「ほっ」と。キャンペーン

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振り切って進むべき方向へ

車高が高い車に乗ると、ついやりたくなる。

おーーほほほほほ、道をおあけなさいあなた達!(女王様ごっこ)

* * * * *

【アクティビティ】
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b0059565_14343632.jpgLocks of Love。ここに髪を寄付することにしたのは、去年の9月のこと。
10インチという目標で伸ばしてきて、自分達的に十分な長さになった今。補修校で6年生に進学する前に切りたいというお嬢の希望で、今日実行しようと決めていた。
自分で切って送っても良いのだけど、カット+スタイリング+送付まで無料でやってくれる指定美容院がすぐ近所にあったので、そちらに足を運ぶ。

もう当分ショートヘアでいきたいお嬢は、最後とばかりに今週は髪で遊んでた。編込みにしたりトプシーテイルにしたり、ピンやゴムで飾ってみたり。
数週間前にヘアカタログを買って、美容師さんにお願いする髪型も決めて、毎日のように「あの髪型になったら」だの「この髪型のもうちょっと短めで」だの言い続け、頭の中の相当スペースが髪のことで占められて。
いい加減本来の目的を忘れているんじゃなかろうかと不安になってきたこの頃、今日という日がようやく来てくれてよかったよ……(ぐったり)

美容院の椅子に座ると、美容師さんがまず髪を2つに分けて、それぞれをゴムで束ねる。そして物差しを当てて、10インチ辺りのところからハサミを入れた。ざくっ、ざくっと数回のハサミで、あっけなく離された1年半分の髪の束。
その後は簡単に整えてもらう程度で済ませてもらう。本番のカットは明日だからね。
もう一度髪にお別れを言ってから、雨が降り続く外に出た。お嬢と大きくハイタッチ。


例えばこういった寄付とか、ボランティアとか。
一見、利他的な行為のように見えるかもしれないけれど、実は利己的な理由がなければできないものであると思う。

この国で、黒髪を欲しがる子はあまりいないのかもしれない。
何かの手違いで届かないかもしれない。
どこかで損傷して、捨てられてしまうことになるかもしれない。
沢山の不安材料のif。結果が見えず、自己満足という名の負い目。

だからこそ、何かをやったという自分の気持ちが糧になる。
大小に関わらず、行動したという事実が支えになる。
そんな思いを感じられる機会があることを、ただありがたいと思おう。

戯言
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by senrufan | 2006-03-31 14:32 | Trackback | Comments(6)

夜の虹

夏の風物詩、ほおずき。ほおづき、鬼灯、Ground Cherry。
お盆の仏壇の精霊迎えに、ほおずきのような形をした提灯が飾られる為、ほおずきを庭に植えるとその家に病人や死者が出るので縁起が悪いと言われる。
古くは利尿剤、解熱剤、鎮静剤として用いられてきた薬用植物。

ということを、今日知りました。

* * * * *

【レストラン】
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ご近所さんの美女二人とランチ。しかもお二方の誕生日ランチ。
光栄すぎて寝不足。きっと私の目は思いっ切り血走っていたに違いない。

ダウンタウンで、まだ行ったことのないイタリアンレストランに入ってみた。
名前がイタリア語で「美しい月」という意味だと教わったのだけど、それに合わせて夜空と月を模した青と黄色、レンガ色の綺麗な内装。

味は、こちらのレストランにしてはありがたいことに薄味系。ドレッシングやソースがくどくなくておいしい。
それにサービスが良かったよ。前菜が違ったものが運ばれてきたのだけど、それを言ったら「じゃあそれは食べてしまって下さい。私のおごりです」と言って、注文した品をちゃんと持ってきてくれたし。「今日は誕生日なの」と言ったら、サービスでケーキを、しかもフォーク3本添えで持ってきてくれたし。さすがイタリア男性、女性に優しいったら。(思い込み)

そして女性側はと言えば、やはりおしゃべりの種は尽きることなく。気がついたら制限時間を過ぎていて、慌しいお別れを。
両手に花でなんとも幸せなこの一時、ぜひまた次回があると嬉しい。私が。

Bella Luna
233 University Avenue
Palo Alto, CA 94301
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by senrufan | 2006-03-30 13:50 | Trackback | Comments(2)

出会いは突然に

【個人的事情】
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♪どなどなど~な~ ど~な~~~♪

という脳内BGMに送られて、我が家のとよたかむり君は修理屋さんに連れて行かれました。元気になって帰ってくるんだよ……!(号泣)


さて、昨夜事故にあってしまったかむり君、これはどう考えても車軸が歪んでいるであろう。さらに今朝になって色々とチェックしてみたところ、昨夜は気づかなかったボディの傷も幾つか。
ということで、朝から保険のエージェントやら修理屋さんやら保険会社本体やら、電話・電話・電話。
保険会社の人がそのままレンタカー会社に代車の予約を入れてくれたので、その予約番号を持って指定レンタカーオフィスに向かう。

係員の人がちゃかちゃかとコンピューター入力を済ませ、契約書を手にして駐車場に行く。
「予約が急だったから、用意できるのがあれだけなんだけど」と言いながら指差した先には、

黒いジープが2台と、白いピックアップトラックが1台。だけ。

「どっちでも好きな方を選んでいいよ! でもちょっと自己負担してもらわないといけないんだけど」と明るく言う彼の横で、しばらく口を開けたまま立ちつくしてしまった。

とりあえず引越し予定があるわけではないので、ジープにするしかないであろう。
おお、車高が高いよ! 椅子の高さも高いよ! ペダルがちょっと遠いよ! でも一緒に乗り込んだ係のお兄さんは足がキツそうだよ!(くそう)

いつか乗ってみたいと思っていたジープ、まさかこんな形で運転することになるとはなあ。怖々とスタートさせ、運転しながらウィンカーやパワーウィンドウやらをチェックする。(危ないってば)
とりあえず数日、よろしくよろしく。まずはオトモダチからだな。でもごめんね、僕にはすでに心に決めた恋人かむり君が(聞いてないってば)

憧れの四駆が我が家に来た。こうなったら、週末スキーにでも行かずばなるまいな。(行かないってば)
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by senrufan | 2006-03-28 13:40 | Trackback | Comments(2)

メビウスの輪のごとく

【個人的事情】
お嬢のスイミングの帰り道。雨の中、フリーウェイを走ってた。

他の高速との合流地点直前、突如前の車がスピンし始めた。
一車線しかない下り坂のカーブ、とにかく必死で急ブレーキを踏みながら、なんとか左の路肩によけようとする。
ところが回り回ったその車は、今度は回転しながら左側によってきてしまい、うわあああと上げた内心の悲鳴は、ゴン!という衝突音で止められた。

今度こそ路肩に停め、急いで車から降りてそちらの車に駆け寄ろうとした。と思ったら、うちの後ろの車も停まって、中から若いお兄さんが走り出てくる。彼の顎には、ちょろっとだけ生えたヒゲ。

あ、サンジ(ONE PIECE)だ。

と思った私は、彼を心の中で仮サンジさんと呼ぶことにした。ちなみにどうでもいいことだ。

二人そろってスピンした車のところに行ったら、中では若いおねえさんがガタガタ震えていた。
そりゃそうだ、生きた心地もしなかったことだろう。両側壁の一車線のところで、クラッシュしなかったのはほんとにラッキーだったよ。

そこでテキパキと私達の誘導を始める仮サンジさん。ふと見たら、彼の車にいるお姉さんが、早速警察に電話してくれている。お互いそれぞれの車に戻り、シートベルトをしっかり締めて、彼の指示に従う。
仮サンジさんは道路の上に走り出て、体を張って車の流れを止め、なぜか私達をバラバラの箇所に誘導する。そして警察が来るまでシートベルトを締めたまま、絶対外に出ないようにと言い含めて、颯爽と去っていった。思わずその後姿に向かって、両手を合わせて拝んでしまった。

離れた箇所に停めさせられたのは、お互いヘタに話さないようにとの配慮かなーと思いつつ、警察が来るのを待つ。車に入る前にざっと車の前部を見てみたが、これまたかすり傷があるかないか状態。私達もラッキーだったよ。

20分後に来たパトカーは、先方の車をこちらの場所に誘導し、それぞれの車に一人ずつ警官が寄って来た。やはり車からは出ないように、自分達がそれぞれから話を聞くから、と言われた。あんた正しかったよ、仮サンジさん…!と、今度はギン風に呟いてみた。ほんとにどうでもいいことだった。

車のぶつかった辺りをチェックした警官は、「ほとんどダメージがないので、ポリスレポートは無しにします。お互いの個人情報の交換をして、その後は各自でやって下さい」とおっしゃる。
その情報交換にしても、私達が窓から差し出す免許証等一式を持って、相手の車に走っていって書かせるという、徹底したやり方。免許には電話番号は書いてないので、口で伝えたのをその場で覚えて、またまた相手の車に口頭で伝えてくれた。間違って2回往復してた。

今回は逃げられることもなく、仮サンジさんというありがたい助けもあり、さらにダメージもほとんどなく。今までよりは余裕状態で、その場から離れる時、笑みを浮かべながらあちらに手を振っちゃったりして。そしてタイミングを見計らいつつ、本線に合流した。

のだがな。


変。すっごく変。車クン変。
なんでハンドルを真っ直ぐにすると、右に曲がっていくの。
なんで真っ直ぐ走ろうとすると、ハンドルを左にきってなきゃいけないの。
おまけになんでこんなにタイヤがキーキー鳴るの。
なんでこんなに車がグラグラするの。

なんで。なんで。
な ん で 。

さあて、ここまでで何回「なんで」と言ったでしょーかっ♪

なんてチャカしてる場合か自分ーーーっっ!!

という遣り取りを繰り返しながら、よたよたとナキワライ状態で家に帰っていったのであった。

戯言
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by senrufan | 2006-03-27 11:56 | Trackback | Comments(4)

あと何歩と数えると

ようやくカリフォルニア産のマンゴーに会えたので、久々に買った。まだちょっと酸っぱいけど、とろ~りとした身がおいしくて、お嬢は一口食べた後に、目をつぶってうっとりと呟いた。
「とろけるような食感、きりんの高い香り……」
キリンは高い。その通りだな。

* * * * *

【料理】
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もうそろそろ春野菜メニューといきたいところなのだけど、とにかく毎日雨で寒くて、まだまだ根菜が恋しいの。
なので今日のメニューは、マクロビレシピよりれんこんナゲット。まだちょっと咳が残ってる旦那の喉にも効いてくれるかな。

すりおろした蓮根とにんじん、玉ねぎに全粒粉、塩などを混ぜて練り、形を作って揚げる。
その上に大根おろしに出汁と醤油で味をつけ、くず粉でとろみをつけたあんをかける。

根菜大好きなので、そういう意味では冬もいいけれど。
お天気人間なので、雨続きだと気分がローギアのままで辛いのだ。
春の陽射しが待ち遠しい。と、キノコが群生してる前庭の芝生も言ってます。
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by senrufan | 2006-03-26 11:58 | Trackback | Comments(0)

果てにこそあるもの

補修校がない土曜って、こんなに楽だったんだね……(じ~~~ん)

と、朝寝坊の喜びを噛み締めている私達を置いて、旦那は雨の中、咳をしながら涙の接待ゴルフに出かけていきました。

* * * * *

【イベント】
お嬢の補修校のお友達が、現地校でのミュージカルに出演する。それも「アラジン」の主役、ジャスミン王女だと聞いたのが2ヶ月前ぐらい。
「絶対観に行く!」と野望の炎は燃え盛り、チケットは忘れないようにバッグに入れたまま、今日という日を待っていた。(この辺り、TVのナレーション風で)

友達母子と並んで席をとり、身を乗り出して観てたのだけど、これが小学校の劇だと思えないほど良い出来でびっくり。背景がすごいし、衣装も本格的だし、子供達も小さい子までバッチリ揃ってて。いっぱいいっぱい練習したんだなーと、じんわり胸があったかくなったよ。
今年は決まるのが遅かったとのことだったので、その分いろんなことが大変だったと思うのに。子供達は勿論、裏方の親御さん達に何より頭が下がったよ。

全部で6回行われた公演は、今日が最終日。終わった後、子供達が万歳したり抱きあったりしている後ろで、目頭に手を当てているお母さん達。こういう行事や役に携わることは、関わらない人の何倍もの苦労があるけれど、成功した時の喜びはさらに何倍なんだよね。

終わった後は、そのままジャスミンちゃん宅でのBBQにおじゃまする。
に・くーーっっ!!と未来の海賊王並みにかぶりついたビーフ、どれも味付けがバラエティに富んでて美味しいのなんのって。他に用意されていたお料理も、時間をいっぱいかけてくれてて、しかもそれがお母さんの手作りの食器に盛って供されているとなった日にはもうなんというか、とにかくここは地上の楽園。
更にアラスカのご友人から送られてきたというサーモンが、これまた絶品。一緒に入ってたムースのソーセージという珍味もあり。

何から何まで楽しいことづくめの一日の終わり、お嬢は友達宅にそのまま拉致されてお泊まりということになり、最高の締めくくりとなりました。(鬼)
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by senrufan | 2006-03-25 15:54 | Trackback | Comments(0)

時は否応なく

旦那の咳が止まらない。去年も一昨年もこの時期に風邪だった。
アレルギーではないかと思うのだが、本人は聞く耳持たず。

周りの人はさぞかし距離をおきたいだろうと思うと、いたたまれない気持ちになる。(さりげなく鬼)

* * * * *

【パン作り】
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応用コース、いよいよ大詰め。5回目の今日は、編みパンサニーレタスブレッド

編みパンの編み方、3通り教わったのだけど、これがどうやってメモに残したら良いか苦悩する。必死に絵らしきものを書いてはみたが、改めて見直してみたらアレだった。古代壁画の動物画。
せめて手がかりにと撮った写真。これは印刷してマニュアルに貼っておくべきか。

サニーレタスブレッドは、そのままレタスが入ってる。なのでパンの中身は淡い緑色で、春っぽくて嬉しくなる。上にのせたチーズが焦げて香ばしいよ。

残るはあと一回。上達した気ゼロのまま、最終回に突入する。(しくしく)
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by senrufan | 2006-03-24 12:19 | Trackback | Comments(4)

摂取と咀嚼と排出と

玄米というものは。
農薬を使った場合、残留量は白米の2倍以上。
しかし体外への排泄量は、白米の35倍以上。
という話を、大好きマクロビブログさんで拝読しました。

今日も無農薬玄米を食べています。これも一つのデトックス。

* * * * *

【料理】
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久々に料理。って、普段料理してないみたいじゃん。(力不足の反論)

お嬢が「アボカドが食べたい」とのリクエストをする。以前は苦手だったのに、食べられるようになったらしい。この前サラダに入ってたアボカドは探しまくって食べてたし。オーガニックのカリフォルニア産アボカドが売っていたので丁度良い。
とりあえず作ってみたのがアボカドとろろ丼。松田美智子さんのレシピより。

長芋を叩いて砕いたのと、すりおろしたのを用意する。出汁と卵黄と一緒によく混ぜ、一口大に切ったアボカドを入れる。温かい玄米ご飯の上にのせ、醤油をたらして出来上がり。至極簡単。

子供の頃はとろろが苦手だったんだ。口の周りがかゆくなるから。
それが今では大好物なんだから、ほんとに人の好みは面白いもんだ。
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by senrufan | 2006-03-22 12:18 | Trackback | Comments(4)

変化の受容は

誕生月には、幾つかのお店からディスカウントクーポンが送られてくる。期限は今月末。
せっかくだからと使えるお店をのぞいてみたものの、良い出会いがないなー。あってもサイズがないなー。クーポン勿体無い。

でも、お金を使わないのが実は一番得なんだな。なんて呟いてみる。

* * * * *

【レストラン】
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友人との今日のランチ。イタリアンかなーと思って入ってみたら、イタリアンかつ地中海料理だった。両者の線引きはどこにあるんだ。

カジュアルな雰囲気で、前菜、サラダ、ピザ、サンドイッチ、パスタなどなど。
その中からFocacchia Sandowichを注文。オリーブの入ったフォカッチアにトマトペーストを塗って、グリルしたキノコとナス、それにゴートチーズが挟んである。

出来立てで熱いうちはおいしかったのだけど、なぜかやたらゴートチーズの味がキツい。前にどこかで食べた山羊チーズは、こんなにおいしいもんなんだ!ハイジと同じ感激!と思ったぐらい好みだったのに、なんでだ。
大きかったので、半分は持ち帰り。途中でどう見てもイタリア~ン俺達ラザニ~アな団体さんが大挙していらっしゃってたよ。

持ち帰ったサンドを夕食に温めて食べたら、これが油が多くてクドくて途中で喉にこみ上げてくるものもあったりしちゃって、途中で断念。パン自体もオリーブオイルで焼いているはずだしなあ。
うーむ、年々油物に弱くなっていく。やはり年か。
これはアレか、内臓から枯れていってるってことなのか。

Babbo's Mediterranean Bistro
717 Stanford Shopping Ctr.
Palo Alto, CA 94304-1407
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by senrufan | 2006-03-21 13:14 | Trackback | Comments(0)

果てが見えない距離

チームジャパン、WBC決勝戦で強豪キューバに10-6で勝利。おめでとう世界一!!
色々感激することが多すぎて言葉にできない。

今日のハイスクールの日本語クラスの課題は、誰か一人、日本の有名人を取り上げてリサーチするというもの。
皆が知っている日本人の名前を挙げていく最初の方で、やはりイチローが出てくる。
「日本でどれぐらい人気なの?」と聞かれて、「彼は日本のヒーローよ」と胸を張って答える。
そんな答えができる活躍を続けてくれる彼に感謝。自分の行動や結果は自分一人のものではないということを知っている彼は、本当の意味でプロだと思う。

でも何より、そんなイチロー達が続く道を作ってくれた野茂に、一番の感謝を。

* * * * *

【読書】
b0059565_1251145.jpgロバート・B・パーカー著「晩秋」を読む。私立探偵スペンサーシリーズの18作目に当たる。以前に読んだ「初秋」の続編、10年後設定となっている。

「初秋」で知り合った少年ポールは、10年を経て今ではダンサーとして一人立ちしている。ポールと出会うきっかけを作ったのは彼の母親だが、最近連絡が取れなくなり、スペンサーとポールは彼女を探し始める。
探すうち、彼女はある男と行方をくらまし、しかもその男はギャングの金を持ち逃げしたことにより、追われる身になっていた。

「初秋」で見せた通り、ポールの母親のパティは、自他共に認める男性依存症。そんな彼女と横暴な父親の間に生まれたポールは、スペンサーが出会った頃は自閉症気味だった。スペンサーの”教育”により自分の道を見つけたポールだが、15年という年月を自分の中ではまだ完全に消化できず、カウンセラーに通い続けている。
そんな彼が、ようやく母親との関係に一つの結論を見出す。「初秋」の時と同様、ポールの成長物語という側面は大きい。しかし、他のパズルのピースも大きいものが揃っている。

子供が将来どういう人間になるか。本人の素質も勿論あるが、親の果たす役割は限りなく重要だ。(思わず俯きながら)
この本では、3通りの親子像が出てくる。ポールと両親、ギャングのボスであるジョウと息子のジェリイ、そしてスペンサーと父親である。
自分のことしか頭にない人間が、ポールのような子供を生み出す。過保護にしすぎた結果、ジェリイのような大人に育つ。そして男として、仲間として対等に扱われることで、スペンサーのような人間の基礎が築かれるのだ。
そこにはその親自身が、どういう背景を持つかという見えない鎖がある。意識するにしろ無意識にしろ、子供を育てることは自分の体験をもう一度振り返ることでもある。
完全でない人間が、完全でない人間を育てる。そんな不条理さの中で、それでも出来ることを探して暗中模索するのが、親という職業だ。

本書では、スペンサーがシリーズ上、初めて過去について語ったというピースもあるらしい。それはわずか3作しか読んでいない私には、何もコメントしようがないけれど。
この本を読むことで、親という役割を負った人間について、改めて重さと苦さを噛み締める。そしてそれは、そのままスペンサーという人間についての興味に繋がっていく。
きっといつか、彼の道のりを最初から追うことになるだろう。

戯言
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by senrufan | 2006-03-20 12:04 | Trackback | Comments(0)