好きこそ物の上手なれ

総理府設置記念日、郵政省設置記念日、世界禁煙デー
豪華客船タイタニック号が進水(1911年)
東ドイツが東西ベルリン間の境界線を封鎖(1952年)
ペルー北部で大地震、死者7万1000人(1970年)


ベルリン・フィルの本拠地で火災 演奏予定に影響か

しばらく前のニュースでございますが。
こと芸術に関して、ナンチャッテ・ドイツ贔屓な私にはやはり、うおっ!?と慌てるニュースでございました。
楽器は、楽譜は、いろんな備品は。
いまだベルリン・フィルの重厚サウンドに憧れているだけでなく、失ったら取り戻せない数々のものを思うと、心は騒いでしまうです。

大変みーはーであることは重々承知で、一度でいいからベルリン・フィルの生のコンサートで、あの音を自分の耳で聴けたなら、と思っているのです。夢だけはいつもこの胸に(殴)

* * * * *

【イベント】
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地元市のオーケストラのコンサートのお知らせを見たので、お手軽でいーじゃん、とばかりに、行ってみることにしたのです。食材だけでなく、娯楽まで地元志向の昨今。

旦那がいる週末でしたが、ジャズ以外のコンサートでは爆睡する可能性大の彼なので、お嬢と私の2人で行くべく、チケット予約は2枚です。


コンサートが始まる前から爆睡し、1曲目でリズムをとってるのかと思いきや、はっきりと船をこぎまくっていたのはお嬢でした。
……年度末が近づいて、ファイナルの準備とプロジェクト締め切りと宿題とで、前夜寝たのが1時過ぎだったのでございます。




さて、Family Concertと名をうたれた今回の催し。その名にふさわしく、演奏曲目が大変メジャーなものばかり。
1. Celebration Overture (Lee Actor)
2. Symphony No.9 (Ludwig van Beethoven)
      Ⅱ. Molto vivace
3. Prelude to Die Meistersinger (Richard Wagner)
4. Symphony No.2 (Johannes Brahms)
      Ⅳ. Allegro con spirito
5. Symphony No.5 (Pyotr Ilyich Tchaikovsky)
      Ⅳ. Andante maestoso - Allegro vivace

1曲目は今回の指揮者が作曲したもので、これはさらっと無視するとして(ひとでなし)、

ベト9(きゅう)だー、マイスタだー、ブラ2(に)もだー、チャイ5(ご)までー

と、思わずコーフンするラインナップ。
あ、この略称は、大学オケで使ってたオケ用語です。残念ながら、国際標準ではありません。(当たり前だ)

標準といえば日本では、作曲家の名前は原語のカタカナ発音だし、音の名前はイタリア語。音楽教育ではドイツ語使用。
ところが米国では、原語をあくまで英語読み。バッハはバックだし、音もツェー(ド)、デー(レ)、エー(ミ)じゃなく、シー、ディー、イー。
こおゆうところにも、どんな国でも米語で通そうとする米国の傲慢さが、と、偏見いっぱいの不満を抱いております。単に自分が馴染んだものを崩せない、年寄りの八つ当たりなんですがね。


という脱線は、思いっきり遠くに置いといて。
とにかく、クラシック界の大ポピュラーソングばっか。演歌でいうと「舟歌」とか「北の宿」レベル。待ってました!なんて掛け声がかかったっておかしくない。
しかも、そのサビの部分のみの抜粋なので、これは確かにご家族向けには、なかなかよろしいものですな。


開催場所は、近所のカレッジ分校内の小さなホール。お客さんは満員状態。
舞台がとても身近で、全体に和気藹々、といったムードで、心地よくくつろげる雰囲気が良いのです。

メンバー表に目を通したら、日本人と思われる名前がちらほらと。特にコンサートマスターが日本人でいらっしゃったことは、嬉しい驚き。
スタンフォード大学がある市なので、日本からの留学・短期滞在の方も多いのですよね。学生から企業、研究職に至るまで。
もしかしてそういう方達なのかしら、と思わず顔がほころんでしまいます。

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ほのぼのとした雰囲気の中で始まったコンサート。
下こそ黒で統一されているものの、基本的に思い思いの服装の団員達が奏でる演奏は、なかなか楽しいものでした。

確かに、う、と思うミスや音はずしも色々ありましたが。
クラシック、というだけで、ついつい肩にハンガーが入ったごとくに緊張してしまう、とか、有名=すさまじいチケット代だとか、そんな日本のクラシックから入ったせいでしょうか。
こういう規模で、こういう雰囲気でクラシックが気軽に楽しめる、ということ自体に価値を見出してしまいがちなのです。

ここの学区では、小学校の4年生からリコーダー、5年生からは各自好きな管弦楽器を1つ選んで、望めばそのまま高校卒業まで、選択授業として教育が受けられる仕組み。
楽器は学校のレンタルもあるし、家計が苦しければ補助もあり。日本の学校の音楽の授業より、ずっと楽器というものが身近なのですね。

そして日本の音楽教育は、なかなかシビアな面も多く。その分、レベルも高いわけですが。
小さい頃からピアノを習い、中学~大学まで吹奏楽とオーケストラをやってきた私が、この間に抱き続けた音楽に対する感情は、随分とフクザツなものでした。
や、音楽自体はとても好きなのですが、知識や技術が伴ってないと許されないような、あの独得の雰囲気。ハードな練習が当たり前の、あの無言のプレッシャー。
これらとの葛藤は、音楽を高次元で学ぶ人達にとっては望ましい環境ですが、私のように万年素人を自認する人間には、なかなかツラい面もあったのです。

なので、こちらの音楽の授業に、最初ははっきり言って腰がくだけたのでありまして。お嬢のバンドのコンサートに行って、呆然、という演奏も多々聴きました。
基礎練って言葉を知ってるかい? 何度この言葉が口をついて出そうになったことか。

しかし、いつもその数分後には、これでいいよなあ、と思うのです。
まずは裾野が広がること。クラシックとか何とか関係なく、ただ音楽に親しむ子供達が増えること。
そして、その中で真剣にやりたい子が出てきたら、その先に進む手助けをすること。実際この学区では、音楽教育奨学金があり、年に1~2回募集されます。
日本とこちらを比べて、果たしてどちらが「音楽好きな人」の人口比が高くなることでしょう。


このコンサートの最後の曲で、指揮者は子供達に向かって、
「どうぞ、ステージに上がってきてください」
と呼びかけました。
たちまち子供や付き添いの親御さんが殺到し、しばしわいわいと騒いだ後、足元に沢山の子供達を従えながら、チャイコフスキーの5番が始まります。

舞台の指揮者の真ん前で、ずっとポーズをつけて座っていた美少女。途中で泣き出した男の子。音楽に合わせて、身体を揺らしていた兄弟。
楽譜も、楽器も、クラシックも。こんなにそばに在るのが当たり前。
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メジャーな曲は盛り上がりが大きい分、体力を消耗するので、実は今日は我々にとっては、とても疲れるコンサートなのです、と最初に笑いながら挨拶された、指揮者のActor氏。
足元に子供達がいることで、随分とやりにくかったことと想像するのですが、最後は見事な迫力の演奏を聴かせてくれて、観客の大きな拍手で終了しました。


いつまでも、いつまでも、音楽が栄えているといいですね。


Palo Alto Philharmonic
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by senrufan | 2008-05-31 10:07 | Trackback | Comments(12)
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Commented by まきりん♪ at 2008-06-02 13:39 x
和気藹々としたオケのコンサート、北米らしいですね。
日本でクラッシックのコンサート鑑賞というと緊張していましたが、こちらは普段着の人もいるくらい。
えっそれはカナダだけ?
Commented by Chico at 2008-06-02 14:01 x
うちの主人、かなりのクラッシック通でクラッシック大好きなのです。日本だったら根暗とかオタクのおじさんと毛嫌いされるでしょう。(笑)(クラッシック好きの男性って、日本ではそんな風に言われてますよね?)
日本だと、音楽にしろ、スポーツにしろ、気軽に楽しむという感じがしませんね。
お国柄の違いを感じます。
Commented by マミィ at 2008-06-02 14:45 x
気軽に行けて誰にも馴染みのある曲で楽しませてもらえるクラッシック・コンサート、いいですねぇ。

とはいえ、クラッシックには何しろ縁遠い自分であります。なぜかと分析すると、やはりそれは歯医者のせいに違いなく。歯医者へ行くとリラックスのためにいつもかかっていたクラッシック・・・これで敬遠しないはずはなく。それに日本では「小さい頃からピアノをやっていないとクラッシックなど無理無理」というイメージがありましたな。YAMAHA音楽教室中退の身では踏み入れることのできない聖地のような、そんな遠い存在でした。

アメリカならば小さなホールを手ごろな値段で借りられるなどということもありそうな。Miyuki母娘+お友達の楽しいファミリー・コンサートを夢見る朝。
Commented by frogfreak at 2008-06-02 15:31
随分カジュアルな服装で演奏されるんだんなぁ、って思ったら、お子さんたちを舞台に上げちゃうなんてニクイ演出。黒装束相手より子供たちも身近に感じられて良いのかもしれませんね。
MIYUKIさんはオケをやっていたんですか、かっこいーー!
私はピアノをバイエルで挫折したクチ。(どうやって、バイエルで挫折できるんだって、いわれる。)
最近はのだめの影響でクラシックを意識して聞くようになったけど、思い起こせば父が大好きで、小さい頃から知らず知らずに一杯聞いて育ってた。日本ってTVのCMで一杯、クラシックを使うでしょ。だから結構、日本人ってクラシックとかオペラの有名どころは聞いたことがあるんですよね。うちの旦那は驚くほど知らないんです。Palo Alto育ちじゃないしなぁ。苦笑
Commented by すれっぢ at 2008-06-02 22:39 x
北米のスタンス・・・なんでも楽しくなきゃ意味がない。って感じるの
ですが。これ、私は結構合ってます。

日本・・・やるからには技術と精神的な成長を求める。それができない
やつはやる資格なし。まさに「巨人の☆」血の~汗~流せ~、涙~を
ふくな~♪  わたしついていけません。

Commented by ayumin_moo at 2008-06-03 09:14
アットホームで心温まるコンサートですね。曲も有名どころが揃っていて飽きることもなさそう。(笑)
クラッシックを聞くと眠くなると言う人が多いですが、クラッシックは癒しの効果が高いので、眠くなって正解なんだそうですよ。ご主人とお嬢様の反応はきっと正しい!そして、コンサートのの本番中に寝た人物がここに。。。あ、一瞬ですよ、一瞬。(多分)第2バイオリンという、複数&ソロ無しのポジションだからできたことですね。(反省)
Commented by Miyuki at 2008-06-03 09:49 x
*まきりんさん
その「普段着」というのは、観客の方ですか? それとも演奏者? や、私、この日はジーンズとスウェットだったのですけど(爆)
服装も、オッシャレー、から、スーパーと間違えてないか、という人まで色々いて、でもどのタイプでも偏見の目で見られないのが、北米の嬉しいところですな♪
Commented by Miyuki at 2008-06-03 09:52 x
*Chicoさん
なんと旦那様、かっこいいじゃないですかー! ゴルフのプロで、更に音楽までなんて、憧れます~♪ 日本の若いモンの言葉なんか無視、無視!(笑) じゃあ、お二人でコンサートに行かれたりもされますか? もしお薦めのがあったら、教えて下さいませ~。
お国柄の差、ほんとですねえ。何年いても、いまだに実感することばかりです。
Commented by Miyuki at 2008-06-03 09:54 x
*マミィさん
なははは、そらあトラウマってやつですか! それとも刷り込みってヤツですか! でも、あの敷居の高さは一体ナンなんでしょうねえ。むしろ内部に入ってみると、社会的には問題児も多かったですよ、これほんと(笑)

私は楽器を大学卒業と同時にやめたのですけど、こちらに来て、何度もそれは後悔しましたです。続けていれば、今頃はもっと輪が広がったのになあ、って。仕方がないことですけどねえ。
Commented by Miyuki at 2008-06-03 09:57 x
*frogfreakさん
そう、心ニクイ演出、バッチリでしたよ~♪
や、かっこよくはないのです、ほんと(大汗) むしろ私こそ、早くバイエル辺りで引き返しておけば、親にあんなに無駄金を使わせずにすんだものを……っ!(ハンカチを噛みしめる)
ご家庭で普通に流れてる、というのが、実は一番いいクラシックとの馴染み方だと思うです。お父様、素敵♪ で、そうそう、こちらの人って本にしても音楽にしても、知らない人はほんとーーに知らないですよね! 逆に言えば、自分の好きなことに邁進できる、ということかしら? だったらそれはそれで意味があるなあ、とも思うですが。
Commented by Miyuki at 2008-06-03 10:01 x
*すれっぢさん
うん、すれっぢさんはこちら向き! カナダに行かれて正解(笑)
でも同時に、すれっぢさんのような方こそ、日本で活躍してほしいなー、とも思ったり。

日本もだいぶ変わってきているのだとは思うんですが、その「楽しくなきゃ」に、「責任」がついてくるのだ、というところははずされていっているような気がして。私@旧人類でも、別な意味で今の日本にはついていけないかもです……
Commented by Miyuki at 2008-06-03 10:04 x
*ayuminさん
はい、全く飽きないコンサートでした! ずっと身体がノリっぱなしで(笑)
ええっ、そうか、そういう見方もあるのですね~。じゃあ、私の隣のおばあちゃんも正しかったのか(彼女も爆酔してました)
あ、私もさすがに本番はなかったですが、練習中に寝たことあります。しかもオーボエの1st・ソロありで(爆) や、合宿中だったもんで……毎晩騒ぎまくってたし……


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