信じるものは自分の眼

「文章というものはそれだけが宙に浮いて存在しているわけではなく、内容があっての文章である。
地面の下に根があって、茎が出て、それから花が咲くようなものである。
その花を文章にたとえれば、根と茎の問題が片付かなくては、花は存在できないわけである」
   ----- 吉行淳之介
       (日本人、作家、1924年4月13日生まれ)


国名を意味通り訳した地図を作ってみた

少し前に話題になっていたので、ご存知の方もいらっしゃるかも。
WikiのList of country-name etymologiesを元に作成された、英語版の、「世界中の国名を、意味の通りに訳した地図」。
それを、更に日本語名に訳してくださったのでございます。

記事内の地図をクリックされると、拡大版で見られますが、一応こちらのリンクも。

これ、本当に面白い!です。
何が面白いって、地域によって、なんかこう、名づけ方の傾向があるように思える、というか。
例えば中近東は、やっぱり戦いの国だけあるなあ、とか。
アフリカは、昔話そのものだなあ、とか。
日の出ずる処の国から来て、商人の息子の国で暮らす人間は、眺めながらにまにましたわけです。

日本の歌や広告などで、外国語を使っているのを見聞きすると、
これをネイティブの人が聞いたら、どう思うんだろう、なんて思うことが多くて。
外国で、日本の言葉や文化を、もじったり使ったりしたものを見聞きするたび、くすぐったくなったり笑ったり、色々と感じてしまうように。

そんなささやかな疑問が、この地図でちょっと解消されたように思えてしまったのでありました。

* * * * *

【アクティビティ】

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サンフランシスコはLegion of Honorで開催中の、「The Cult of Beauty」を観に行ってまいりました。
ゆかさん&お嬢ちゃま、ゆみたちさん、お嬢、そして私というメンバーで。

大英帝国の絶頂期と言われる、ヴィクトリア朝
ヴィクトリア女王の統治期を指す言葉、と思っておりましたら、まあ実際そうなんですが、この場合の”朝”は”王朝”の意味ではなく、”時代”の意味なんですって。

お嬢も私も、この時代の英国は、すごく好きでありまして。
といっても私の場合、なーんの知識もないままに、単に好きー、というだけで。(いばる)
ヴィクトリア時代を舞台にしたミステリー、なんて大好物。アン・ペリーの「見知らぬ顔」など、良いですぞ。(聞いてねえよ)
それに対してゆかさんは、正にこの時代の信奉者。その博識ぶりは、何時間話をうかがっても足りません。
彼女という素晴らしいガイドさんに案内されて、存分に楽しんでまいりましたですよ。

この日はちょうど、何やらヴィクトリア時代の衣装での集まりがあったようで、展示会場にも沢山の、絵から抜け出したかのような衣装の方々が。
ちょっとだけタイムスリップ気分での、華麗な芸術品の鑑賞タイムでありました。



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さて、例によって、展示会での分類タイトルなど書くとして。

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Victorian Industrialization:Social Realities

London's Great Exhibition and Design Reform

Aestheticism:The Cult of Beauty

Beauty for Its Own Sake

Aesthetic Design and Japonisme

Aesthetic Classicism

The Grosvenor Gallery

The House Beautiful:Aesthetic Architecture and Interior Design

Whistler's Nocturnes

Aestheticism:From Fashion to Fad

Sensation for Its Own Sake:Decadence

Aestheticsm's Late Flowering

The Peacock Room

"Artistic" Fashions

The Gold Scab and Whistler's White House

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あー、きっと色々抜けてる & 間違えてるなー、こりゃ……まあいっか。(殴)


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さて、この時代において、忘れてはならない人物が。

Dante Gabriel Rossetti (ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

James Abbott McNeill Whistler (ジェームズ・マクニール・ホイッスラー

Edward Burne-Jones (エドワード・バーン=ジョーンズ

William Morris (ウィリアム・モリス

John Ruskin (ジョン・ラスキン

美術史上、ラファエル前派という一派があるのは知っていたものの、ルネッサンスのラファエロより前ってどゆこと、などと思っただけで、調べもしなかった大ボケ野郎は私です。(開き直り)
つまり、上記の方々がメンバーとなって活動していたグループが、正にこのラファエル前派。但し、バーン=ジョーンズやモリスは次世代、と見做す向きもあるようで。
19世紀半ばの英国で、自然をつぶさに観察し、忠実に描写し、感情を直接的に表現することを目的とした、彼らの芸術運動は、思想家・美術批評家のラスキンに、大いに影響を受けたものだそうです。

今回の展示会で、彼らの作品を色々拝見しましたが。
とにかく色彩が艶やかで、細密的な描写は見事なもの。
ですが同時に、デッサンの狂いや表情のあざとさなど、神聖さを期待する宗教画であっても、人間的な俗っぽさと、これが最高だと主張するがごとくの傲慢さが、一面ににじみ出ているような。
でも、それがまた美しくて、とにかく惹きつけられてしまうんですね。

この時代の文化人として、オスカー・ワイルドの存在も輝いていますが、彼の作品こそ、正にそういう思いを抱かされ。
見たくない人間の暗部や醜さを突きつけられるのに、その器があまりに華麗な為、忘れたくても忘れられない、といったような。
そう思ったら、やはりこの展覧会の一角に、ワイルドの足跡を示すコーナーがありました。


     Cult-of-Beauty-001

ジャポニズムの影響というのも、日本人としては興味深かった点。
ホイッスラーの「Symphony in White」というシリーズがあるのですが、その中の「No.2」であるこちら、ええと、手に持ってらっしゃるのはナンですか。
私から見れば、非常に西洋的かつ裕福そうな女性と、あまりに庶民的な団扇は合わねえ、と思ったりするわけですが、それはネイティブな国の民としての感覚であって、彼らからしたら違うんですよね、当然のことながら。

絵画だけでなく、箪笥や椅子、テーブルといった家具もあり。
ウィリアム・モリスという名で結びつく方も多いと思われる、壁紙シリーズもあり。

作品を見ているだけでも楽しいのに、ゆかさんの解説が、またすごいのです。
どこか秘密結社的な色合いもあった彼らのグループの、内部の人間関係や、アートや思想の影響の与え合い。
モデルであり、モリスの妻であったジェーンを始めとする、モデルとの恋愛関係の三角・四角模様。

彼らの生き方そのものが、すでにアートというか、ラファエル前派。
産業革命以降の英国で、貴族ではない国民達が、その能力でもって高みに上がり、自力で身につけた教養や美意識。
それは、やはりどこか歪であったり、毒々しさをはらむものであっても、独自性は決して無視できないものであったのです。


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展覧会は、2階の絵画や家具だけでなく、1階で衣装展、そして講演も。
好き嫌いはわかれるでしょうけれど、少なくとも目に、心に、強く残る展覧会、と思います。

「Beauty has as many meanings as man has moods.
Beauty is the symbol ofsymbols.
Beauty reveals everything, because it expresses nothing.
When it shows itself, it shows us the whole fiery-coloured world」
   ----- Oscar Wilde

The Cult of Beauty: The Victorian Avant-Garde, 1860–1900
February 18, 2012 - June 17, 2012


Legion of Honor
Lincoln Park
100 34th Avenue
San Francisco, CA 94121
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by senrufan | 2012-04-13 10:57 | Trackback | Comments(4)
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Commented by ノンノン at 2012-04-15 21:35 x
この白いドレスのお嬢さんは、Pier1 Imports でお買い物されるのが好きなハイソな方だったんですよ、きっと(笑)。
Commented by ノンノン at 2012-04-15 22:03 x
地図、見てみました。
おもしろーーーい!!
チリが「地の果て」って。い~やそんな気の毒な(笑)。
ベネズエラの「小さなベネチア」っていうのもいいです。なんだかベネズエラが身近に感じられそう。
Commented by Miyuki at 2012-04-16 10:13 x
*ノンノンさん
うわははは、それいいっ! それに決定!(爆笑)
Commented by Miyuki at 2012-04-16 10:14 x
*ノンノンさん
わ、一緒一緒! 私もチリとベネズエラに目がいったんですよ~。
それに対して、中国や日本の強気なことったら、ねえ。


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