相反する信念を

友人から借りたマンガ、「花より男子」全36巻。
夜9時半から一気読みをスタートして、読み終えたのは1時半。それから1時間近く寝付けず。

今日は太陽が黄色いな。PCモニター、ストライプだな。(充血目で)

* * * * *

【読書】
b0059565_13565016.jpgディヴィッド・エディングス著「ベルガリアード物語」全5巻を読む。「予言の守護者」「蛇神の女王」「竜神の高僧」「魔術師の城塞」「勝負の終わり」。

太古の昔、7人の神々が世界を創り、それぞれの民を治めていた。しかし長兄が創り出した<珠>を巡り、熾烈な戦いとなる。長兄神アルダーの弟子である魔術師ベルガラスは、激闘の末に邪神トラクを倒す。それが数千年の昔より語り継がれた神話であった。
少年ガリオンは、叔母であるポルと共に平和な農園で暮らしていたが、ある日突然彼が直面しなければならなかったものは、神話の昔より<予言>されていた彼の運命だった。トラクの復活の日に再び起こるとされる戦いに備え、仲間と共にその成就と試練の旅に立つ。



このファンタジーは、「指輪物語」の正式な継承者としての位置づけになるという。確かに設定で重なる面もあるが、実際「指輪」より遥かに娯楽性が高い。悪く言えば軽くて読みやすい。自慢じゃないが、未だ私は「指輪」を読了できてない。(威張り)

主人公は少年であるガリオンなので、彼の成長物語としての側面も持つ。このガリオン君、非常に素直で良い心根の持ち主なのだが、いつまでもどこか頼りなく、旅の間中、思春期の迷いの真っ只中にいる。彼が迎える”目覚め”の後、その膨大な力と共にあるには、あまりに不安定で未熟である。しかし同時にこの性格こそが、彼が予言された座に就くにあたり、非常に重要な意味を持つのだ。

ガリオンを囲む脇役達、と言うにはあまりにも勿体無い、非常に個性と力量を兼ね備えた仲間が常に共に在る。魔術師ベルガラスを始め、娘のポルガラ、王族のシルク、武芸に優れたバラク、善人ダーニク……どのキャラでも十分主人公を勤められるだけのものがある。敵方のトラクやゼダー達も然り。そもそも神話だけでも、本当に語るには数冊を要するだけの規模なのだ。

実に壮大で、時間的にも空間的にもスケールが大きく、人物も国も、文句のつけようがないほど良く練られた形をもっている。私はやったことはないけれど、RPG的要素が濃厚らしい。
しかしその緻密な設定の上に立つのは、くっきりと明快な光と闇の対決の物語だ。そして登場人物達も、抱える過去や悩みの重さがのしかかるのにも関わらず、常に目は前を向き、ユーモアをたやすことがない。そしてガリオンの不安定さをカバーして余りある有能さと勇気を示す。
反して、悪役側の方は虐待・拷問・殺人などなど、これまた雄弁に堂々と悪である。このような分かり易い善悪の書き分けが、この長い物語を一気に読む進める原動力の一つであると思う。

これは7人の神々を崇める国同士の戦いの物語でもあり、各国の環境や国民像の設定も面白い。「○○人はこうだ」と決め付けるやり方は、こちらの現実では嫌悪の念を呼ぶものなのに、この本の中ではそれがまるで鋳型であるかのように、各国人の設定をはみ出すことがない。こちらの世界も、ここまで単純であれば良いものだけど、と笑いながら受け入れる。

確かに神と魔術師は存在するが、超次元のエリアの割合は決して多くない。自らの努力と勇気でもって進む旅の、その果てにこそ出現するもの、との色合いが濃い。
その証拠に、ベルガラス達が持つ力は”魔術”のそれではない。彼はガリオンを導く時、それは<意志>と<言葉>だと強調する。
「必要なのは<意志>であり、その<意志>を伝える手段として<言葉>がある。本当のものは全て<意志>の中にあるのだ」
だからこそ力をふるう為には、その<意志>が全きものであることが不可欠になる。光や闇という区別だけでなく、その力を使う理由と判断、そして覚悟が備わってこそのものなのだ。これが同時に、この物語の根幹を成すものの一つではないだろうか。

文庫全巻で約1,500ページという長大さだが、すでに私は読み返して3回目になる。悪く言えば単純なストーリーではあるのだが、はっきりとした善と悪のぶつかり合いが快く、楽しければ笑って、悲しければ泣いて、そんな裏表のない筋立ては、読者に疲れと飽きを感じさせることがない。
この物語の前史に当たるベルガラスとポルガラの物語、「マロリオン物語」という続編もある。まだまだガリオン達との縁があるのが喜ばしい。
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by senrufan | 2006-09-29 13:54 | Trackback | Comments(2)
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Commented by reading-k at 2006-10-01 18:22
Miyukiさんは、すごくたくさん読む方なんですね。
これなら文章も上達しそう!
このお話は「RPG的要素が濃い」とのことですが、それを聞いて、宮部みゆきの「ブレイブストーリー」を思い出しました。
少年が成長していく姿も似てますね。
Commented by Miyuki at 2006-10-02 12:43 x
*reading-kさん
いえいえ、私は暇人なので(…)読むのは読むんですが、かなり偏っているんですよー。決まったジャンル・決まった作家に偏っちゃうんです。なので、reading-kさんのブログはとても楽しみで! どうぞお薦め本を色々教えて下さいね~。
「ブレイブストーリー」、そういう傾向の物語なのですね。おし、”読みたい本リスト”に追加しまっす♪


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