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ただ闇雲に伸ばした手を

【学校】
お嬢の学校で落書き事件が起こったのを聞いたのは月曜日。
朝、学校に行ったら、あちこちの壁やドアが文字やマークで汚されていたという。
何が書かれていたかお嬢に聞いたが、書かれた言葉が汚すぎて言いたくないと、具体的には口にしようとせず。ただどうやら色々な先生の悪口がFワードやBワードで書かれていたり、ナチのシンボルマークがあったというのはわかった。

翌火曜に、校長から親宛のe-mailとレターを受けとった。
発見してからまず写真を撮り、警察に連絡したこと、落書きは上からペイントの最中であること、情報を求めてスタッフは全力を尽くしていること、もし子供が不安がっていたら、いつでも校長やカウンセラーに相談してほしいこと、などが書かれていた。
外部の人間の仕業であるかもしれないとの一文もあったが、先生などの名前が書かれていた以上、その可能性は残念ながら薄いのでは、と思っていた。

そして今朝のTVニュースと新聞で、犯人が捕まったとの報道があった。
8年生の男女5名。おそらく真夜中過ぎに家を抜け出し、学校で落書きに及んだものとされている。
落書きの中に、99年4月20日に起こったコロンビア州コロンバイン高校の事件(生徒2人が級友12人や先生を殺害した)についての記述があったことを、新聞で初めて知った。これは深刻なものではなく、書いた少年はただ人を脅すことを好んでいるだけだというのが警察の見方のようだ。

学校内で放送されたことによると、警察は彼らを逮捕するかどうか校長に問うたところ、校長は「8年生の時の1回の落書きで人生に汚点を残すわけにはいかない。彼らはこちらで処分を決める」と述べたという。彼が下した処分は、3日間の停学だった。



映画やTVで、アメリカのスプレーペイントだらけの学校など幾らでも見る。それがなぜここの学校に無いのか、今まで深く考えたことがなかったというのが、情けないが正直なところだ。
ベイエリアで特に人気の高い学区は、その学力レベルだけでなく、安全というファクターがその理由になっている。
しかしどんなに良いとされる学校でも、色々抱えた子供は必ず存在するのであって。家庭事情はその子供の数だけあるのであって。
思春期の真っ只中にいる時のあの不安定さと、どこに何をぶつけたらいいのかわからない焦燥感は、程度の差こそあれ、どんな人でも通り過ぎなければならない過程である。

この事件と結果が彼らに残すものはどれだけのものか。お嬢の距離を置いた冷静な反応に、安堵する気持ちと、それに相反する気持ちを抱く。
彼女が唯一不満を漏らしたのは、ニュースの報道で、「学校スタッフは何もしていない」とコメントされたことだった。
by senrufan | 2006-04-20 12:37


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