人生にYESと言う為に

「これから何年、何十年生きても、おそらく人生というものなど解りっこないに違いない。
ただ、そうした解らない人生というものの終局点に立ったとき、人生を肯定する立場に立っていたい」
   ----- 井上靖
       (日本人、作家、1907年5月6日生まれ)


異常な鼎談 福岡伸一 前編1/3



以前、こちらの日記で、ルドルフ・シェーンハイマーの研究について、ちらっと書いたことがあるのですが。
↑のTV番組で、このことについても触れた、大変面白い内容が説明されているので、お時間のある方はぜひ。
前編3つ・後編3つで、計6回に分かれてます。

「You are what you eat (あなたはあなたの食べたもの)」
身体を作る為に、何を食べるか。
その選択権は、あくまで自分にある、ということを、日々自分に言い聞かせております。


つまり、言い聞かせなければ、すぐ忘れてしまう、という鳥頭。

* * * * *

【アクティビティ】

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マクロビオティッククラブのゆかさんから、素晴らしいお料理教室の案内をいただいたのは、2月ぐらい、だったかな。
メンバーのpyonさんのお知り合いで、アメリカのKushi Instituteで、ヘッドシェフを勤めていらっしゃった河合さんが、このエリアに来られて、お教室を開いてくださるというではないか。

pyonさんのご人徳&ご人脈、そしてゆかさんの実行力に、またまた深くひれ伏して。
一も二もなく飛びついて申し込んだのは、言うまでもないんだな。




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男性シェフの方に教わるのは全く初めてで、そういうところも含めて、学ぶ点満載だったお料理教室は、サラダからデザートまで、5品を調理する内容。
まずは素材の下ごしらえから、なんだけど、これこそが正にマクロビオティックの大事な点なのだ。

許す範囲で良い素材を選び、許す限り、丸ごと使う。
大事に包丁を入れて、直接食べるには難しい一部分だけを取り除き。
それらは全て、スープの出汁に使うのだ。


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包丁の使い方、素材の切り方も、勿論教わって。
ただやたらと早いだけでは、慌しい料理になってしまうけど。河合さんの場合、ためるところは静かにためて、見定めたら速さを出して、でも、いつでも望む位置で止まれるような。
そんな安定感に溢れていらっしゃる。


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バラエティに富んだメニュー内容のおかげで、煮る、炒める、和える、焼くなど、それぞれの調理での河合さんのやり方を、目の前で拝見することができて、この上ない贅沢な時間。
お料理教室も色々あって、それぞれの楽しさがあるのだけど、マクロビの教室の場合は、いつも心がしずめられる、というか。
着実に時が進んでいく中で、その一瞬ごとが心に触れてくるような、そんな感じを抱くのだ。


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それは、素材を余すところなく使うスープに似て。
命をいただく、という意味を、頭ではなく、身体で感じさせてもらうから、なのかもしれないね。


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普通では捨ててしまわれるような野菜の切れ端と、一切れの昆布だけで、どうしてこんなに澄んだ、甘い味がでるんだろう。
それが染み渡る感覚が自分にあることを、とても幸せに思ったり。


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学びの山を楽しく越えた後は、待望の食事の時間だよ。
玄米ご飯におかずにサラダ、なんとラーメンまで一緒だよ。


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全粒大麦入りの玄米ご飯には、ごま塩をかけて。

グリーンアップルが入った浅漬けは、蕪と赤キャベツ、にんじん、そしてDulseが入ってる。
春の気候に合わせて、優しい酸味が入ってる。
さっとゆがいたケールを、たっぷりと添えて、彩りも美しく。

皆に大好評だった甘辛テンペステーキは、河合さんのお友達がOregonで作られているという、オーガニックのテンペ。
これがもう、今までのテンペはなんだったの?と思うぐらいに、柔らかくて美味なのだ。
販売先をうかがったので、ベイエリアからの注文が殺到するに違いないであろ。


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イタリア風のヴィーガン・ラーメンは、エンジェルヘアを使ったスープパスタ。
にんじんや玉ねぎ、梅などを使ったスープペーストは、トマトを使ってないのに、トマトのような風味。
美味しい出汁と混ぜれば、美しい山吹色のスープが出来上がる。
野菜をこれでもか、とばかりに盛ったラーメンは、ごくごくシンプルな調理だけで、なんでこんなに美味しいんだろ。(幸せのため息)


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デザートのフルーツコンポートの豆腐クリーム添えも、見るからに味の優しさが想像できて、
実際に食べても、ほんわり、と穏やかな気分になるんだな。
ローの、生き生きと高揚するスイーツも大好きだけど、マクロビのお菓子はなんというか、日常の土台の一部、みたいに感じるんだよね。


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美味しい食事をいただきながら、河合さんに沢山のお話をうかがった。
25年に及ぶマクロビオティック実践歴をお持ちだけど、最初はマクロビだと知らなくて働き始めたこと。
世界のあちこちをバックパッカーとして周られたこと、久司道夫先生の元で、病人を癒す食事を学ばれたこと。
歩んでこられた道をじっくり教われば、きっと何日もかかってしまうぐらいに、本当に”満ちた”人生を過ごしていらっしゃるのだなあ。
そして、それだけのご苦労もされていらっしゃるだろうに、カケラも見せられないのだな。


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野菜を切っている時に、淡々とお話しされたこと。
幕内秀夫さんが良くおっしゃるのだけど、例えばプロの栄養士さんのように、知識が豊富な方は特に、一日に必要な栄養素の数字を満たすことに重点を置いて、それが身体にどういう作用を及ぼすか、ということが二の次になっている場合があるよね。
栄養を考えるなら、食事じゃなくて、サプリメントで摂ったって一緒だろう、とかね。

河合さんがにんじんを手にしながら、淡々とおっしゃったのは、
にんじんを調べて、その栄養素を集めて固めても、にんじんにはならない、ということで。
にんじんが、にんじんとして在る為には、数字などでは計れない、多様な要素があるのだね。

冒頭のビデオ内に出てくるように、ネズミが食べたものが、色づいた細胞となって、その身体を作っていくように。
刻々と作られていく私達の細胞が、一体何から出来ていてほしいのか、と思った時に、私が望むものは何だろう。
問い直してみても、その答えは、例えば以前に書いたことなどから、特に変わってないのだな。


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土と太陽と水と空気、様々なものを得て、植物は育っていくわけで。
その植物なり、ほかの動物なりを得て、動物は育っていくわけで。
そして死んだら、その身を土に還して、また他の命の糧となってゆく。

自分が何かの糧になるなら、余すところなく食べてもらって、喜んで欲しいと思うから。
自分が何かの命を食べる時も、感謝しながら、余すところなくいただきたいと思うから。
それは数値では計れないこと、と考える気持ちが、私をマクロビオティックに向かわせる。


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河合さんも決して、「~してはいけない」とはおっしゃらなくて。
だってマクロビオティックには、法則はあっても、ルールはないからね。
自分で考えて、自分で体験して、自分で選んでいくこと。
何が必要か、何が欲しいのか、食事だけでない、環境全てをひっくるめた「食べ物」に対して、見極める目を持てるようになれたら、どんなに素敵だろう。

「食べ物」と「食べ方」で作られていく、自分という存在。
肯定できるだけの自分でいる為に、選択を繰り返していくのだな。
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by senrufan | 2012-05-06 10:25 | Trackback | Comments(14)
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Commented by Tomo at 2012-05-08 12:31 x
素材の全ての旨味を余す事なく使い切ったスープ、、とっても美味しそうですね。きっと体が癒されるような味なんでしょうね、、、。

Commented by peartree22 at 2012-05-09 09:30
「にんじんを調べて、その栄養素を集めて固めても、にんじんにはならない」。あー、そうです、その言葉!先日、とある友人達と食べ物の話をしていて、上手く説明できなかったことがあります。「だって、純粋な栄養だったらサプリが手っ取り早いし、一番なのじゃない?」なんて発言もあったりして、うーーん、違うんだよぉと言いたいけれど、上手く説明できなくて。

福岡先生の話、何度もテレビで伺ったり、新聞で対談を読んだりして「面白い!」と思っていたのに、まだ本は読んでません。読まねば!紹介してくださったビデオを見て、ますますそう思いました。書店へGo!
Commented by KawazuKiyoshi at 2012-05-09 10:44

今日もスマイル
Commented by Miyuki at 2012-05-09 12:47 x
*Tomoさん
はい、とても優しい滋味でした。実は家でも、野菜くずをためて、スープストックやソースなどの材料にしてはいるのですが、どうしても日数がかかってしまうので、新鮮な味にはなりにくかったり(笑) ある意味、思い切りも必要なんですねえ。
Commented by Miyuki at 2012-05-09 12:52 x
*ちゃん・りーさま
そうそう、それなんですよ~。私も、何度か同じ思いをしております。でもねえ、理詰めで言われると、なかなか反論できないこのバカ頭をなんとかしたいものだと……(そっと涙)

私も本を読んだことはないので、一度ぜひ、と思いました! というより、さすがちゃんさま、お名前をご存知だったこと自体がすごいです~vv
Commented by Miyuki at 2012-05-09 12:52 x
*Kawazuさん
食あってこそ、と思います。
そして、スマイルが♪
Commented by こっぺ at 2012-05-09 16:00 x
おいしいテンペに興味津々。
そうなのです、栄養学を知れば知るほど、まだまだな分野だな〜と思うのです。自分なりにずっと追って行きたいな〜と思います。何を食べるかじゃなく、どう食べるかなんですよね。簡単で難しい。。。
Miyukiさんの食べることへの向き合い方というか眼差しが安心できます。だめっていわれると反発したくなるもーん。笑
Commented by こっぺ at 2012-05-09 16:03 x
書きそびれたけど、こうして写真を拝見するとここの調理道具たちがまた素晴らしいですよね。って本人に言え?笑
Commented by Miyuki at 2012-05-10 12:08 x
*こっぺさん
テンペの販売先、お教えしますよー。でも手作りのArtisanテンペなので、量産ができず、現在ベイエリアからの注文で手一杯みたいです(笑)
おっしゃる通り、何を食べるかだけに目がいきがちですが、どう食べるかがとても大切なんですよね。それが私が難しくなっちゃうのは、ヨクボーまみれだからです、ぐっすん。
そうそう、ダメって言われたり、ちょっとでも決めつけ色が入っただけで、ちょー反発します! ので、自分勝手に解釈して、好き勝手にやるのです、えっへん。
Commented by Miyuki at 2012-05-10 12:09 x
*こっぺさん再び
ねー、いっぱい揃ってるし、テフロンは使わないし。ぜひぜひご本人にも伝えてあげてください(笑)
Commented by pieces_Yoshino at 2012-05-10 18:33
ベイエリアでのマクロビオティックの浸透って、どれくらいなんでしょう??Miyukiさんのような在住の方の生のお話をブログで気軽に読んで知れるようになるって、今の時代はありがたいですね〜♪私も福岡伸一さんの「動的平衡」を読みました。自分の体は絶えず流れる河のようだって。同じに見えても、少しずつその中は入れ替わっていくんですよね。7月に渡米するので、機会があればこのようなクラスに参加できたらいいなと目論んでます♪
Commented by Miyuki at 2012-05-12 08:30 x
*Yoshinoさん
うーん、私もごく一部しか知らないのですけど、マクロビオティックを真剣に実践している方々から、食に関心があって、ゆる~く実践してらっしゃる方々まで人それぞれですが、人数としてはそれほど多くはないような。ただエリア全般が食に意識が高いところではあります。おっしゃる通り、ネットのおかげはほんとに大きいですよね!
おお、そのお言葉をお聞きして、ますます福岡さんのご本を読みたくなりました。えーっ、渡米されるのですか!? ベイエリアだったら、マクロビのクラスはなくても、ベジタリアンのクラスは現地のものが色々ありますよ~♪
Commented by pieces_Yoshino at 2012-05-12 10:34
そうですか〜。マクロは知ってる人はしってる、みたいな感じなのかも?ベジやヴィーガンの方はきっととても多いのでしょうね。今回はひと月近くSFに滞在する予定なので、一人でも出かけられそうなベイエリア内でベジクラスなどに出てみたいです^^なにか素敵なクラスに出逢えるといいなと思います。
Commented by Miyuki at 2012-05-12 13:37 x
*Yoshinoさん
マクロは、日本人の方は名前はご存知でいらっしゃるのですが、現地の人にはなかなか、という印象です。でも菜食人口は多いので、外食などにも不自由することがなくて、本当にありがたいエリアです♪ おお、SFにいらっしゃるのですか! もしお時間があれば、どこかでお会いできれば嬉しいのですが。


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