隠した爪の鋭さを

外出から戻って車から出たら、前庭に大きなカラスが1羽。
つい、と嘴を土につけたと思うと、上げた時にはそこにミミズが1匹。くわえたまま、私を見向きもせずに飛び去った。

6並びの今日という日、これは凶兆か吉兆か。

* * * * *

【読書】
読み終えた本の山が高いです。下の方はすでに発酵してます。豊かな香りさえします。
いっそのこと、読書記録オンリーブログにしようかとも思うのですが、今ひとつ踏ん切りがつきません。むー。


b0059565_13395573.jpgC.J.ボックス著「沈黙の森」を読む。猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズの第一作目。

ワイオミング州で猟区管理官を勤めるピケットは真面目で誠実だが、生来の不器用な性格が災いし、仕事でミスを犯しては、狭い町で皆に冷たい目で見られるということを繰り返す。ある日裏庭で娘が死体を発見、それが以前彼とトラブルを起こした密猟者であったことから、事件が始まる。
野心的な同僚や伝説と言われた元上司、大事な妻と2人の娘。政治的な駆け引きに翻弄されながら、家族を守り、正義を成す為に立ち向かおうとする。

映画のような、という言葉があるけれど、この本は正に古き良き西部劇を思い出させる内容。ワイオミング、銃、自然保護、家族愛、正義。アメリカ人が古来より愛するものが勢ぞろい。
とりわけ主人公の性格。不器用で色々と報われず、表面は穏やかでありながら、しかし家族や大切なものの為には雄々しく立ち向かう。この本の書評で、ヒーロー像としてゲーリー・クーパーの名が上がったというのも頷ける。
加えて、もう一人の主人公というべき娘のシェリダンが、また似た性格をしてるんだな。周りからは評価されず、出来のいい妹に引け目を感じつつ、でも肝心要のところでは勇敢で機転が利いて。最後は思わず抱きしめたくなる。
無条件で拍手を送りたい親子だ。

ジョーのような性格の人は個人的に大好きなのだけど、どうやらアメリカ国内でもそうらしく、書評では新しいヒーロー像として絶賛されている。
じゃあ現実にこの手の要領が悪く、口下手な人や子供が人気があるかというと、それがそうでもないんだな。まあ、危機的状況に陥った時に力を発揮するかどうかを普段見られないのもあるんだが、どちらにしても”口下手””駆け引き苦手”というのは、この国ではハンデになることは間違いない。
なのにジョーを理想とする。これは矛盾と呼べないか。
理想とするなら目指せばいいのにと思うのだけど。口下手になれということではなく、ジョーのように誠実に、朴訥でもいいから物事に向かえばいいのに、と思うのだけど。
でも、出来ないからこそ理想なんだ、ということもわかるので。
今後のジョーの活躍がどのようなものになるか、そういう意味でも楽しみである。
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by senrufan | 2006-06-06 13:43 | Trackback | Comments(0)
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