身を処するということ

昨日届いていた郵便。新しい免許が手元に来た。何年前の写真だこれ。

ドナーを示すピンクの小さなシールをぺたりと貼る。
オンラインのドナー登録を済ませる。
古い免許にハサミを入れて捨てる。
新しい免許が定位置にそっと身を寄せる。

* * * * *

【読書】
b0059565_1358547.jpg友人がお薦めとして貸してくれた横山秀夫氏の本2冊。まずは1冊目、「半落ち」を読む。
世事に背を向けているヒッキーな為、実は2002年のベストミステリー1位だったんだとか映画化されてアカデミー賞をとったんだとか直木賞でもめたんだとかいうことは、全て読み終わってから知りました。まあいつものことだ。

一人の現職警察官が、アルツハイマーの妻を扼殺したことで自首してきた。容疑を全面的に認めているものの、犯行後二日間の行動についてだけは語ろうとしない。その二日間の謎をつきとめようと、それぞれの立場で必死に動く警視、検事、新聞記者、弁護士……審査の進行に合わせて、次々と容疑者・梶と関わる。彼は静かな澄んだ目のまま、何かを守り、何かを待ち続けている。

まずは手法が面白い。容疑者は警察に捕まり、検察の手を経て、弁護士を得て裁判にのぞむわけだが、その流れに沿って章ごとに主人公を据え、その組織の内部をも濃厚に描き出す。しかもその内部が、どこもそこも、これでもかこれでもかというぐらい腐った組織人間が大量に登場する。その中で謎をつきとめるべく奮闘する各主人公達の努力と忍耐力、過度なストレスが仔細に描写されていて、決して軽く読めるものではない。

梶という容疑者が全編を貫く核となっているのだけど、些か力不足の感は否めない。それぞれの意地や立場も勿論あるだろうが、ただ梶が澄み切った目をしているということだけで、こうまで皆が見守る姿勢に移れるものだろうかとは思う。ミステリーとしての謎解きもそれほど目新しいものではないし。
にも関わらず、最後まで飽きさせず読ませるのは、作者の勢いのある描き込みの力、人物描写の上手さ故。組織と人間のドロドロとした暗さを詳細に見せることで、めざましいものではなくとも、ラストが清々しく感じられる。

梶の年齢は49歳。そして「人間五十年」という言葉が大事なキーワードとなっている。
高齢化が進みすぎたような現在、この言葉を銘としている人はいるだろうか。
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by senrufan | 2006-01-29 13:57 | Trackback | Comments(0)
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