お嬢をキャンプに迎えに行くと、「こっちに来て見て!」と私の手を引っ張って、2階のテラスに連れて行く。
そこには机の上に幾つかの丸っこい張り子が並んで乾かされていた。
先生によると、明後日あたりに色を塗って、だるまを仕上げる予定なのだとか。
おお、新聞紙そのままでも、コロコロと可愛いじゃないか。
で、お嬢のはどれだと聞いたら、一番端っこのものを得意そうに指す。
……それって、まねき猫じゃん。
「色を塗って、これを持たせるの!」と嬉しそうに見せてくれたのは、金色の折り紙と厚紙で作った小判。
マジックで黒々と書かれた文字は、”辛福”。
頼むから、不幸をまねくものは作るな。
間違った日本文化を広めるな。