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手を取り合った、その先に

「人間の文化は遊びにおいて、遊びとして、成立し、発展した」
   ----- ヨハン・ホイジンガ
       (オランダ人、歴史学者、1872年12月7生まれ)


今回の日本行きは、ANAのサンノゼ-成田便。
その間、ANAとスターウォーズのコラボ便のはずだよ、と聞いていたので、すんごくわくわくして搭乗したんですよ。

え、機体、普通なんですけど。
え、中も普通なんですけど。

帰りこそ!と思ったら、帰りも同様で、両方とも機内MOVIEにエピソード5・6があっただけ。何回も観たから、もういいよ。
後ろの座席にヨーダが座ってる、とか色々聞いて、むっちゃくちゃ期待していただけに、ちょーーがっかりです……
あとでチェックしたら、決まった日だけだったのね……(ぐしっ)


‘Star Wars: The Force Awakens’ Fans Are Already Lining Up

なんで今頃スターウォーズ、って、それはエピソード7の公開が間近だから、というのは言うまでもありません。
その前に、今までのエピソード1~6までを駆け足で復習できるのが、以下のTweetです。ありがたやー。

だいたいあってるスターウォーズエピソード1・2のあらすじ

だいたいあってるスターウォーズエピソード3・4のあらすじ

だいたいあってるスターウォーズエピソード5・6のあらすじ

こんな記事もありましたぞ。

3分でわかるスター・ウォーズ過去6作の物語

* * * * *

【イベント】

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Simón Bolívar Symphony Orchestra of Venezuela(SBSOV)。
日本語訳名はシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラになっていて、
え、ユース? ってことは若者のオケ? と思ってしまうのですが、メンバーは25歳以上が条件とか。

最初にこちらのオーケストラについて聞いたのは、日本のTV番組だったかと。TVを全然見ない私にしては珍しい。
オーケストラというか、ベネズエラが行っている音楽教育プログラム、エル・システマ(El Sistema)についての特集だったんですよ。

詳しくはWikiさんの説明を読んでいただくとして、なんとかまとめると、ええと、
家庭が貧しい・素行が悪い等の問題がある子供達に楽器を与え、放課後に音楽教育を行うという独自の教育システムです。

このエル・システマ下で腕を磨いた青少年達から成る様々なオーケストラ。
更にそこから選抜された、25歳以上のメンバーで結成されているのが、こちらのシモン・ボリバル・シンフォニーなんですね。

SBSOVと並んで有名なのは、やはりエル・システマ出身の指揮者、Gustavo Dudamel氏
'99年からSBSOVの音楽監督を勤め、世界各国の有名オーケストラと協演を果たし、今では世界トップレベルの指揮者のお一人。
今年の「世界で最も影響力のあった人物」で、スペイン語圏での13位に選ばれていらっしゃいます。

このデュダメル氏が指揮するSBSOVが、カリフォルニアはバークレーにてコンサートを開催されたので、嬉々として行ってきたのでございます。




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来加されている間、いろんなイベントがあったようですが、メインのコンサートは2日間。
ベートーヴェンを演奏するコンサートで、1日目は交響曲の7番・8番、2日目は9番。
2日間ともすんごおおおく行きたかったのですが、涙をのんで、第9一本にしぼったです。

Ludwig van Beethoven
  Symphony No.9 in D minor, Op.125, "Choral"

     Allegro ma non troppo, un poco maestoso
     Molto vivace - Presto - Molto vivace
     Adagio molto e cantabile
     Finale: Presto - Allegro ma non troppo - Vivace -
           Adagio cantabile - Allegro - Allegro assai

日本人に大人気の第九、「合唱」。
なんで日本だけ年末に、とナゾだったんですが、こちらもWikiさんにお答えの一つが記載されておりました。
おかげで、通しで聴く機会が多かったのは僥倖。
と言っても、日本を離れてから何年も聴いてなかったので、楽しみにしておりましたですよ。


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コンサート、とてもとても、良かったです。
奇をてらわない、真っ直ぐで明るい演奏で、すごく好感が持てました。

独唱と混声合唱も、なかなかの出来。
ソリストの4人は、以下の方々です。
Mariana Ortiz(ソプラノ)
J'nai Bridges(メゾソプラノ)
Josha Guerrerro(テナー)
Soloman Howard(バリトン)

ソリストの方々もやはりベネズエラから?と思ったら、それは違ったみたいですな。


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コーラスを見ていて、気づいたこと。
オケの皆さんはラテン系の方々がほとんどなのに対して、コーラスはえらくアジア系の方が多いではないですか。

あとでテロップで説明が出たのですが、コーラスは会場となったUC Berkeleyの有志メンバーの皆さんだそうで、なるほどぉ、と納得です。
いいなあ、こういうコラボ、嬉しいな。


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中・高と吹奏楽部に、大学ではオーケストラの末席に所属していたことがあるおかげで、楽器を学ぶ為に必要な資金や時間がどれほど必要か、わずかばかりですが知ってます。
同時に、ソロも良いですが、団体で演奏することの良さや学びについても、それなりに。
ですから、エル・システマについて聞いた時、真っ先に沸いてきたのは、それがどれほど効力があるかを信じる気持ちでありました。

楽器って、やっぱり安くはないんですね。
良いものを、と思えば思うほど、お値段はしっかり比例するわけで。
なので、こういった教育を行おうとすれば、当の楽器を提供するのが大前提になるのです。

お嬢が通っていた学校区では、小4からリコーダー、小5になったら好きな楽器を選んで、管楽器や弦楽器の音楽クラスが始まるんですが。
各自、楽器をどうするかというと、楽器店で購入しても良し、レンタルしても良し。
そして、家庭の事情で楽器が用意できない場合、Financial Aidも用意されていましたね。

教育予算が厳しい折、こういった音楽教育を継続してくれていることもあって、こちらの学区を選んだ我が家としては、Aidについても大変頼もしく思った次第です。


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しかしもちろん、何事も甘くはないわけで。
エル・システマも、どれほどの試行錯誤と葛藤を内包した活動であることか。

ですが、子供達に差し伸べる大きな手がそこに在る、ということ。
はねのけられても、差し出し続けようとする人達がいる、ということ。
自分が何が欲しいのか、欲しがっている気持ちそのものにも気づかなかった子供達も、きっといる中で。
恐る恐るでも自分の手を伸ばした先に、温かいものが待っていたことを知った子供がいたとしたら、これに勝るものはない、と思うのです。


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今ではベネズエラにとどまらず、アメリカやイギリス、ドイツなどで、それぞれの形で実践されているエル・システマ。
問題も障害も山積みかもしれませんが、確かな一つの成果と目標として、デュダメル氏とシモン・ボリバル・シンフォニーの存在意義は大きいことでしょう。

彼らのますますの活躍を祈って、最後に、彼らの名を一躍有名にした「Mambo」の動画をリンクさせていただきます。
あー、これも生で聴きたかったなーーー。つか、演奏したいなーーー。


Mambo! • New Year's Eve Concert 2007 from Caracas

     


Simón Bolívar Symphony Orchestra of Venezuela (オフィシャルサイト)

Gustavo Dudamel (オフィシャルサイト)
by senrufan | 2015-12-07 11:15


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