果てが見えない距離

チームジャパン、WBC決勝戦で強豪キューバに10-6で勝利。おめでとう世界一!!
色々感激することが多すぎて言葉にできない。

今日のハイスクールの日本語クラスの課題は、誰か一人、日本の有名人を取り上げてリサーチするというもの。
皆が知っている日本人の名前を挙げていく最初の方で、やはりイチローが出てくる。
「日本でどれぐらい人気なの?」と聞かれて、「彼は日本のヒーローよ」と胸を張って答える。
そんな答えができる活躍を続けてくれる彼に感謝。自分の行動や結果は自分一人のものではないということを知っている彼は、本当の意味でプロだと思う。

でも何より、そんなイチロー達が続く道を作ってくれた野茂に、一番の感謝を。

* * * * *

【読書】
b0059565_1251145.jpgロバート・B・パーカー著「晩秋」を読む。私立探偵スペンサーシリーズの18作目に当たる。以前に読んだ「初秋」の続編、10年後設定となっている。

「初秋」で知り合った少年ポールは、10年を経て今ではダンサーとして一人立ちしている。ポールと出会うきっかけを作ったのは彼の母親だが、最近連絡が取れなくなり、スペンサーとポールは彼女を探し始める。
探すうち、彼女はある男と行方をくらまし、しかもその男はギャングの金を持ち逃げしたことにより、追われる身になっていた。

「初秋」で見せた通り、ポールの母親のパティは、自他共に認める男性依存症。そんな彼女と横暴な父親の間に生まれたポールは、スペンサーが出会った頃は自閉症気味だった。スペンサーの”教育”により自分の道を見つけたポールだが、15年という年月を自分の中ではまだ完全に消化できず、カウンセラーに通い続けている。
そんな彼が、ようやく母親との関係に一つの結論を見出す。「初秋」の時と同様、ポールの成長物語という側面は大きい。しかし、他のパズルのピースも大きいものが揃っている。

子供が将来どういう人間になるか。本人の素質も勿論あるが、親の果たす役割は限りなく重要だ。(思わず俯きながら)
この本では、3通りの親子像が出てくる。ポールと両親、ギャングのボスであるジョウと息子のジェリイ、そしてスペンサーと父親である。
自分のことしか頭にない人間が、ポールのような子供を生み出す。過保護にしすぎた結果、ジェリイのような大人に育つ。そして男として、仲間として対等に扱われることで、スペンサーのような人間の基礎が築かれるのだ。
そこにはその親自身が、どういう背景を持つかという見えない鎖がある。意識するにしろ無意識にしろ、子供を育てることは自分の体験をもう一度振り返ることでもある。
完全でない人間が、完全でない人間を育てる。そんな不条理さの中で、それでも出来ることを探して暗中模索するのが、親という職業だ。

本書では、スペンサーがシリーズ上、初めて過去について語ったというピースもあるらしい。それはわずか3作しか読んでいない私には、何もコメントしようがないけれど。
この本を読むことで、親という役割を負った人間について、改めて重さと苦さを噛み締める。そしてそれは、そのままスペンサーという人間についての興味に繋がっていく。
きっといつか、彼の道のりを最初から追うことになるだろう。



ところでこのシリーズ、全て菊地光氏という方が翻訳されています。前に読んだ2作ではなかったのですが、今作では読みながら何回も腰が砕けそうになりました。
だって、スペンサーのうつ相槌。
「アン ハ」 「ウ ウン」
何故にこれがくるですか。
しかも片仮名言葉に独得のセンスを発揮されたようで、
コーヒー・テブル、デト・バ、プライヴェエト、ボ
などと、発音に忠実に表記されようとした痕跡がうかがえますが、ではなぜコンソメスープ
チキンのすましスープ
なのでしょうか。

本書はもしかして、菊地氏にとって翻訳の新たな開眼ポイントでもあったのかと思い、解説を読んでみましたが、どこにもそんな記述はありませんでした。ちっ。
こんなことを気にしてしまったのは、果たして私一人だけですか。(周りを見渡しながら)

* * * * *

【雑事】
何年も前にTVで観た、「アメリカ人の知っている日本人ベスト3」を思い出す。

 1位 : オノヨーコ (日本での知名度以上か)
 2位 : ブルース・リー (日本人じゃないっつの)
 3位 : 王貞治 (世界の王さーん)

今だったらどうなるかな。アジア編とかもあれば面白い。
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by senrufan | 2006-03-20 12:04 | Trackback | Comments(0)
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