背負ったものはその時代

「リスクです! 何事につけリスクを負いなさい! これ以上、他人の意見を気にすることはやめて。あなたにとって、この世で最も難しいことにチャレンジなさい。自分自身のために行動を。真実に直面しましょう」
   ----- キャサリン・マンスフィールド
       (ニュージーランド人、作家、1888年10月14日生まれ)


私は正座が全くもってダメダメで、5分と耐えられないのですが。(恥)
今回の納骨の儀で、本堂でお経をあげてもらった際、お寺側が用意してくれたのが、正座椅子なるものだったんですよ。

 低反発正座椅子【高めサイズ】レンガ

ざっと検索してみたんですが、そのものは見つからず。
こんな椅子の下に、座布団サイズのマットがついているものでした。
命の恩人でした。いやマジで。

しかしこれでも、ごくごく軽くしびれはあるんですね。
足の上に体重がのっかる以前に、足首を一定時間伸ばすことによるしびれがあるんだ、ということをようやく学んだ次第です。ふう、やれやれ。

* * * * *

【舞台】

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ミュージカル「Dreamgirls」を観に行って来ました。

2006年公開の映画「Dreamgirls」は、エディ・マーフィーの助演男優賞、ジェニファー・ハドソンの助演女優賞、美術賞、衣装デザイン賞など、数々のアカデミー賞を受賞した、大ヒット作でございましたね。
しかし元々は、1981年より始まったブロードウェイ・ミュージカルで、82年にはトニー賞を受賞するなど、舞台で人気を博した劇。
その最新版の全米ツアー、いよいよサンフランシスコにやって来てくれたのでございます。




今更ストーリーを語る必要はないと思われますが、ほんの少しだけ。
すでに伝説となっている女性コーラスグループ、The Supremes。ダイアナ・ロスが中心で、父や兄が聴いていたような覚えが。
オリジナルメンバーの1人であるメアリー・ウィルソンが書いた自伝、「Dreamgirl: My Life As a Supreme」を元として作られたのが、こちらのミュージカルなんですね。

1960年代、まだ黒人差別がはっきりと残っていた頃のデトロイト。とあるオーディションに、シカゴからやってきたコーラスグループが参加します。
メンバーは、Effie、Deena、そしてLorrellの3人。Dreamettesと名乗る彼女達は、中古車のセールスマンであったCurtis Taylor, Jr.に見出され、人気R&BシンガーのJames "Thunder" Earlyのバックコーラスとして契約することになります。

そのままマネージャーになったカーティスは、音楽界に新風を吹き込むべく、グループのターゲットをポップスに絞り、今まで白人で占められていたジャンルで、着実に階段を上っていきます。
が、カーティスとエフィ、ジミーとローレルの恋愛、そしてジミーのマネージャーのMartyとの確執など、抱える問題は少なくなく。ジミーと離れてThe Dreamsとして独立した新グループは、カーティスの決定により、エフィではなく、ディーナをリードボーカルとして新しく据えることで出発します。
これにより深く傷ついたエフィは、ステージにすっぽかすなどの目に余る行為が続き、グループを辞めさせられることになります。

……とまあ、あとはいいや、うん。(殴)


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今回の私の失敗は、映画を先に観てしまったことですなあ……や、まさか舞台を観られるチャンスが来るとは思ってなかったので。
なので、どうしてもあれこれ比較してしまって、きちんと頭を切り替えて、舞台の良さをしっかりとわかるに至らなかった気がして、情けないです。
昔、「コーラスライン」でも同じことをやってしまったんですよねえ、全く。

加えてこの3週間ほど前に、「Wicked」の千秋楽を観に行った後だったので、レトロ感溢れる「Dreamgirls」が、ちょっと物足りない気までしちゃったりして。
冒涜です。いけません。反省しきりです。

それでもさすがに、次々と繰り出される歌は、素晴らしいなんて言葉では足りず、マジで鳥肌立ちました。
人種差別になってしまうかもしれませんが、黒人で本当に歌の上手い人というのは、理屈も何もかも超えて、どこからどうすればあんな声が出るんだろう、と頭が真っ白になっちゃうんですよね。

そういう意味ではダイアナ・ロスは、私個人はそれほど、だったりします。
白人に受け入れられたという意味では大きいし、実際感動もしますが、それはなんてゆうか、黒人!と感じさせられる、あの”響き”や”発声”とは、違うところから来る感動。
その点、エフィ役をつとめたMoya Angelaは、文字通り会場中を彼女の声で満たすような、圧倒的な迫力でした。

そして、ジミー役のChester Gregory。
軽いものからシリアスなものまで、幅広い歌声でこなした上に、一挙一動、全てが見事な”芸”。出てくるたびに観客を沸かせてくれましたぞ。
ディーナ役のSyesha Mercado、ローレルのFelicia Boswell、2人とも人気グループという役柄にふさわしい、美しさと歌唱力と披露してくれました。


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それにしても見事なぐらいに、ほとんど黒人オンリーの舞台。
ダンサー達の中で、あれ、白人が色塗ってる?と思われる人もちらっといましたが、それぐらいでしたね。

黒人のこの国での歴史については、子供のうちからこれでもか、これでもかと学ばされるのですが。
確かに大事な歴史であって、繰り返し学んでいく必要があることで。戦争の歴史をきちんと教えてない日本など、見習うべきところが多々あると思うんですが。
その教育が実際に生きているか、と問われれば、私個人としては、少々首を傾げずにはいられなかったりします。
人種差別について教えれば教えるほど、人種という違いがあるのだ、と逆に刷り込んで。
かえって対立を生んだり、大義名分として利用したりする状況を作り上げているように感じてしまうのが、正直なところ。

それでも、こういう一時代前のミュージカルなどを見れば、そういう歴史がすとん、と胸に落ちてきます。国としての歴史が短い分、生々しささえ伴って。
そういった時代の一サイド側で、展開される物語。
ノンフィクションがベースなだけに、受けとめる側にも、「Wiked」のような完全ファンタジーを鑑賞する時とは、異なった思いが生まれます。

国に歴史あり、人に歴史あり。
それでいいじゃないか、とは思っているのですが、言葉にならないもやもやを抱えてしまい。
それを、一時でも完全に忘れさせてくれるのが、彼らの歌と踊りであって。
もしかしたらそう思っているのは、演じる方も、そしてこの時代に生きた彼らも、なんじゃないかなあ、なんて。
知ることのないショービジネスの世界に、ふと思いを馳せてみるのです。


Curran Theater
445 Geary Street
San Francisco, CA 94102
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by senrufan | 2010-10-14 12:25 | Trackback | Comments(0)
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