が矯正を始めたのは、ちょうどこちらのハイスクール(9年生)に入学したのと、ほぼ同時。
彼女の14歳の誕生日の直前だったのですね。

ハイスクールは、初日からクラスの履修変更でトラブって、収まるのに数日かかり、いきなり大変な量の宿題の中。
矯正のブラケット(歯にくっついた四角いやつ)が壊れることが数度続き、先生も首をかしげるばかり。
ブラケットを直すには、技工士さんの都合で午前中しかできないので、授業を抜けなくてはならない上、あとの宿題等でのメイクアップにも手がかかり。
中学から大好きで続けていたトランペットも、矯正ワイヤーのせいで上手く吹けなくなり、パート内の順位を下げられて落ち込んで。

1つ1つは些細なことであっても、積み重なれば大きな荷になります。

そして、9年生の後半に入って、学校の生徒の自殺が続き。
個人的にも、曾祖母中学時代の恩師ペットのインコと、3つの死に遭遇し。

通っている日系の塾では、ほぼ全員が日本の高校受験を目指して、大いに盛り上がっているのに。
日本にいつか帰りたいという気持ちを、何年も抱え続けているお嬢は、自分もついていきたいのに、許されなくて。
今までの倍以上にも感じられた、置いていかれるばかりの寂しさと悔しさを味わって。

鬱、という言葉を冠するほどではないにせよ。
足元が急に不安定になった時に、上から降ってくるあれこれを避けようがなかったこの頃は、 彼女なりに辛い日々であったと思います。


ひっそりシリーズの2回目は。
お嬢のSkills for Livingのノートから、今回は、若者の鬱についての概略です。

*-*-*-*-*-*-*-*-*

「自殺は鬱の道のりの最終点だが、そこにたどり着く必要はない」
「ただただ、生きていたくなかったんだ」
「両親を失望させたくなかった」
「今まで病院以外で、自分のような人に会ったことがないわ」
「彼らはただ、誰か話し相手が必要なんだよ」
「彼らは価値があると我々は信じている」

・誰でも、例外なく、心の病気になる可能性を持っています。
 現在米国では、1,900万人の鬱患者がいると言われています。

・鬱は、希望を消し去り、人々を絶望に追いやり、生命を危うくする可能性さえ秘めている病です。

・鬱に罹っている人は、脳のシナプシスの間の神経伝達物質が不足し、
 ホルモンバランスを崩した状態にあります。
 これに対し、薬が効くのは、65%の症例のみ。
 ちなみに、市販薬の売り上げトップ10のうち、抗鬱剤が2つ入ってます。

・ティーンのうち、10万人が自殺を試みれば、千人が成功してる割合。
 思春期の若者の5%は鬱状態であり、孤独感に苛まれ、人生に興味を失っている状況に
 あるのです。
 現在では、毎17分ごとに、誰かが自殺をはかっている、というのが実情です。
 そして、現実から離れたものへの興味(例:コンピューター)を募らせるのです。

・鬱の症状には、例えば、
 決断を下すことに困難を覚え、優柔不断になったり、
 食生活が乱れたり、睡眠時間が不規則になったりなどの、生活の急激な変化が見られたり、
 今までうちこんできたもの、好きで長く続けてきたものに、興味を失くしたり、
 など、様々な形で表れて。
 結果、希望がない、という心境に至るのです。

・自殺は、米国大学生の死因で、第2位をしめています。
[PR]
by senrufan | 2010-12-02 12:16 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : https://senrufan.exblog.jp/tb/14523928
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by まきりん♪ at 2010-12-04 16:05 x
思春期は誰もが通る過渡期ですが、それぞれにどのような道を通ったかは独特であり、また、抜ける前に逝ってしまうという残念な話もありますね。
欧米では自殺は多感なティーンエイジャー、そして、60歳以上のシニアに多いと言われています。その時期にホルモンバランスの問題なども含め脳内物質の代謝不良になりやすいのかもしれません。
人は自殺をする時は抑鬱状態に陥っているそうです。そのような状態を乗り越えられるか、はたまた死に急いでしまう分かれ目はどこにあるのか。その辺りのことに深く興味を持っています。
Commented by Miyuki at 2010-12-05 11:52 x
*まきりんさん
そう、誰もが通る道で、通らなければかえってあとでいろんな問題が出てくる、必要な過渡期なんですよね。
ティーンだけでなく、シニアにもですか~。なんというか、大舞台を前にした準備期間と、大舞台を降りた後の脱力時期ですね。脳内のホルモンのこともあるのだ、ともっと知られれば、ほっとして救われる人も多くいるような気がします。
そう、その分かれ目が人それぞれ、何がきっかけになるかわかったら、どれほど助かることか、と思いますね。複雑で切ない、先進国の病です。
Commented by ayumin_moo at 2010-12-05 13:12
お嬢様、矯正治療の終了、おめでとうございます!これからは、おそらくリテーナー生活ですよね。がんばってください!
ちなみに、私は29歳になってから矯正治療をしました。ブレス1年、リテーナー2年。念のため、リテーナーは今でも夜だけつけて寝ています。

若者の鬱、そして自殺の話は、本当に聞いていて苦しくなります。しばらくすれば、必ずトンネルを抜けるときが来ると言ってあげたい。
前職の時、さまざまな年齢の鬱に悩む方々に触れる機会が多かったのですが、そのとき感じたのが、「自分もいつ鬱になってもおかしくない」ということでした。それ以来、環境に左右されない強く、かつ柔軟な心を持っていたいと思っています。
ティーンの鬱を、親はどうサポートしていけるのか。これも難しいところのように思います。
Commented by Miyuki at 2010-12-06 08:30 x
*ayuminさん
ありがとうございます! そなんです、今は上下、透明な入れ歯ケースのようなリテーナーが。食事などのたびにはずしては、後で、「あ、つけ忘れてた」とか「あれ、見つからない」とかやってくれて、母の血管はぶちぶちと。
その年齢で始めて1年とは、ayuminさんの若さを再認識!

そうなんですよね、いずれは抜けると、抜けた人間にはわかるのですけど、それが当事者にはなかなか伝わってくれないのが切なくて。
おっしゃる通り、誰がかかっても不思議じゃなくて。それでも自分のことなら、まだ対処しようもあるのですが。
親という立場からできることは、第三者からできることとまた違うので、その見極めもほんとに難しいです。


<< 尽きることのない紅い水 十二月・師走・季冬 >>