はるがきたかとおもうべな

ようやく、ようやく快晴の朝。お天気マークが並んだ天気予報。
長かった……!!(心からの呟き)

ということで、朝からやったのは鳥カゴ洗い。庭でザーザーと水道を流して、ガシガシとブラシでこすって、そのまま放置で自然乾燥。今日はきれいな寝ぐらだよー。>インコ

* * * * *

【読書】
b0059565_13381387.jpgパトリシア・A・マキリップ著「影のオンブリア」を読む。学生時代に「イルスの竪琴」三部作を読んで、すっかりはまってしまったマキリップの新作、本屋で見かけて即座に手を伸ばしてしまった。

世界で最も美しいとされる都、オンブリア。しかし大公の死をきっかけに、愛妾リディアは宮廷を追い出され、幼い次期大公と宮廷は、邪悪な魔女ドミナによって支配されるようになる。
大公の甥や魔術使い、そして生きた蝋人形。現実と幻想が入り混じってしまった都を、彼らは正しい世界に戻そうと計るのだが。

飾りを取り除いてみれば、筋立てはシンプルなものであるかもしれない。しかし描写が実に複雑で耽美と言えるほどなので、登場人物と同様、読んでいる側もどれが現実でどれが虚構なのか、そのほとんど消えた境目に翻弄され続ける。
以前の作品は複雑ではあったものの、むしろ非常に緻密な印象だったのだけど、これはマキリップがそういう方向に変わったのか、それとも翻訳された方の違いによるものか。
ただどちらにしても、美しい織物のように見事に紡がれた物語世界は、相変わらず繊細で隙がない。重なり合う世界を描くのがマキリップの得意とされているようだが、それは平たい世界を重ねるのではなく、内部が地下から宇宙にいたるまで重厚な多層構造を持つ世界同士を合わせていくのだから、並大抵のことではない。

登場人物たちもそれぞれの魅力、例えばそれは儚さの中に秘めた芯の強さであったり、流されそうになりながらも留まる意志力であったりと、幻のような世界でなんとか地に足をつけようと苦闘する姿が描かれている。単純な善悪の2点ではない、絡み合った位置に置かれた彼らが、物語と共に中央に少しずつ進められていく過程は、まるで徐々に盛り上がるチェスの試合を見ているようだ。
加速しながらクライマックスへ登りつめ、巨大な光が弾けた後には、思わず唸るラストが用意されている。
[PR]
by senrufan | 2006-04-17 13:37 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://senrufan.exblog.jp/tb/4446003
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by あつゆき at 2006-04-21 23:49 x
いつもいつもあなたの書評には感心させられます。
読んでないけどこれですっかり呼んだ気分になった私です。
でも今度誰かの本の背表紙書いてあげたら。
それとも自分で本を出しちゃうか。
Commented by pannaGO at 2006-04-22 05:41
書評をまとめて本にして、出版させたい。
あたしも何冊も読んだ気分になってる。
Commented by Miyuki at 2006-04-22 10:36 x
*あつゆきちゃん
や、こんな独り言に勿体無い、あ、ありがとお(もじもじ)(照れ照れ)
そう言えば父に、ゴクツブシしてるぐらいなら本でも書いたらと言われたことあったよ。タイトルまで決められたの。『誰も書かなかったサンノゼ』。
いまだに、このタイトルに合う内容を思いつかない。
Commented by Miyuki at 2006-04-22 10:39 x
*ぱんなしゃん
改めて、お帰りなさ~い!(すりすり)
これは書評なんて立派なモンじゃないっす、ただの戯言だすー。なので、もし興味ありそうな本があったら持ってくから、読んでみておくれやす。


<< 得られる実感 そんなものでできている >>