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新・子供進化論

Day os Showa(昭和の日) (Japan)


読書ブログ更新 : 「移動都市」

SFを一番読んだのは学生時代。古典SFから始まって、どんどん深みにはまり、最後はハードSFと言われる、やたら小難しく複雑怪奇なものを読んでいました。

そもそも数学と物理が天敵、と胸を張る私が、そんな作品を理解できるわけがないのでありまして。心の葛藤を覚えつつ、年齢と共に素直に自分の好みに従うようになり、単純SFからファンタジーに流れ、今では児童書が大好きです。

結局、小学校高学年から精神年齢が変わってないということらしいですよこの人。 

* * * * *

【家庭内事情】
チンピラヤクザ。両者の違いを30字以内で簡潔に述べよ。
日本語教養認定試験、2級の問題集より。そんなものはありません。



以下、友人による定義。
チンピラ……
ありとあらゆるものにイチャモンをつけずにいられない。荒れてどこか満たされない、イラついた精神状態のまま、感情の赴くままに人につっかかる。そこにはポリシーはなく、ただひたすらに全てを拒絶する。
ヤクザ……
これは自分では認めない、という線を自分なりに持ち、それにひっかかる物事に対しては「NO」と言う。それでもそのポリシーが世間的に許される範囲かどうかまでには、考えはまわっていない。所詮チンピラの進化形、自己感情に基づくという基本は同じまま。

これがそのまま10代の子供に当てはまる、というのが友人の持論である。
彼女の娘は中1の頃からチンピラ期に突入し、何を言っても返ってくるのは反抗ばかり。
「○○ちゃん、ちょっとこれ手伝って」
「どうして私がそれをやらなきゃいけないの?」
そんな言葉を聞くたび、家から放り出したい衝動と闘ったそうだ。そしてその闘いに負けて、放り出したことも数知れず、とにこやかに述べる。

そんな荒み期を経て、今では高3になった彼女は随分と落ち着き、チンピラ期を振り返るに、
「とにかく何かが足りてない気がいつもしてて。外では抑えられたけど、家ではどうしようもなかったの」
と語る。ある意味、典型的なティーンエイジャーの姿かもしれない。

ではこれが普遍的な進化かというと、物事には全て例外があり。
彼女の弟はチンピラ期に入ることなく、最初からヤクザまっしぐら、と母は言う。
同じ家に育ち、同じものを食べながら、やはり人間は個々それぞれ。弟の方が言うことを聞きやすいが、自分が譲れないラインについては、姉の何倍も頑固で手がかかるそうである。


というようなことを今日、GWを利用して日本から来てくれた友人母子と共に、お嬢も交えて語り合ったのでありました。
今までいろんな子育て論を耳にしてきましたが、この新説は大変にわかりやすく、掘り下げながら爆笑に次ぐ爆笑で。先方のお嬢さんから過去の実体験を根掘り葉掘り、お嬢も私も興味津々で聞き入りましたよ。

それもこれも、最近ますます頑固度と反抗度を増してきた感のあるお嬢の話が発端だったわけですが、こう解説されるともう膝ポンなんてもんではなく。
そうか、君もチンピラになったんだね……じゃあ早くりっぱなヤクザに成り上がらないといかんよね……
そんなことをしみじみ呟き、お嬢の肩に手を置く私であったのでした。


こちらのお母さんは、いつもこんな思いがけない形で私に元気をくれる人で、やはりこのお母さんがいたからこそ、チンピラが無事出世したんだなあと考えると、思わず我が身を振り返るところでありまして。
「ママ、宿題教えて~」
「なんで私がやらなきゃいけないのよ」
こんなやりとりが日常の我が家では、まず万年チンピラ期の母をなんとかすることが、早急の課題と思われます。(苦悩中)(つか、てめえが原因じゃないのかそれ)
by senrufan | 2007-04-29 11:51


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