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小さな足が、海を越え (2)

「尊敬すべき幸福な人は、
逆境にいても、つまらぬことはくよくよせず、
心配しても始まらないことは心配せず、
自分の力のないことは天に任せて、
自分の心がけをよくし、
根本から再生の努力をする人である」
   ----- 武者小路実篤
       (日本人、作家、1885年5月12日生まれ)


チャリティーガレージセール、おかげさまで無事に終了いたしました。
晴天の下、沢山のお客様に来ていただけた上、大物は大多数がお嫁入り、ほかの商品も予想以上に売れまして、スタッフ一同、ハイファイブ。

今回はガレージセールということで、現地の方々にふらりと来ていただいて、買い物してもらえたら、という思いがありまして。
加えて、せっかく皆さんに寄付していただいた品々ですから、1つでも多く、誰かの手に渡ってくれたら、という願いもありまして。

結果、テキーラの国の方々でさえびっくり、という安いお値段設定に。これ、自慢することですか。
おかげで、セール名物の値切りもほとんどなく、一回買い物された後、また来られる、というお客様も何人か。
ありがたや、ありがたや、でございます。

助成金がおりないという困難の中、明るくがんばっていらっしゃる「おだってばりぃで」のお母ちゃん方に、皆さんのお心を届けさせていただきます。
ありがとうございました!!


また今回、大人気ブロガーのchiblitsさんに、多大なるご支援をいただきました。
毎日数千人の方々が訪れるchiblitsさんのブログで、毎回お知らせを載せてくださったことで、
今回はひっそりと小規模で、と思っていた我々は、思いがけない喜びと励みをいただくことになりました。

ご本人様からも物品寄付のみならず、当日の温かい寄付までいただき、ますます募るファン心。
一同、心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました!(三つ指ついて)


Bay Area HEARTの次については、まだ白紙に近い状態でございます。
ですが、こういった形の有志メンバーによる小規模イベントやリサイクル品集めなど、細々と、でも出来る限りの長さで、続けていきたいと思います。

お知らせについては、今後ともFacebookのページにて。
また皆様にお目にかかれる機会を楽しみにしております。

Bay Area HEART

* * * * *

【学校】

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思いっきりぐだぐだ拡散シリーズ、第2弾。うん、定義、間違ってません。
今回は、ううううむ、学部選択の話、とか。

お嬢は現時点で、ですが、将来やりたいと思っている仕事がありまして。
その為には、大学で歴史か考古学を専攻し、その後、修士以降に進もう、という希望があるのですね。
なので日本の大学受験でも、文学部一本やりであったのです。

ところが、前にもちらっと書きましたが、日本の大学の帰国子女受験においての、文学部の地位の低さに、心から驚いたのでございます。




予備校の帰国子女受験コース文系に入り、最初に自己紹介を兼ねて、一人一人志望学部と志望理由を言っていったそうなんですが。
お嬢のクラスの20数人のうち、7割が法学部、3割が経済学部志望。文学部志望はお嬢一人、という実態。(愕然)

それも、志望理由がふるってまして、
「親がいけと言ったから」
「就職率が良さそうだから」
の、どちらかだけであったそうなのです。
日本のティーン特有の照れもあったのかもしれない、と思いたい。

○○の仕事をしたいので、文学部で歴史を専攻したい、と述べたお嬢に対し、先生は、
「茨の道だぞ」
と一言おっしゃったそうでございます……


私、ずっと文系でした。 理系の人って なんで 文系を見下すの??

茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【文系・理系という言葉を死語にしたい】連ツイまとめ


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志望専攻が決まってないのは、構わないと思うんですよ。
18歳かそこらで、将来の希望する道がはっきり決まってる子なんて、早々いないでしょうし、決まってるべきとも思いません。
むしろ、大学受験=学部受験になっている実態をあらためてもらえないものか、と思うんですよね。

米国の大学申し込みでは、専攻を決めて申し込んでも良いし、Undecided(未定)として申し込む方法もあり。
そして入学後は、様々なクラスを受けながら、自分がやりたいことを見つけていくことができますし、なんなら専攻を2つ取ることも可能です。

対して、日本の大部分の大学においては、学部未決定受験がないだけでなく、入学後の転部も、大変な苦労と手間がかかります。
専攻を2つ、というのも、個人的に外部資格を取るのならともかく、
学士を2つ認めるというのは、私の知っている範囲(狭い)では、聞いたことがありません。

だったら、最初からより安全な道を、学部を選ばねば、と思う子供達や親御さんを、責めることはできませんよね。
それを薦める先生方は、かなり責められていいのでは、と思いますが。(酷)


ただ、それが偏差値と結びつくのが、日本流。
結果、文学部の偏差値は低くなり、滑り止め扱いになり、果ては、文学部の帰国子女受験枠自体をなくす大学も多々。
第二言語ができる、というのが帰国子女をとりたい理由の一つなら、文学部が欲しがったって良いと思うんですけどね。(ブーイング)

大学がこうだから、予備校がこうだから、社会がこうだから。
帰国子女受験では、文学部のランクは下のまま。
お嬢のように、それでも敢えて文学部を選ぶ人間は、「ガチ文学部」と呼ばれて異端視(?)されることを、予備校生活の間に知りました。

ちなみに、お嬢が入った大学の一般生の間では、そこまででもないらしいです。
文学部の一般生希望者には女子が多い分、成績も良かったりするのですよね。

ですが帰国生の間の、「文学部は滑り止め」という”常識”が、彼らの間で、簡単に拭い去られるわけではないのでして。
お嬢はなまじ、予備校で成績が良かった為、妙に有名人扱いされていたりして、そこも彼女的カルチャーショックや居心地の悪さに拍車をかけていたのですが、まあ、それはまた今度として。
なので、お嬢がガチ文学部ということについて、これまた色々あったのでございます。

「なんでオマエが文学部なんかに!?」 「あの成績なら、絶対経済でしょ!?」
そう言われたところで、本人的には、ほめ言葉では全然ないのですな、これが。

大学に入学後、キャンパスで、予備校時代の知り合いの男子達に遭遇したお嬢。
久しぶり~! と挨拶後、その子達に、
「俺達経済だけど、全然会わないね。もしかして勘違いで、法学部だったっけ?」
と聞かれたんだそうです。
文学部だよ、と言ったら、どっひゃああぁぁ、みたいな顔をされて、しかもなぜか真剣に謝られたんだそうです。

別れた後、お嬢の背後で聞こえた、彼らの会話。
「だってまさか、彼女が文学部だなんて思わないだろ!?
あーあ……。(肩落とし)


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ただ、そうは言っても、うん、わかります。
だって、親ですから。少しでも子供には良いように、と思うのが当たり前ですから。

実際、旦那は文学部に反対してたんですよ。今でも、ほかの道も探しておいた方が良い、と言ってます。
社会の色々を間近で見ている彼にとっては、それが正直な実感で。
お嬢の夢を応援してやりたい、という気持ちと、それでも、きちんと自活できる人間に、という気持ちの板挟み。
それを言うなら、そのずっと前に、アメリカの大学と日本の大学の板挟み……

私はというと、実は文学部出身で、専攻は歴史に進もうかどうしようか、最後まで悩んだ口でしたから、お嬢が歴史系に進みたい気持ちは、痛いほどわかるのですね。
本が好きで、歴史が好きで、色々あれこれ、知りたくて。そういうところが、大変似たモノ母娘。
ですので、お嬢の史学に進みたいという望みを、目一杯応援してやりたいのでございます。
好きなことを専攻として、勉強できる楽しさ。これぞ、彼女に大学で味わってほしいこと、なのですよね。

しかし、バブル期の卒業生であった私の時代(恐竜が歩いてた)とは、今は大きく様変わり。旦那の心配も、最もなことであり。
就職等については、最終的には、その時代の若者の感覚が一番、とは思ってますので、私達世代の価値観を押しつけるようなことはしてはならない、と堪えつつ、それでも心配せずにはいられません。親ですから。

周囲に流されることなく、自分のやりたいことを貫いてほしい。
それを理想としながらも、それでも一番の望みは、彼女自身が幸せ、と思える日々を過ごしてくれること、でありますから。
好きなことを仕事にできて、日々の糧を稼ぐことができれば、どれほどか、と願うのですけれど。

18歳で、高校から先の進路に進もうとする時に、ここまで狭めなくてはならない日本の大学。
なんとかならんものか、と思いながら、そうやって選択できることさえも、実は贅沢なのだ、ということも知っています。


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ここからまた、斜め方向にずれていきますが。(デフォルト)
悶々としていた時に、ふとネットで紹介された本が、こちらです。

 女子学生、渡辺京二に会いに行く

思想史家・歴史家であられる渡辺京二氏のところに、津田塾の三砂ちづる先生ゼミの学生達が訪れて、色々と話し合った2日間の内容をまとめた本なのだそうです。
いつか必ず読んでみたい本、としてリストに上げているのは、以下のような渡辺先生の言葉の抜粋を拝読したからです。

「本を読みたければ、読めばいい。女優をやりたければ、やればいい。誰がなんと言おうとも」
「人生は無名に埋没するのがよい」
「就職できないとなぜ、社会に必要でないと思うのか」
「自己は生まれた時から実現している」
「あなた方の親は、おまえどうぞ生き延びてくれ、しっかり生きてくれ、できれば幸せになってくれ、と言っているだけでございます。世の中に貢献しろ、なんて言ってはおりません。望んではおりません」

幸せであって欲しいだけ。等身大の幸せを得てほしいだけ。
ほんとに、望んでいるのはそれだけ、なのですよね。

先生の、「人生は無名に埋没するのがよい」という言葉を受けて、ある学生の発言がありました。

「こんなことをわたしたちの年代の人間に言ってくださる方があるなんて、なんてありがたいことでしょう。グローバルに活躍せよとか、リーダーシップを発揮してとか、そういうことばかり聞いてきたから」

『女子学生、渡辺京二に会いに行く』の女子学生からの感想が届きました


幸せに生きてほしい。だからこそ、少しでも良い大学に、良い会社に。
結果、子供にあれもこれもと望んだり、強制したり、舵取りしようとしてしまうことについては、日本に限ったことではありません。

グローバル化だの、国際人になれだの、一体なんなんだろうなあ。
すんごく前の過去日記なんぞを読み返したりしながら、何度目かのため息をつきながら、
お金で回るこの世界で、ため息ですんでいるうちは幸せなんだよね、とイタいことも考えてしまうのです。(アイタタタ)
by senrufan | 2013-05-12 11:16 | 東日本大震災


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