生きる糧

お嬢にPCを貸すということは、ゲームもされるということで。
私に隠れてこっそりゲーム画面を開いたら、大音響で流れ出したBGMにパニックを起こした彼女は、思いっきりスピーカーの音量ダウンボタンを押し続けたもんだから、

ボタンが2mmほどめりこんだまま、出てこなくなりました。


アイツの手からは破壊光線が出ているんだ。
今やウンともスンとも言わなくなったスピーカーを眺めつつ、確信を深める母。

* * * * *

【読書】
b0059565_11564169.jpgフェイ・ケラーマン著「逃れの町」を読む。ユダヤ教徒のデッカー刑事シリーズの第7弾。
このシリーズは大好きで、最初の巻からはまってずっと追っかけてきているのだけど、果たして最初はいつだったかと見直してみれば、1993年だったのね。10年以上もファンなんだなー。

一作目の「水の戒律」で、ユダヤ人コミュニティで出会ったピーター・デッカー刑事とリナ。この2人の恋愛と、ユダヤ教へ近づこうとするピーターの葛藤を軸として、発生する事件とそれに絡まる人間模様が展開される。
最初はどちらかというと恋愛色が強く、それからはユダヤ教社会との関わりに重きが移り、2人が結婚して子供が生まれた以降では、おしどり探偵物のようなカラーを見せている。
そんな2人の短いながらも深い歴史、お互いの子供や家族との関わりと軋轢。主人公自身に「この先はどうなった?」と期待させるものがなければ、シリーズを何作も読み続けさせることは難しい。その点で、この2人は私のお気に入りの上位だ。

ユダヤ教は、あまりに名前も存在も有名でありながら、実は自分にほとんど知識がないということに時々驚く。「自分達は神に選ばれた民族」との言葉が大げさに聞こえないほど、世界の各分野でのユダヤ人の貢献度は絶対に無視できないものだ。
このシリーズは、ユダヤ教そのものについての雑多な知識を得る為にも良い。体系だって説明しているわけではないので、不明な点は幾らでもあるが、例え端っこの知識であろうと、知らない世界をのぞく楽しさと、それが宗教の分野であるということによる、どこか敬虔な気持ちは十分だ。
何か優しい入門書でも探して、ざっと勉強してみたいと密かに思ってはいる。ユダヤ教に関係する本は、「ユダヤジョーク集」しか持ってないし(論外)

紆余曲折を経て、さずかった赤ん坊が現在9ヶ月のピーターとリナ。そこにリナの旧友が泊まらせてほしいと急に連絡してくる。それはちょうどピーターが手がけることになったダイヤモンド・デイーラー失踪事件と絡み、捜査の果てにはとうとうイスラエルに向かうことになる。
ケラーマンの個人的印象は、細部にまで決して手を抜かないというものだが、今作でも各ページごとに伏線と衝撃があるようで、どれも逃したくなくて時間をかけて各行を追った。
ユダヤ人の聖地である彼の国での出来事と、最後の最後に明かされた真実。それは胸が痛く、しかし同時に、神々しさに頭を垂れたくなるような信念だと言えるだろう。
[PR]
by senrufan | 2006-05-18 11:55 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://senrufan.exblog.jp/tb/4734336
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]


<< 檸檬の香りのする場所で 一言が引き起こす効果 >>