はばたく心

急に外気温が下がっているここ数日。
今年の夏は比較的涼しく、これでもう秋かと思うともったいない。
インディアンサマーは来るのかな。

* * * * *

【読書】
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著のデイルマーク王国史シリーズ、2巻から完結編の4巻まで読み終える。
第1巻を読んで、主人公の詩人(うたびと)の少年の旅立ちと成長が楽しみだったのだけど、続けて読んだ2巻は全く別な話で、更に3巻は古代にさかのぼった、これまた別な話で。
こうやって一時代ずつ切り取ったオムニパス形式かと思ったら、4巻で全てが総集合して繋がる形になっていた。
なので、一度4巻を読み終えた後、ちゃんと理解する為にまた1巻から通して読み返し、それでもまだわからないところがあったので再度通して読み返し、ようやく全体像がわかった次第。あああこの海綿状の脳が憎らしい。

b0059565_1321587.jpgということでまずは2巻、「聖なる島々へ」
今度は海辺の貧しい家に生まれた少年・ミットが主人公。1・2巻とも舞台設定が中世風で、その辺りの描写も面白い(トイレとか)。
しかし内容的には、1巻と比べて少々暗い。貧しさ故の悲しみの数々は、どうしたってぬぐえないので。

搾取するばかりの領主に耐え切れず、とうとう反乱組織に加わり、殺人未遂まで犯したミットは、たまたま逃げ込んだ船で逃亡する。船に同じく乗り込んでいた姉弟の触れ合い、そして辿り着いた島での出来事が、彼と彼の運命を大きく変えることになる。
ジョーンズの書くものは、とにかく登場人物全員に存在感がある。単なる端役であっても、きっとその人物の一生の概略まで設定してあるのではないかと思われるぐらい。
そんな彼らが、ぎっしりと材料を敷きつめられたストーリーという土台の上で動くので、こんな読み応えのあるファンタジーにはなかなかお目にはかかれない、という物に仕上がっている。

かわいい・かっこいいだけの主人公ではなく、暗い背景とどろどろの自己嫌悪を背負いまくったミット。共に行動する貴族の姉弟との会話は、育ちの差が生む価値観の違いをとてもリアルに表現していて、実生活で味わうあれやこれやと重なってしまう。
沈みきったミットの前に、ふいに開かれた扉。それでも常に傷をまとう彼は、今度のデイルマーク史の中で、ますます重要な役割を演じていくことになる。
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by senrufan | 2005-09-09 14:37 | Trackback | Comments(0)
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