尽きず溢れる色彩の

Dia de la Raza (south America)
Our Lady Aparecida (Brazil)
Discovery Day (Bahamas)
Americas' Day (Urguay)


モネ作品損傷で若い男女5人拘束

少々前のニュースですが。
最初に知った時、自分でも驚くほどのショックだったので。

美、というものに些かでも畏敬の念があったなら。
創作、ということの尊さに、わずかながらでも意識を持っていたら。
例え酔った勢いでも、こういうことができたものかなあ、と思ってしまうわけで。


好みかどうかは関係なく、こうやって世界に美しさを加えてくれる人達に、常に感謝せずにいられない私にとっては、とても悲しい出来事でございました。

* * * * *

【イベント】
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キルト。ヨーロッパで生まれ、アメリカで育った、布の芸術。
作品を手で仕上げるか、ミシンを使うか、アップリケやデザインの技法、等々の差はあれど、仕上がった1枚はすでに絵画の域。



そんな中でも選りすぐりの作品が展示される、Pacific International Quilt Festival XVI
西海岸では最大の、全米でも第二の規模のキルトのお祭りが、近隣のコンベンションセンターにて、木~日の4日間の日程で開かれた。

自宅でキルトクラスを開いている友達。宝物のバッグをくれた大事な彼女。
彼女の応募作品が見事に写真書類審査を通過し、フェスティバルにて展示されるという快挙を成し遂げて。彼女を大好きな周りの人達を、改めて誇らしい気持ちでいっぱいにしてくれたんだよ。

このフェスティバルには、更に沢山のクラフトショップのブースも出店されるとのことなので、ちょうど学校が休みだったお嬢と一緒に、朝から降る雨にもなんのその、喜び勇んで行ってきたよ。


入場するにはチケットが必要。それはただの紙切れではなく、リストバンドとして手首に巻かれるタイプ。これはフェスティバルの開催中、ずっと有効なので、4日間毎日通うこともできるんだね。
「耐水性だからつけっぱなしで大丈夫だよ」と言ったのは、手首に巻いてくれた係員のお兄さん。

そしてドアをくぐって目を瞠る。広い広いその会場は、色と人の洪水だった

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一応パンフレットはあるのだけど。出品者の名前と作品番号のリストはあるのだけど。
広すぎて多すぎて、それが一体どこにあるかがわからない。(呆然)

なんて最初は慌てたけど、作品をチェックし始めると、たちまち惹きつけられちゃって。
ええーっ、だの、うわあ、だの、私達の口から上がるのは、ただ言葉にならない歓声ばかり。オズの国に初めて行ったら、こんな感じかもしれない。
はっと気づいたら、喉も目も乾いてて。そりゃそうだ、目を見開きっ放しの口開けっ放しで歩いているんだもん。(マヌケ面)

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展示は幾つかのカテゴリーに分けられていてね。
Quilt CompetitionではInnovative・Traditional・Wall Quilt。
それからインターナショナルエリアでは、世界の幾つかの国々からの出典。英国・スペイン・豪州・ニュージーランドなどなど。日本もあって、その肌理細やかな作品にはため息しきり。
The California Fiber Artistsからの作品群。幾つかのキルターギルドからの出品。デジタル写真を取り込んで作るデジタル・キルトなど、見ているこちらからはどれもすごい!としか言えない(要は良くわかってない)(……)キルト、キルト、キルトの大波小波。
Wearable Artと名づけられた、洋服部門もあったなあ。

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そして各部門ごと、審査員により選ばれた1~3位の作品、または審査員賞の受賞作品には、横にリボンがつけられて展示。
でもリボンがついていようがいまいが、とにかくどれもアートのアートで、できるものなら、洩れなく全作品の写真を撮ってきたかった。

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そしてInnovativeの部門の中、他の作品とくっきりと色彩の違う、彼女の作品があったんだ。
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Japanese Ribbonと名づけられた、お母様と叔母様の着物地を使っての大胆な構図。でも着物地の醸し出す柔らかさが、なんともいえない情緒を出してて。
梅の花のようなアップリケには、小さなビーズで細かく縁取り。背景の白地に、彼女の手による丁寧なキルティング。

少し前に、やっぱりお母様の長襦袢を使ったという、素敵なランプと額の作品をブログで見せてもらったことを思い出す。(by Mミィさま)
日本人でなければ着物地を上手くアートに使えない、なんてことは一回も思ったことはないし、むしろ他国の人が、私が考えもしなかった鮮やかな面を創り出した作品を見たりした時は、驚きと感激の入り混じった気持ちを抱くのみで。

それでも何か、何というか。私が通常イメージするところの、着物というものへの憧憬や奥床しさを、そのまま優しくさり気なく表現していてくれているのは、やはり日本という共通の土壌があるからか、と思わずにはいられなくて。
母国で育ってないお嬢でも、私次第ではこういう情緒を持たせることはできるのかもと、ほんわり広がる、文化という地面に抱く感情。

アートとは、創り手自身を表すものだから。たまたま彼女達がこういうものを内に持っている人達である、ということは承知の上で、どこかに母国の面影を探してしまう、そんな自分を見る瞬間。
「日本では」「アメリカ人だから」とか、国籍や住んでいるエリアでのカテゴリー化は苦手だけど、こういう時は探してしまう、自分の感情の理由と背景。



お店のブースも盛り沢山で、ボタンや針の小物から、ジャノメやブラザーのミシンまで。時間の余裕をもって来たのに、気づけばもうお嬢のスイミングにぎりぎりの時間で。
これは絶対もう一回来ずばなるまい、とお嬢と約束してたのに、リストタグもちゃんと保管しておいたのに。そのお嬢の色々のおかげで、結局念願は叶わず、たった一回の逢瀬で終わっちゃった。(がっくりと肩を落として)

4日間で、あの”結び”の作品の前に立った人は、一体どれぐらいいたかなあ。
その沢山の人の中で、私と同じ感情を持った人も、もしかして一人ぐらいはいたかなあ。

こういうものを目にした時に、たまらなく沸いてくるものは、この世界に「色」を加えてくれる人達への、純粋な感謝の念に他ならない。

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by senrufan | 2007-10-12 12:53 | Trackback | Comments(12)
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Commented by まきりん♪ at 2007-10-16 13:59 x
キルトは芸術のひとつの形だと感じます。

これだけの規模のキルトの祭典だったら、コンベンションセンターでも「色と人の洪水」に見舞われるでしょうね。

カナダでもキルトは根強い人気があって、「おばあちゃんのアート作品」って感じでモダンな題材でもなにやら懐かしい風合いなのが魅力ですね。
Commented by マミィ at 2007-10-16 15:46 x
おぉぉ!お友達のキルト、素晴らしい!大胆な構図ながら「私、私!」と前に出ようと主張するのではなく、「よろしければ見てくださいな」と謙虚に皆の目を待つ、そんなかんじのする作品。そして一旦目をやるとその緻密な作業に思わず目を見張ってしまう・・・。副題に「脳ある鷹は爪を隠す」とつけたくなっちゃいますな。ブラボー!!!
Commented by shina_pooh_at_sfo at 2007-10-16 16:31
別の方のブログ(vivid memoriesさん)でこのキルトを拝見してて、「ほわぁぁぁ・・・」と見惚れていたら、なんとバッグを下さったその方でしたか!やはりベイエリアは狭い。。

Miyukiさんのおっしゃるとおり、むしろ他国の方のほうが面白い観点で日本の伝統をアートに取り入れてて驚かされますが、日本人が日本の文化に向かい合うのは、逆にちょっとした勇気がいることなのかもしれないなぁと思ったり。他国の人より真髄を表現できて当然、みたいな前提の足かせがありますからね。それを見事上回る素敵な作品。キルト、、、やはり初めてみるべきか。。
Commented by mikamika at 2007-10-16 22:26 x
えへへ、Miyukiさんの華麗なる文章で、私のキルトもお化粧してもらったみたいで照れくさいわぁ。。。
見に行ってくださって本当にありがとう。
会場も広いけれど、人は多いし、あっちこっちでぶつかってバウンス(←意味深長)するしで思うように動けないから時間もかかってしまうのよね。
4日間通ったのに、Miyukiさんの写真の中には見たことないキルトもある!またも楽しめました。
ありがとう。
Commented by すれっぢ at 2007-10-16 22:50 x
元は実用品だったものが、どんどん芸術となっていく、いい例でしょうか?
写真のを見ていると、作るのにどれだけ時間掛かったのか・・・その忍耐力ってすごいですよね。やればできるじゃん、北米人(笑)

キルトの洋服、暖かそうですが洗えるんですかねー。誰も着ないって。(笑)
Commented by Miyuki at 2007-10-17 12:24 x
*まきりんさん
そですね、私は布というもの自体が好きなので、おっしゃる通り、前衛的な中にも温かさを失わないキルトが大好きです♪
Commented by Miyuki at 2007-10-17 12:30 x
*マミィさん
きゃー、さっすが姉さま、すんばらしい描写と的確なお言葉!! それですそれです、私の思うところを120%表して下さって嬉しいー! 彼女がほんとにその言葉通りの人でして。すごい美人で何でもできるのに、ひけらかしのひの字もない人なんですよ~。だからますます皆に好かれるという、素敵な人なんですvv
マミィさんといい、彼女といい、世の中いっぱい持ってる女性が多いなあ。(しみじみ)
Commented by Miyuki at 2007-10-17 12:35 x
*shinaさん
おお、あの美しさで有名なびびっどさん! 私は残念ながら面識がないのですが、共通の友人が数人いるらしいのですよ~。ほんと、ベイエリアは狭い(笑)

日本人が、うんうん、それはとても鋭いご指摘と思うです。そして逆にかなり着物に馴染みのある人ほど、空気と同じようで、かえって大胆にいかなかったりね。そういう意味でも、ますます彼女の作品はすばらしいですよねえ♪ 始めませんか、彼女のクラスで? 彼女手作りのお菓子も時々出るらしいですよ~(誘惑)
Commented by Miyuki at 2007-10-17 12:39 x
*みかしゃ~ん!
ありがとうは私のセリフだよお~。あんなに素敵なものを見せてくれて、眼福・至福の時を本当にありがとう!! あれだけのキルティング、しかもハンドキルト、すっごく時間がかかっただろうねえ。そんな労作を見せてもらえるなんて、これを幸せと言わずに何と言う、だわ。嬉しかった&楽しかったーvv ほんとにお疲れ様でした! でも次がすでに待ち遠しいよん♪
Commented by Miyuki at 2007-10-17 12:45 x
*すれっぢさん
ほんとにその通り、発展工芸の最たるものですねえ。航空機もそれに入りますか?(笑)
これらの作品は数年がかりというのが多いそうで、思わず拝みながら見せてもらいました。でも大半がミシン使用だったのに、日本の人の作品は手縫いがほとんどで、思わず土下座しながら見せてもらって(嘘)

あ、私と同じことを考えた人がいた! 「うーん、一回も着れない」と思って鑑賞したです(笑)
Commented by peartree22 at 2007-10-18 12:16
また違う角度でmikamikaさんの作品が見れた幸せ、ありがとうございます。そして、キルト展のいろんな作品も圧巻ですね。
キルトは大草原の小さな家であこがれて、いつか私も・・・と思いつつ、手を出せなかった分野です(笑)。
Commented by senrufan at 2007-10-18 12:41
*ちゃんさま
いやいや、ほんとにこの時は、もっといいカメラがあれば!と地団駄踏みました(笑) どのキルトももう……と、声が出なくなるものばかりでしたよ。
大草原の、ああっ、そうでしたね~! 久しぶりにひっぱり出して読みたくなりました♪


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