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年相応の視野を持ち

「自分の選択肢を探し、その中から最上のものを選び、チャレンジせよ」
   ----- パット・ライリー
       (アメリカ人、バスケットボールコーチ、1945年3月20日生まれ)


先週、2日間に渡り、お嬢が高校で受けた試験があります。
現在Sophomore(高2)に在籍する生徒全員が受けるテストで、名称CAHSEE
California High School Exit Examの略であり、カリフォルニア州の高校の卒業試験でございます。
加州在住の高校生は、規定の内容(必要単位の取得など)に加えて、これに合格しないと、高校卒業と認められないのですね。
ちなみにこれはカリフォルニアに限った話ではなく、数十州が独自の試験をそれぞれ課しています。

試験は、英語(読解・作文)と数学なのですが、英語はともかく、数学は大変簡単だという定評がございまして。
噂にたがわず、当日、お嬢達にオオウケした数学の問題がこちらです。

「n=12とします。
では、-nはいくつでしょう?」


と、笑っていられる側はいいのですが。
それでも毎年、州で20%以上の子は合格できず、中卒扱いで社会に出るか、働きながらまた卒業資格合格を目指すか、の道が待っています。

高校まで義務教育で、学費もタダ、という米国ですが、こういう話を聞くたび、家庭環境の差・貧富の格差・意識の違い等々を、目の前につきつけられるのです。

* * * * *

【時事】

お嬢の学校で、自殺者が数人出てしまったことについては、何度か書いてまいりました。

TV番組で、Dr. Phil's Showというのがありまして。って、私は全然見てないのですけど。(TV見られない体質)
オプラ・ウィンフリーのショーと同様に、一般の人が参加して、彼らの抱える問題について語る形式の番組です。

先日この番組に、うちの市の高校生達が出演して、彼らが抱えるストレスについて語ったのでございます。

子供の自殺については、後追いする子が続くことを危惧して、大々的に報道はしない、と決めている国や機関も多いのに。
こちらでは、最初から学校名が出てしまっていたことを考えると、そのあたりの気遣いはなかったのか、それとも精一杯抑えた形だったのか、真相はわからないまま。
それが続いて、州外にまで伝わって、カルト教団が来たと思えば、今度はとうとう全国規模のTVまで。なんだかなあ、まったくなあ。

が、ティーン側の言葉を聞くという意味では、貴重な機会であったことは事実。
個人的感想はさておいて、記録は残しておきたいと思うのです。




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Stressed-Out Students

放映前に、こちらの学区から、特定の学校名や市名を出さないことを申し入れ。
よって番組内では、”北カリフォルニアで、ここ1年以内に、5人のティーンの自殺が起こったコミュニティから”、という紹介になっています。

番組サイトでビデオも見られますので、こちらではティーンの言葉の抜粋など。
「こんなに沢山のクラス、こんなに沢山の宿題、そして両親。両親はプレッシャーをかけてこなくとも、子供への期待と夢は持っていて、それを両肩に感じてしまう」

「プレッシャーは友達からもある。私達全員、お互いに競い合っている」

「自分より5つ以上のAPクラスを取っている子や、多くクレジットをもらえるクラスを取っている子を見ると、いつも感じる。『私は今のままでいいの?』」

「皆、自殺は問題だと知っているけど、誰もそれについて真剣に話そうとしない。そうできるだけの情報が与えられないの」

「我々は実際に自殺した人も、自殺しようと考えてる人も知ってるし、親や社会も知っている。が、誰も深く立ち入ろうとしないし、お互いに話そうとしない。そうすれば、裁かれるような気がするからだと思う」

「こういう議論は、同じように考えている子がいる、呼びかけて出てきてもらうことが必要だ、と知らせることができる」


孤独を感じているかどうか、という質問に対して。
「ティーンエイジャーになるということは、その前より何倍も辛くなることだ。名のある学校に行く為に、自分の住む市や国の人達とだけでなく、世界中のライバルと競うのだから」

「成功している人達は、口々に言う。『ああ、僕はスタンフォードに行ったよ』、『私はハーバード出よ』。そして皆は、繋げて考えるようになる。あの学校に行けば、成功した人生を送れる、と」


番組では、同席していた保護者に、彼らが子供達のプレッシャーの原因であるかどうか、意見を求めるシーンも。
「原因は、両親ではない。彼らは全員、過度な負担からストレスを受けていて、互いに話し合う必要がある。公開討論会を持てば、大人達も彼らに何が起こっているのか聞くことができ、よい良いサポートができるだろう」

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<自殺について、Dr. Philのアドバイス:すべきこと・すべきでないこと>

保護者がすべきこと

・自殺をほのめかすサインは常にシリアスに受けとめ、直ちに反応する
・子供に直接問いかけ、彼らを引き戻す
・子供が落ち込んだり引きこもったりしていないか、注意深く見守る
・外部に助けを求め、子供を支える
・子供時代~思春期の鬱や自殺について学ぶ
・自殺願望は一時的なもので、助けてくれる人達がいるのだ、と子供を確実に安心させる
・早めに介入することが、子供とのやりとりを成功させる鍵となる、と認識する
・問題解決は、心理学者・両親・親戚などで構成されたチームで臨むべきであることを理解する

ティーンがすべきこと

・友達の行動を深刻に受けとめる
・プロの助けを求めることを薦める
・事態が緊迫した時には、直ちに信頼できる大人に告げる
・友達と話す
・自殺を考えているかどうか、問いかける
・偏見を捨てて、オープンに聞く

保護者とティーンがすべきでないこと

・関係を守る為に、と誰かの自殺願望を秘密にしない。助ける為に、助けを求めるべきだ
・人生の価値について説教しない
・決して実行させない
・ショックを受けた様子を見せない。あなたとの間に距離を作ってしまう
・問題を矮小化したり、考えを変えようとしている人を恥じたりしない
・あきらめない


Dr. Phil Show
by senrufan | 2010-03-20 10:49


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