共に大地に根を張って (後)

統計の日、冷凍食品の日、フラフープ記念日
初の政党自由党結成(1881年)
発明王エジソン没(1931年)
ミニの女王ツィッギー来日(1967年)

* * * * *

【イベント】
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ゲストスピーカーも多数、フードデモもバラエティに富んだ内容で、出席したいものが重なって、この時ほどニンジャだったら、と願ったことはありません。(分身の術)
それか、ドッペルゲンガー現象とか(やめとけ)(死に直結)

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結局、顔を出せたのは次の3つでした。
1. Cherie Soria:“The Raw Food Diet – It's a Revolution”
2. Dr. Alan Goldhamer, DC:“How to Avoid the Dangers of a Vegan Diet”
3. Shanta Nimbark Sachaaroff:“Indian Breadmaking”

このうち、Cherie Soriaさんのローフードについての講演を、なんとか記録しておきたく。

カリフォルニアにあるLiving Light Culinary Arts Instituteの設立者の一人であり、こちらでローフードの講師及びシェフを勤めていらっしゃるSoriaさん。
講演では、ご自分がローフードに辿り着いた経緯、及び、ローフードの魅力について、生き生きとした口調で語って下さいました。




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1. ローフードニストになった動機

私の家系は、皆細くて元気に見えるにも関わらず、後に心臓病やガン、糖尿病にかかる人間が多くおりました。
なので、私は若いうちから健康と食生活に深い関心を持ち、20代の初めからベジタリアンになることを選び、料理学校でベジタリアン料理を教えるようになったのです。
おかげで病気とは無縁な生活で、テニスやスキーといったスポーツを積極的に楽しみ、空手では黒帯をとったほど。

しかし、健康については学習を怠らず、常に「より良いもの」を探していたのですが、そんな時に出会ったのが、Ann Wigmoreの書いた、「Be Your Own Doctor」という本です。
彼女はこの本の中で、非加熱の植物性の食べ物だけで、いかに重病の患者を治していったか、について述べており、私自身は全く健康不安がなかったにも関わらず、彼女のやり方にすっかり魅了されてしまったのです。
そしてついには、Puerto Ricoの彼女のクリニックを訪れ、100%ローフードの生活を共に経験し、何人もの患者が回復するのをこの目で見たのでした。

その期間に私が感じたのは、ローフードの食事の美味しさや素晴しさと同時に、それを自宅で続けていくことの難しさでした。
そこで私は、美味しくてrawで、乳製品を使わないベジタリアン料理を、毎日人々に提供することに、自身を捧げていくことを決意したのです。
その時私は44歳で、ベジタリアン料理を教え始めてから、すでに20年がたっていました。


2. より良いローフードを求めて

Ann Wigmoreのところで体験したローフードは、美味しく栄養に溢れていて、肥満の人の体重を減らし、病気の人を健康にする効果がありました。
しかし施設を離れた後でも、この食事を続けていけなければ、彼らがまたもや以前と同じ道を歩むようになることは確実です。
誰もが気軽に楽しめる美味しいローフード料理を、今までの自分の経験を生かして創り上げる。それが私の目標でした。

実際この頃には、自分の食事はほぼローフードのみとなっていて、自分自身の変化も着実に実感しつつあった時期でした。
睡眠時間が短くてすむようになり、日中は活力に満ちて行動でき、髪は増えて強くなり、友人達には以前より更に生き生きと若くなった、と言われるようになったのです。
元々ベジタリアン生活を通して、健康上の問題はありませんでしたが、もっと深いところでこの世界と結びついたような、そんな変化を着実に感じていたのです。
そしてそれはそのまま新しい食文化、誰もが美味しいと満足するものを開発するための、強いエネルギーをもたらしました。

スムージーやナッツのパテ、グリーンスープは確かに美味しいものであるし、ローフードは十分なバラエティを持っています。
しかし人々が本当に求めるものは、自分が育ってきた過程で馴染んだ食べ物です。新しい食べ物がいくら美味しくても、戻る場所はそこなのです。

私は料理学校で、ローフードに興味のある生徒達を集めて、クラスを始めました。
そこで徹底的に教えるのは、料理のテクニックではなく、様々な味を自分の舌で味わい、判別できるようにするトレーニングです。

人々が馴染んだあの食べ物、その味わい。それらは、どのローフードの食材を使えば生み出すことができるのか。
その為に、何百もあるフレーバーを、各カテゴリーに分別し、そのフレーバーを舌に覚えこませる。そしてそれらのフレーバーを、どのように組み合わせれば、どのような味が生まれるか、を身体で学んでいきます。
加えて、いろんな食べ物を食べてみて、その内訳を舌で判別するトレーニングも必要です。
様々なフレーバーのバランスをとること、そして更に新しいフレーバーを生み出すこと。これがローフードメニューを創り出すベースになります。

人は、期待が満たされた時に、満足感を得るのです。
例えばハンバーガーと言われれば、無意識に自分が馴染んできたハンバーガーの味を期待します。そして実際に口にした時、その期待と合った味を得られれば、大きな満足を感じます。
ローフードを人々の間に浸透させていくために、この「期待」に応えられる美味しさを実現させられれば、大きな成功に繋がるのです。


3. ローフード生活のアドバイス

ローフード生活に切り替えることで、以下のような効果が期待できます。

 ・健康状態が改善される
 ・多すぎた体重は減少し、適正体重を維持できる
 ・エネルギー、スタミナ、バイタリティが増加する
 ・睡眠時間が短くてすむようになる
 ・アレルギーや風邪、インフルエンザなどに罹りにくくなる
 ・積極性が生まれる
 ・消化が良くなる
 ・疾病予防効果
 ・習慣性のあるものと距離を置けるようになる
 ・動物と環境の保護

100%ローフード生活を目指す必要はありません。加熱することで効果が高まる栄養素もありますし、加熱食にもすばらしいメニューが目白押しですから。
無理のない範囲でローフード食の割合を増やし、自分の身体の変化を感じ、それが良い方向であれば、徐々に増やしていけばいいのです。

病気を治す為には、原因となっているものを取り除くことです。
ガン細胞は、酸化した土壌で育ちます。なので、身体をアルカリ性に傾ける、植物性の栄養素が有効です。
ガン細胞に対抗するフィトケミカル(phytochemical)は、熱に弱い性質である為、焼いたり揚げたりすることは避け、蒸すか茹でる方が望ましく、それも水が沸騰する以下の温度で調理することを薦めます。

朝食に、熟した果物を摂るのは良いのですが、果物だけでは繊維が足りませんし、糖分過多になるので、必ず何らかの緑の野菜を入れましょう。
ジュースにするなら、きゅうりやレタスなどの水分の多い野菜をベースにして、ケールなどの栄養豊富な緑を加えると良いでしょう。
それにレモンやアボカド、ナッツなどを足せば、より多くのカルシウムやたんぱく質を摂ることができます。

何かを毎日、21日間続ければ、それは習慣となります。そして、身体の変化を確実に実感できるでしょう。
貴女がより早い変化を望むのであれば、砂糖と脂肪分を断つことが重要です。


4. 最後に

ローフード生活は大変、と思われがちですが、むしろ反対です。
調理をしないこと、動物性の食べ物を使わないことで、洗い物が少なく、洗うのもとても楽なのです。
そして動物や環境にも優しいとなれば、変えずにいられないとは思いませんか?

食べる為に生きる(Live to Eat)のではなく、生きる為に食べる(Eat to Live)のです。
人に押し付けることなく、食事を楽しみ、人がどの過程にいようと、受け入れられるように。

ネガティブな思いで料理したものは、それを食べる人までネガティブに変えます。
励まし(encourage)癒し(healing)と共に、愛(love)を料理に込めましょう。
それこそが、人生の必要栄養素です。
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講演してくださったCherie Soriaさん、なんと御歳は還暦過ぎ。どう見ても、せいぜい50代前半では。
自然にまかせて白髪もそのままよ、と笑っていらっしゃいましたが、スレンダーな身体から発せられる若々しさは、立っているだけですでに、ローフードの見事な広告塔、でいらっしゃいます。

Cherieさんがローフードのクラスを始められたのは、1997年だそうですが、彼女自身が驚いたことに、世界の様々な国から、次々と生徒が集まってこられるそうで。アメリカ全土を始めとして、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアにニュージーランド、更にはグリーンランドやアイスランド、サウジアラビアや南アフリカに至るまで。
そうやってCherieさんの下に集った生徒達は、母国に帰った後、ヴィーガン・ローフードのレストランを開いたり、本を書いたりしているとのこと。
中でも特に多いのが、なんと日本から、なんだそうで。皆さん、とても熱心に学んでいかれることに、常に感銘を受けている、とおっしゃっていました。びば、じゃぱん。

そうやって学ばれた日本人の方が、日本に帰って広めてくださって。本を書いたり、惜しみなくオンラインで発信してくださることで、私のような在米の田舎者まで、逆輸入で大変な恩恵にあずかることができていること、心から感謝せずにはいられません。つか、アメリカにいるんだから、なんか役に立ちやがれ、ってなもんでございます……(国辱モノ)

Cherieさんご自身は、100%ローフード食ではなく、せいぜい80%ぐらいだそう。外食や友人達の食事も、ローフードでなくとも、機会があれば存分に楽しまれているそうです。
栄養が、とか、環境が、とか。間違いなく、どれも大事なファクターでありますが。
ヴィーガンやローフード、マクロビオティックを選ぶのは、まずはそれが美味しいと感じるから。身体が嬉しいと感じるから。
そうであってこそ続けていけるものであることを、忘れてはいけない、と思うのです。


Soriaさんの著書 : 「Angel Foods:Healthy Recipes for Heavenly Bodies」
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by senrufan | 2008-10-18 10:40 | Trackback | Comments(8)
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Commented by peartree22 at 2008-10-20 16:15
>つか、アメリカにいるんだから、なんか役に立ちやがれ、ってなもんでございます……(国辱モノ)

って、何をおっしゃるMiyukiさーーーーん!
充分にいろんなベジ食やローフード、マクロビなど多岐に渡ったご自身の経験談を惜しみなくブログで教えてくださっているではありませんか!
今回も公演のポイントを抑えたレポートの分かりやすさといったら!
本当にありがとうございますと拝まずにはいられません。
(って、こうしてありがたく聞いても、実際にそれをわが身の肥やしにできるかどうかが疑問ってところが、申し訳ないのですが・・・)

この先生の教室通ってみたいですね。いろんなフレーバーの中から自分のなじんだ味を見つける、というのは自分のルーツを探るということに似ているかもしれませんね。自分ではまだ気付いていない潜在的な味を知ることも出来そうだし。
私のベジ生活は遅々としたものなので挫折の多い道のりなのですが、Miyukiさんのように探究心を忘れずに、少しでも自分の味を見つけていけたらなぁとまたやる気が出てきました。
Commented by マミィ at 2008-10-20 17:53 x
私もMiyukiさんを拝まずにはいられません。その会場へ行かずにしてこんなに内容の濃い講演を読んで知ることができるのですもの。感謝。

>ネガティブな思いで料理したものは、それを食べる人までネガティブに変えます。

本当にその通りでしょうね。ポジティブ・シンキング。料理だけでなく、何をするにもポジティブに取り組むことによってそこに不思議なパワーが発する・・・そう信じています。私の場合は「ポジティブ」の度を越えて「脳天気」と言った方が良さそうですが(笑)
Commented by mifamilia at 2008-10-20 20:33
Miyukiさん、丁寧なレポートどうもありがとうございます♪

とっても参考になりました。
自分も講座に参加できたみたいで、得した気分です。

Ann Wigmoreさんの本も読んでみたくなった~

以下のような効果があらわれますという箇所は、わたしもローフードを取り入れるようになっていくつかとても実感しています。 だからこそ、非常に魅せられるものがあります。 
Commented by Miyuki at 2008-10-21 08:41 x
*ちゃんさま
いえいえ、私はただただ人様の作られたものを、自分の好みに照らしてだけ、あーだこーだと勝手に言ってるだけなので……やっぱり何かを「創る」ことができる方は、本当にすごいと思います。なので結論としては、ちゃんさまの料理やお菓子レポートが、どれほどありがたいか、という話なのでございます~~(死んでこい)(単なるおねだり)

私も、一度この先生の教室を見てみたいなあ、と思いました。味オンチの私には到底ついていけないでしょうから、せめて現場の空気を吸ってみたい!(笑)
私こそ、進まないどころか、何度も後退してますよ~。でもそんな人体実験を繰り返して、この先何十年もベジライフと付き合っていけたらいいな、と思うのです。
Commented by Miyuki at 2008-10-21 08:43 x
*マミィさん
私こそ、マミィさんの散歩日記を拝読するたび、その場にいなくても海風の香りを嗅いだり、山羊や羊に挨拶したり、と楽しむことができてるのですよ~。いつも拝みっぱなしでございますvv

ポジティブシンキング、上等。脳天気、最高。なかなか突き抜けられない人間にとっては、憧れの境地でございまする。(きっぱり)
Commented by Miyuki at 2008-10-21 08:52 x
*るしあままさん
うう、ぜひこちらにいらして聞いていただきたかったです~! るしあままさんなら、絶対この数倍を理解されたはず。(信頼) そして日本に持ち帰られて、皆さんに発信していかれることと!

食生活を変えるのは大変ですが、そうやって良い変化を実感できた時は、本当にやってよかったと励まされますよね! るしあままさんの変化だけでなく、実はお嬢さまの変化も楽しみにさせていただいております。周囲にいるアトピーや偏食のひどい子供達に、マクロビやローフードがなにかいい手助けにならないかなあ、と考えているこの頃です。
Commented by nikkeilife at 2008-10-21 11:54
Miyukiさん
素晴らしい記憶力ですね。いつも具体的な講演や展示のレポート有り難うございます。増々ローフードに興味が湧いてきました。

>しかし人々が本当に求めるものは、自分が育ってきた過程で馴染んだ食べ物です。
こういう風に悟って下さって本当に有り難いです。アメリカのベジタリアン料理本など数冊持っているのですがあまり作る威力が湧きませんでした。やっぱり馴染みの無い味ばっかりだったんだからですね。マクロビの料理本に出会ってやっと玄米菜食が楽しい、おいしい、と思えてきたこの頃です。

>何かを毎日、21日間続ければ、それは習慣となります。
ウーン、21日間ってちょっとハードル高いような。何を隠そう(隠してないけど)3日坊主です。自慢するなって-->自分
まあ、一日づつやって行けばいいんですよね。
Commented by Miyuki at 2008-10-21 12:54 x
*アヤコさん
いえいえとんでもない、私の記憶力はインコ以下でございまして。なので、こおゆう時はがしがしメモをとりまくり。でもって、その字が汚すぎて読めないという……(涙)

そうそう、私もこちらの食材と調理に興味はあるのですが、リピートして創る確率が低いような気がするんですよね。基本はご飯と味噌汁、これだろう!みたいな!(笑) やっぱり日本のレシピが合ってるなあ、と思うです。

私は最高、3分坊主だったことがあります。(真顔) そうそう、1時間ずつやっていけばいいんですよね!(殴) なんつって、ちみっと真面目なことを申しますと、10日で血液が入れ替わるので、まずはそこまで続けられれば第一段階クリアです♪


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