流れる月日が落とすもの

After Thanksgiving Day、というと血が騒ぐ人もいるらしい。
あちらこちらで感謝祭の大セールだからね。朝5時には人が並び始めるんだよね。

確かに安く買えるけど、買わなければもっと安くあがるじゃん。
と思うのは、根性なしのビンボー人。

* * * * *

【レストラン】
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一度行って、なぜかすごく気に入ってしまったビアード・パパのシュークリーム。サンフランシスコまで週変わりの味を求めて、3~4回行っちゃった。
しかしやはりSFは遠く。車ならもっと楽なのだけど、ダウンタウンの運転に自信がなく。一通りの味を体験して、最近はご無沙汰してたよ。

そしたら嬉しいことに、2日前に近くの市に支店がオープン。最初は8月だったところが大変アメリカ。お嬢と2人で行ってみた。



どうせなら友人の分も買おうと思い立ち、店に入る前に携帯を出し、何が欲しいかを聞こうとした。
店に入った途端、繋がる前に携帯を切った。

だって バニラ と キャラメル しか ない 。

他のメニューには、全て「Coming Soon」の札。すごい見切り発車だったんだなここ。

2種類の味を数個ずつ買い込んで、景品までもらったよ。ビアード・パパの絵がついた銀色の小型魔法瓶。これは便利でありがたい。
次のフレーバーが出たころにまた来たいが、一体それはいつなのだ。早く抹茶とストロベリー味が食べたいぞ。


beard papa's Redwood City Store
835 Middlefield Road
Redwood City, CA 94063

* * * * *

【個人的事情】
買ったばかりのシュークリームを持って、懐かしい友人に会いに行った。

彼が食道及び胃のガンを宣告されたのは、去年の10月。ちょうど去年の今頃に、食道の70%・胃の80%を摘出という大手術を受けたのだ。
過去日記をめくってみたら、昨年の11月25日に彼のことを書いていたので、改めて1年たったことと実感した。

あれから6ヶ月をかけてキモセラピーと放射線治療を行い、その間時々会ってはいたものの、治療の副作用と精神的な落ち込み、なかなか回復しない食生活で、アップダウンが激しかった。
土壇場に追い込まれた時に見える、その人の本質。彼の身近な友人と連絡を取り合いながら接してきて、今まで知らなかった彼の側面を、数多く見ることになった日々。
しかしここしばらく疎遠になっていた彼から、会おうというメールをもらった時は、それでも嬉しいことには変わりなく、すぐに約束を取り付けた。

ずっと休んでいた会社に、まずはパートタイムの形で戻り、10月からフルタイムで復帰。食事も以前と同じとはいかないけれど、通常メニューで大丈夫。
一緒に入ったコーヒーショップで、本当に久しぶりに彼が食べ物を食べるところを目にできた。

身長は私より20cmほど高いのに、一時、体重は私以下に痩せてしまい、寒くてたまらないと何度も言っていた。放射線治療で髪も抜け、帽子を手放せなかった。
以前はお互いにイベントごとに食べ物を遣り取りしてたのに、それを持って行くことも叶わなくなっていた。
今日の彼は髪も戻り、相変わらず痩せてはいたものの、少し体重も増えたとのこと。「日本人みたいに細いだろう」と笑ってた。シュークリームをその場で食べて気に入ってくれて、今度は自分が買いに行くと言っていた。

お互いの近況と、共通の知り合いの話と、日本語のレッスンの話と、車の話。久しぶりに会っても、以前と変わらず話がはずむ。
彼が以前の彼に戻ってきた証拠と思う。外見は違っても、話す時の目と態度が同じだから。

1年という時間、病気と共に過ごして、彼が得たものはなんだろう。
再発の怖れは常にあるが、彼の目がそれでも前を向いていれば良いと願う。
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by senrufan | 2006-11-24 12:48 | Trackback | Comments(8)
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Commented by weagle2053 at 2006-11-26 17:45
追い込まれると見えるその人の本質が見えてくる。
確かにそうですね。余裕がなくなると身勝手になったりわがままになったり。
残念ですが、それも人間、いえそれが人間・・・ですね。
Commented by まきりん at 2006-11-27 14:01 x
さすがフリスコ(サンフランシスコをこのように呼ぶのですってね)!シュークリーム専門店があるとは。調べてみたら実はビアード・パパは大阪本店で、NY、LAを始め中国やシンガにも進出してると知りました。カナダにはまだないようです。

お友達のお話、身につまされました。最悪の状況をどう生きるかでその人の本質が浮き彫りにされるのですよね。自分だったら・・・と思うと彼の前向きな姿勢を是非、見習いたいと実感しました。
Commented by Miyuki at 2006-11-27 15:21 x
*単身名人さん
本当に。私自身、彼の立場だったらどうだったかなあと思うと、はっきり言ってりっぱに振舞える自信はカケラもないです。
幾つになっても、まだまだ器が足りません。
Commented by Miyuki at 2006-11-27 15:25 x
*まきりんさん
フリスコ! それは知らなかったです、一つ勉強になりました! ビアード・パパ、すごい海外展開してるんですね。早くバンクーバーにも~。
彼が一番大変だった時、今更ながらまきりんさんのアドバイスをもらえてたらなあ、と思ったりもします。やっぱり長年育んだ性格の核は変えられないので、自分でそれを自覚して、少しでも良い方向に目を向けようとする態度が大事なのですが、それが本当に難しくて。彼もこのままいってくれればいいなーと、ひたすら願うばかりです。
Commented by peartree22 at 2006-11-27 16:47
ここ数年の間に大切な知人や親戚が癌と闘い、あるものは破れ、あるものは今回復に向っているという状況なのですが、それぞれの姿勢を見聞き触れるにつれ、自分の未熟さを思い知らされます。心では「そのときには・・・」と思っていても、いざもし自分が直面したら分かりませんね。

Commented by soushimei at 2006-11-28 10:08
最近ワタシも身近な人が体調を悪くされているという話を多く聞きます。中にはまだ小さいお子さんをお持ちのお母さんで、脳梗塞で倒れて今も意識不明の重態なのだとか・・・。
いつなんどき自分にも予期せぬ事態が起こるかもしれないと思うと、改めて今の自分でいいのか・・・とも考えてしまいます。そして考えれば考えるほど家族、周りの人の愛おしさが増してくる気がします。
まだまだ器が小さいせいか、そういったことに直面したときの自分が想像もできないのですが、とりあえず前を向いて生きていければいいですねー!
Commented by Miyuki at 2006-11-28 14:19 x
*ちゃんさま
大切な人であればあるほど、病気は悲しく、また何かできないかとやきもきしたりしますよね。同時に、いいもの悪いもの沢山のことを見聞きする時でもあり。私もこうありたい、という理想はありますが、果たしてできるかどうか……(涙)
Commented by Miyuki at 2006-11-28 14:23 x
*soushimeiさん
うわあ、そのお母さんのお話は特に切ないです。ご家族のお気持ちを思うと、胸が痛くてたまらないですね。
おっしゃるように、そうなる前にできること・考えるべきことがあるはずなのですよね。日頃どれだけ自分が行動しているか・考えているかで、その土壇場での態度が変わってくるはずですよね。少なくとも私のように、毎日鬼母しているバアイでは!(焦)


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