踏み出す一歩が向かう先

旦那に、「顎が安西先生化してきてない?」と言われた。

ミジンコにバカと言われたらこんな気持ちなんだろうな、と思った。

* * * * *

【読書】
b0059565_14182578.jpg池波正太郎著「殺しの四人」を読む。仕掛人・藤枝梅安シリーズの1巻目。
「剣客商売」以外の池波氏の作品を読みたくなり。有名なのはやはり「鬼平犯科帳」なのだろうけど、まずはこちらに手を出してみる。
そして「剣客…」と同様、また美味しそうなものが度々登場し、空腹時に読んではいかんと改めて思う。ううう食べたいあれもこれも。

鍼医師の梅安は名医と評判だが、実は裏では、金で殺しを請負う仕掛人の顔を持つ。かと言って、金が折り合えばどんな人間でも葬るというわけではなく、「世の中に生かしておいてはためにならぬ奴」のみという彼なりのルールがある。
本当に殺していい人間か。依頼の理由はどこにあるか。実際に仕事をするのはどういう手順で行うか。”見極め”は果たして慎重で、時には月単位での時間をかける。しかし実際にその命を断つのは、あくまで瞬間の技だ。

「剣客…」は、ある意味ヒーロー物だ。小兵衛という天才が、例え人知れず殺しを行ったところでも、その後味は爽やかで勧善懲悪の醍醐味が味わえる。
それに対して梅安の行う仕事は、人が堪えに堪えた挙句に最後に頼む綱である分、背中にそれだけの哀しみと苦しみを負うことになるものだ。得物の腕だけで背負えるものではない、深い業がそこにはある。
読み進むうちに感銘を受けるのは、梅安という人間の深さだ。そんな人の暗部を覗いて抱えて、それでも尚且つ彼の目は正義を見出すことに据えられる。その強さに感じ入りつつ、しかしそれが同時に、自身の重さを払おうとする鍵であるとも思う。

良い主人公を冠するのは良いシリーズになる。それが簡単に計れない人間であれば、尚更追わずにはいられない。
時代劇の初巻を読むのは、わかってて罠にはまるようなものなのに、まーた足を踏み入れちまったぜ……!(唇を噛み締める)(でも目はにやけ気味)
[PR]
by senrufan | 2006-03-09 14:17 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://senrufan.exblog.jp/tb/4252213
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]


<< そこに緩急あり Over the Hill >>