人気ブログランキング | 話題のタグを見る

花咲く理由は愛であれ

「誰かを本当に理解したかったら、その人の視点から物事を考慮しなければならない」
   ----- ハーバー・リー
        (アメリカ人、作家、1926年4月28日生まれ)

* * * * *

【学校】

     DSCF2560

今年度前期、選択授業でFoodsという調理実習のクラスをとったお嬢。
後期も引き続きFoods2に進み、またまた期末試験は、「自宅で料理を作って、家族に食べさせること」なんだって。

前回、かなり和風な食卓を目指した彼女であったが、趣を変えたいのと、前回レシピの翻訳に苦労したこともあって(……)、今回のコンセプトはおフランス
ほら、パンがなければお菓子を食べなさい、というアレですよ。(激違)




前回はご飯だけは炊いた母ちゃんだけど、今度はおかずオンリーということで、なーんにも手伝うことなし。
それどころか、
「見ると、きっと血管切れるだろうから」
と、キッチン立ち入り禁止を言い渡され。うん、確かにそうかも。
ということで、見ざる・言わざる・聞かざる状態で待機したんだな。


DSCF2536

そして課題の4品を、またもや全て自分で仕上げた彼女、レシピを自分流にアレンジしただけにとどまらず、ガーニッシュまで作製、という懲り様。さすが、元・将来の夢はアーティスト。
更に、いよいよ食べるにあたっては、シェフから給仕にチェンジして、コース仕様でサーブしてくれたのだ
しかも、「次は○○、これこれを使って仕上げてみました」みたいな説明までつけてくれるので、たった一人のお客さんの母ちゃん、もーーむちゃくちゃ大照れです……


     DSCF2537

最初はスープ、冷たいヴィシソワーズから。浅倉ユキさんレシピ参考。

彼女曰く、シンプルにじゃがいもと玉ねぎだけで作ったそうなんだが、すごくとろみがあって、まるでちょー柔らかめのゼリーみたい。
Vita-mixで仕上げたそうなので、もしかしてそのパワーのせい? だったら、やっぱりすごいなあ。
味は私好みの薄味、でも黒胡椒が効いていて、食欲増進効果まで。


DSCF2543

前菜で、豆腐のテリーヌ
これも浅倉ユキさんのレシピで、豆腐をベースに、ブロッコリーで緑、にんじんでピンクと、3色作って重ねたもの。

うんうん、これは一度食べてみたかったんだよね。
余計なものが入ってないので、とても優しいお味だよ。これなら私一人で、半分以上は平らげられる自信あり。つか、よこせ。
おまけに、大好きなアボカドまで添えてくれた日には、お代わり!と叫んでしまうのを必死にこらえたぞ。


DSCF2548

野菜の一皿、ラタトゥイユ
トマトをピューレ状にして、ズッキーニ、エリンギ、玉ねぎ、ベルペッパー、それに彼女オリジナルで、レモンを入れて煮込んだ一品。
思いがけない酸っぱさが、すごく新鮮だったよ。


DSCF2551

メインに出てきたのは、スズキの蒸し焼き・ディジョンマスタードソースがけ
Collardの葉にのせて蒸したSea bassに、マスタードや白ワインなどで作ったソース。
飾りのバラは、トマトの皮で。添えられた一口海草サラダが、また嬉しいね。


DSCF2558

締めのデザートは、ヴィーガン・ショートケーキ
パトリシオさんのマクロビ・スポンジケーキをちょっとアレンジ、プレーン・ココア・いちごと3種類作って、豆腐クリームをはさみながら重ねたもの。
上からココアパウダーをまぶして、いちごのガーニッシュ。
ここまでくると、すでに母ちゃん、言葉がありません。(うるうる)

パトリシオさんのスポンジは、むっちりしていて大好きなのだけど、クリームを重ねて時間を置いたせいか、更にもちもち感が増していて。
食べ応えがある生地を口に入れれば、クリームに加えられたラムの香りと共に、時間をかけて一口ずつを楽しめる。


さてさて、総括として、今回も大変見事な出来でございました。親バカ度を割り引いても、大したもんだと思うのさ。
しかして、ご本人のご意見は?

まず、ガーニッシュに不満が残る。
もっと懲りたかったのに、きちんと計画を立てなかったから、冷蔵庫にあるものでやるしかなくて。
豆腐テリーヌはもっと上手に作りたかったし、ラタトゥイユは、ちょっとレモンを入れすぎたかなあ。

でも、一番の悔いはSea bass。あんなに油っこい魚だとは思わなかった。
ほんとはヒラメを使いたかったけど、スーパーに売ってなかったし……

と、当人にすれば色々あるらしい。
まあ、その辺のところは遠くに置いといて、自画自賛路線でレポートを書くように。君はいつも謙遜し過ぎだから。
とりあえず母ちゃんは恥ずかしげもなく、親バカ丸出しコメントを書く予定。(ふんぞり返り)

ところで、規定は4品なのに5品作ったのは、エクストラ・クレジットをねらったの?と聞いたら、
「え」
と愕然としてしばしフリーズ。……気づいてなかったんかい。


Foodsのクラスはこれで最後なので、もうこんな機会は当分ないんだな。
返す返すも、これにありつけなかった父ちゃんが気の毒だ。
お嬢ったら、わざわざパパの出張中に実行するんだもん……誰の稼ぎで料理ができると思ってるんだね。(ため息)

料理のテクは上達したし、栄養学的な知識も増えたはず。ハズ。
そおゆうものがベースになって、毎日作るようになったらもっと上達して、いつかは食を含めた環境全般への感謝とか、食べさせたい人への思いとか。
そんな風に、本当に心が伴った料理を作るようになるのは、君が自分自身の家族を得た時なのかもしれないね。
by senrufan | 2010-04-28 15:06


<< 五月・皐月・仲夏 Support Your Ch... >>