ハチドリの運ぶ一滴に

先週の金曜は午前中が歯医者、午後がMammogramの定期健診。
虫歯が見つかって歯医者は再訪決定、マモグラムは以前ひっかかった組織が異常無しなので、再び1年に1回の健診ペースに戻る。

今日は午前中に婦人科の定期健診。問診、内診、子宮ガン検診など。
胸のチェックで、以前よりあった固い部分が更に固くなっているらしく、超音波検査を命じられ、更に2ヶ月後に再検診。(えええ)
おまけに子供の時以来やってないと白状したら、破傷風の予防接種もぶすり。

明日は午前中が歯医者、午後が胸の超音波検査。

電磁波と放射線と薬品を摂取する毎日。私の身体、フリーラジカル充填中。

* * * * *

【雑事】
9月11日。今年で5年目を数える。
これを機会に思い出した、曽野綾子さんのエッセイを数冊読み返す。

曽野さんは海外邦人宣教者活動援助後援会というNGO活動に携わり、また日本財団の会長をしばらく勤められたことにより、海外で行かれた国々は100ヶ国はくだらない。そんな旅行記の数々は本当に読んでて楽しく、目が覚めること満載なのだが、その中には当然中東諸国について書かれたものも幾つかある。



「(イラク・クウェート戦は)本質的には部族間の抗争と見るべきだろう。部族民にとっては、その長が決めたことが絶対であり神聖なのだ。また他部族とは、数百年に亘って彼らなりの戦いの方法で闘うことで自分の存在を認めさせてきたのである」
「狸の幸福」より)

「アラブの人々は次のように言う。
 『隣人を、責めるよりは、自分のドアに鍵をせよ』
 『彼とは握手せよ。しかし後で(なくなってないか)指を数えよ』
 『相手の気質は刻々と変る。剣の面は白い』(力、戦争、その他の厳しい手段は全て効果的であり、問題を解決する)
 『大きな魚は、小さな魚を食べる』
 『一人の人間の安全は、口を慎むことにある』……
 自分一人の心をさえ律し切れないものではあるけれど、我々にとって大変なのは、相手をいかに理解し、その相手にどのように対処するかにある」
「ほんとうの話」より)

平和ボケした日本人と言われるが、じゃあそれを変えろと言われて、一朝一夕に中東にならった形に変えられるか。「人を見たら泥棒と思え」と言われていた頃は、それなりの時代背景が身近にあったが故に広まった。普段接することのない他国の思想がそうだからといって、異なる価値観を持つ自国内でその態度に倣う必要性はないだろう。私達の基本は「国家」ではなく、「個人」にあるのだから。問題は国内外で、「個人」が「国家」を背負うがごとくの状況に立たされた時であり、その時にどのような姿勢を示せるかである。

少なくとも我々は、自分達と違う文化と思想を持つ国々が在ることを知っている。もしくは知る機会と手段が無数にある。
この「違う」ということを知っている、それが出発点に立つ条件だ。「知った」後は、「知らなかった」時の自分には戻れない。それ以降はその人の器次第で進むことになる。ではその機会がなく、また機会がないことさえ考えにない国の人々はどうなるか。

教養とは、人の心がわかる心、という言葉がある。思想も主張も、他人から理解されて初めて成り立つ。理解することは、それに倣うこととイコールではないのだから、怖れる必要はない。ただ、その理解の為の方策を限定してしまえば問題だろう。
1つ2つの情報では全を知ったことにはならない。尚且つ、多数の知識を得ても、それが全てを規定するものではないと律することができるかどうか。

お嬢は今日、クラスでTVのドキュメンタリーを見たという。
敵はイラクではなく、イスラム教徒の中の人種差別主義者、という主張だったとのこと。
ある女性がインタビューに答え、
「9月11日のニュースを聞いて、私はとても嬉しかった。世界中、イスラム主義者以外は皆死んでしまえばいい」
と言っていたそうだ。

「知らない」人と、「知っているけど必要ない」人と、「知って模索する」人と、「知らないことすら知らない」人と。世界を共有する為の道のりは、あまりに遠い。
[PR]
by senrufan | 2006-09-11 12:35 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://senrufan.exblog.jp/tb/5676361
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by eucaly at 2006-09-13 23:42 x
極々客観的に見てよろしいなら、かつて白人がやっていたことを今されていると言う構図以外の何者でもないと思うんですが・・・そういった意味でもサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」はめっちゃ面白いです。でも色々考えながら読み進めるとまだ2/3しか読めてない。呉善花の「日本の嫌いな日本人へ」とあわせてお勧めします。
Commented by Miyuki at 2006-09-14 10:29 x
*eucalyさん
うふふ、「文明の衝突」、すでに古本屋サイトで見つけてしまいました。アメリカから見た、というところが興味深いですね。呉さんの本も買いだなあ。歴史から学ぶ姿勢は捨ててはいけないのですが、それを生かして前に上手く進むところで葛藤・格闘。
Commented by eucaly at 2006-09-14 14:05 x
もう前には進めないなあ。アイザックアシモフの銀河帝国の興亡って読んだことあります?あれ読むと普通の人間一人がいかに世の中変えようとしても無理なのねと思い知る。人と人とは友好できるけど、所詮国と国とは無理かも・・・
Commented by Miyuki at 2006-09-15 10:31 x
*eucalyさん
銀河帝国、遥か昔に読みましたねえ。ええとこれはただの個人意見なのですが、これからは文化や宗教より、地球環境をどうしようかということで国々が協力していかなければならなくなるのではないかと思っているですよ。そうなったら、世の中を変えていく為には、それこそ一人一人の日々の小さな努力が必要でしょう。むしろ自分にも何かできることがあるんだ、と思えるのが嬉しいのです。勿論国同士はまた違った対立模様を見せるのでしょうが、少なくとも個人の心がけはそんな俗事と関係なく、前に繋がる分、良いなあと思うのですよ。


<< 案ずるより検査が易し 登り終えた山の向こうに >>