「ほっ」と。キャンペーン

その地図は多彩な色に満ち

「すべての物を失っても耐えられる心。
また出直せばいいと思える強さ。
何事にも動じない自分。そうした内面のしなやかさを持つことが、
幸せな人生を歩む上での糧になると私は思っています。」
   ----- 柳田邦男
       (日本人、作家、1936年6月9日生まれ)
   (※差し替えました、申し訳ありません!)


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日本滞在中、Rogiさんと映画を観に行った後、映画館の地下にある、無印良品のカフェに行きました。
この時まで、無印がカフェを運営している、ということも知らなかったので、大層驚いた田舎モンでございます。


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天井が高く、広々とした店内は、それこそ無印で販売されているに違いないテーブルや椅子、食器が揃えられていて。
女性のお客様も多かったのは、メニューの内容からも納得。
ガラスケースの中に並んだおかず類から数品選ぶ形の食事は、量より栄養バランスを考えるれでぃ達に、好評なのでありましょう。


こちらベイエリアでも、昨年サンフランシスコに、そして先日はサンノゼに店舗をオープンした、MUJI USA
円換算すると、どうしてもお高くなってしまう為、まだ訪問しておりませんが、
当分日本に行く予定もない今、恋しくなったら、買いに行ける距離にMUJIがある、というのは、大変ありがたいことでございます。


Café & Meal MUJI (新宿)
〒160-0022 新宿区新宿3-15-15 新宿ピカデリーB1F

* * * * *

【映画】

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日本滞在記の最後は、Rogiさんと観に行った映画について、です。
新宿の映画館に行ったのですが、これがまた綺麗で清潔で、映画のみならず、そんなところにも感動した日でありました。

タイトルは、「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」
アメリカはNYに住むドロシーとハーブ・ヴォーゲル夫妻と、彼らのアートコレクションを追った、日本の佐々木監督による、ドキュメンタリー作品です。
厳密に言えば、こちらは実は、「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」という映画の続編にあたるそう。
各国の映画祭で様々な賞を受賞した前作ですが、無知な私は全く知らず。

なので、本来は前作を観てから、の方が良いのかもしれませんが、この作品だけでも、感動ポイントが沢山。
Rogiさんが誘ってくださったおかげで、素晴らしい作品に出会うことができました。(愛感謝)




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郵便局員のハーブと、図書司書を勤めるドロシー夫妻。決して楽ではない生活の中、こつこつと買い貯めたアート作品は、なんと約5,000点。
大切な作品達を一つも売ることなく、全てをワシントンD.C.にあるNational Gallery of Artに寄贈することを決意します。
ですが、あまりの点数に、とても一館では収納しきれません。
そこで生まれたアイディアが、「全米50州の美術館に、50点ずつを寄贈する」という、「50X50」プロジェクト。
この続編では、美術館の選考、寄贈する作品の選択、美術館やアーティスト達の反応など、このプロジェクト全体の流れを、丁寧に記録しているのですね。

前例のないこと、と言っても過言ではない”偉業”に、目を見張るばかりでありました。
投資対象として美術品を買う人達も大勢いる中で、自分達の生活さえ苦しいのに、ゆっくりとコレクションを増やしていく。
初期の頃はともかく、後半にいたっては、かなり値上がりした作品も多かったでしょうし、1点売れば、それだけで結構な額になったことでしょうに、決して手放すことはなかったのですね。

それも、その「買い方」が良いのです。
・あくまで、自分達のお給料で買える値段であること
・1ベッドルームという、彼らのアパートに収まるサイズの作品であること
・作品は、ミニマル、及びコンセプチュアリズムを中心とした、現代アートの作品であること

これらのルールに従って集めた作品は、どんどんと居住スペースを侵食し。
壁などに飾るスペースがなくなった後は、ベッドに下に積み重ねられ、彼らのベッドがどんどん高くなっていく始末。

それでもコレクションを止めることがなかった理由は、推して知るべし、なのでございます。


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貧しい移民の子として生まれたハーブが、図書館の本によって独学でアートを学び始め、結婚後に大学でアートを専攻。
アーティストとして立つことはなく、あくまでコレクターとして芸術に関わり続けたハーブの、しかしアートに対する深い造詣が、様々なアーティストとの交流を生み、また作品購入の際の鑑識眼の礎となります。
ドロシーも、最初はそこまででもなかったのが、ハーブと共に歩むことで、彼に負けない情熱を得ていったのでしょう。

無名であったアーティスト達の作品を買い、援助し、そしてアーティスト達が有名になっていく、その過程。
自分自身に重ねて嬉しく思う気持ちもあったのか、それともただひたすらに、コレクターとしての喜びのみであったのか。

この映画では、美術館の舞台裏も見られるところが、また面白く。
彼らの寄贈を受け取ることが決まった美術館側の、どうやって展示すべきかのプランや話し合いも、大変興味深く。
中には、展示ルームにヴォーゲル夫妻の居間を再現し、彼らが椅子に座って作品を眺めるという設定で、絵の位置まで注意深く決めていくシーンなど、胸が熱くなるばかり。

芸術を愛してやまない、ただその一心で。
夫妻が、作品を描いたアーティストが、美術館の職員達が、真摯にプロジェクトに打ち込む姿は、
淡々としたフィルムのペースにも関わらず、静かに感動を降り積もらせていってくれました。


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展示が公開された美術館を訪れては、観客の反応を眺めたり、美術館員達との語らいを楽しんだりする2人。
ライフワーク、という言葉が、すんなりと浮かびます。

ああ、こんな風に展示されたのね。どう思う? 
この絵を買った時は、ああいうことが起こったのよね。
そんな感じで、ハーブに優しく話しかけるドロシー。
寡黙で語ることがほとんどないハーブの、目から、表情から、仕草から。
彼の感情を、言葉を、読み取って。

年をとって、車椅子に乗ったハーブを、後ろから押していくドロシー。
子供はなく、猫を家族としながら、文字通り、足の踏み場もないほどに作品に埋め尽くされた、アパートでの生活。
彼らの姿を見ながら、2人の歴史を想い描きながら、静かに涙が流れるのを止めることができませんでした。


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最後に、ハーブがこの世を去った後で、残った全てをも寄贈するドロシーの姿が映ります。
2人の歴史そのものであったアパートが、どんどんと空っぽになっていき。
最後は、お別れを言って、ドアを閉めるのです。

ドロシーにとって、コレクションとは、ハーブとの結婚生活、そして共同事業そのもの。
パートナーがいなくなったと同時に、終わりを告げたように見えたのでありますが。

彼らの歩みは、歴史は、今や全米の美術館で触れることができますので。
ドロシーにとってこれからは、各美術館を訪れては、作品に再会し、2人の足跡を確かめることが、何よりの喜びとなるのでしょう。


ヴォーゲル夫妻の膨大なコレクション。
その素晴らしさ、偉大さ以上に、私にとっては、親友であり戦友であり、最高のパートナー同士であった夫妻の姿そのものが、何よりの贈り物でありました。


日本語公式サイト: 
 ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
 ハーブ&ドロシー ふたりからの贈り物

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by senrufan | 2013-06-09 11:01 | Trackback | Comments(10)
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Commented at 2013-06-12 02:50 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tomi at 2013-06-12 07:07 x
miyukiさん; とても良い映画を観られましたね、佐々木監督もこの映画を作製するには沢山の時間と考えを纏めたのでしょうね。
この映画の話は聞いた事がありますが 私は映画といえば絵空事の 恋愛ものか、歴史ものが好きですから観に行っては居ませんきっとこの映画はアメリカでも公開されていません?何かで宣伝を見た気がします。

ところで muji 無印のお店は先日 大阪に行きました時に なんば の駅のそばに大きい店舗があり そういえば食料品も売っていたな~と思います。
こちら LA にも有ります これで シルバーレイクなど辺りにはエコや有機能野菜やベジタリアンが沢山住んでいますから、彼等はとても熱心ですね。
話は変わってさきの ブログで ベビーシャワーをなさって居ましたね、懐かしいですよ私の主催の最後の ベビーシャワー は
10年前です、その子はもう生意気な小学生になってね、私の若い親友です、彼女は UC DAVIS を出て今は敬老施設の Activity マネジャーをしています と 貴女とは少し(どころか)世代が違いますが 何か気が合います方ですよ、アナタは。
Commented by Miyuki at 2013-06-12 10:29 x
*非公開コメントさくさん
全然知らなかったです、あーーーりがとーーーー!! 博識なさくさんに、改めて脱帽でございます。愛してる(真顔)

忙しいのに、そちらもありがとねえvv それを口実にまた会いたいと思ってるだけの私を許して……(そっとうつむく)
Commented by Miyuki at 2013-06-12 10:35 x
*tomiさん
はい、映画館に行ってまでの映画鑑賞の機会もめっきり少なくなってしまいましたが、その分感動がひとしおでございました。私も、映画や小説には娯楽を求める傾向が強いのですけど、たまに観るドキュメンタリーはやっぱりいいですねえ♪

おおっ、tomiさんも行かれましたか! LAはさすがに大都市ですね♪ 日本の雑貨や文房具って、もっともっと世界に出ていいと思うんですよねえ。素晴らしいクオリティですものね。
そうそう、シャワーをすると、その子の成長がまた楽しいですよね! 若い親友、うわあ、いいなあ~、憧れますvv 私も親友になれるようにがんばらねば。おばあちゃんと孫感覚になっている場合ではないのかも(えっ!?)
えへ、そういう風に言っていただいて、すっかり舞い上がっております。普段ほめ言葉に縁がないもので、すーぐ天に昇ってしまっておりてこられなくなるんですよ(爆)
Commented by さく at 2013-06-12 10:38 x
いやいやこちらこそ、なんか出過ぎた真似を、かなと思ったんだけど、彼があれを自分のものにしちゃってるとしたら、ちょっと驚きでした。こちらこそまたおしゃべりに付き合ってねー。
Commented by at 2013-06-12 13:30 x
みゆきさん!
ご無沙汰しております。素敵な映画ですね。是非鑑賞したいです。日本での粗相もありましたため(そうでなくても、久々にお会いしたいです!)、是非お詫びも兼ねてお食事かお茶をご一緒させてください。いつでもお時間のあられる時にご連絡ください!
Commented by 悦ちゃん at 2013-06-13 08:53 x
ありがとう!早速Netflixに入れました!
Commented by Miyuki at 2013-06-13 14:46 x
*さくさん
とんでもないのだ、助かったのだー。うーん、彼のしわざではないとは思うだけどね。また会える日を楽しみにしてるね~♪
Commented by Miyuki at 2013-06-13 14:47 x
*薫さあああん
わーいわーい、お久しぶりです!! 粗相なんてカケラもありませんでしたが、それを口実にできるなら大歓迎。はいっ、お言葉に甘えて、近日中に連絡させていただきます! ご覚悟を~(笑)
Commented by Miyuki at 2013-06-13 14:48 x
*悦ちゃん
楽しんでくださいねー♪ 私も前編の方を探してみなければ。


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