人生に添える一味を

「感動とは人間の中にではなく、人と人の間にあるものだ」
    ----- ウィルヘルム・フルトベングラー
        (ドイツ人、指揮者、1886年1月25日生まれ)


「辺境地帯に入ったらすぐにわかる……コーヒーがまずくなるからだ」
    ----- エドワード七世 (イギリス国王)

「成功したすべての女性の背後には……並々ならぬ量のコーヒーが存在している」
    ----- ステファニー・ピーロ (漫画家)

* * * * *

【レストラン】

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どうしようかと迷ったけれど、もう一軒のコーヒーハウス訪問記に続けよう。
前回のSightglassの先輩格、Four Barrel Coffeeに行ったのだ。
ricomameちゃんが作ってくれた道筋を、ゆみたちさんむらさきちゃんに付き合ってもらって(感謝!)、大事に辿って行ったのだ。




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木目調の広い店内は、Sightglassと似ているように見えるけど。
実はオープンはこちらの方が先で、2008年に出来たカフェなのだな。
で、オープン時に、オーナーのJeremy Tooker氏を手伝った、JeradとJustin Morrison兄弟が、2011年にSightglassをオープンさせたんだって。
この辺りの話は、とある情報雑誌で教わったの。その雑誌については、また別途。

バイク修理工場だった場所を、自分達で改装したんだって。
テーブルや天井の木材は、全て廃材を利用しているんだって。


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さて、入って真正面にあるカウンターとは別に、入り口を入って左横に、小さなカウンターがもう一つ。
ドリップコーヒーは、実はこちらのカウンターで淹れてくれるのだ。


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並んでいるのは、「本日の豆」。つまり、日替わりで変わるのだ。
産地、値段、フレーバーの説明が書かれた、手書きのボード付。
飲みたいコーヒーを選んで、バリスタさんにお願いするよ。


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にっこりと注文を受けてくれた後で、まずは一回分の豆を量る。
そしてミルで挽いてから、私達にその香りを堪能させてくれたよ。

それぞれ違う豆を選んだ私達、香り比べをしてみたら。
微妙に違うその香り、むらさきちゃん達はしっかり把握していたが、私ときたら、最初こそ差を感じたものの、2回目からは鼻が慣れてしまって、ごくわずかしか感じられず……情けなくて、涙ぐむ。


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ドリッパーにフィルターをセットして、挽いた粉を入れ。
まずは蒸らして、それからゆったりと、上からお湯を………
何度見ても、この”儀式”の時間が、すごく好き。
何かに逸る気持ちや、何かに焦る心を、無言で静めてくれるんだよね。

そして、このバリスタのお兄さんが、とても良い方で。
口数は多くないけど、肝心なポイントは、優しい口調できちんと伝えてくれるの。
こういう人の手を経たコーヒーは、更に穏やかな味わいになりそうだね。


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ゆったりと淹れてくれたコーヒーは、くもりのない漆黒の。
お勘定は、このカウンターで払ってもいいし、正面カウンターで頼んでも良し。
正面カウンターに焼き菓子が並んでいるので、それを購入がてら、一緒に払っても良いみたい。


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店内スペース自体は広いのだけど、実は客席数は限られる。なので、席がなくて立っているお客さんも、ちらほらと。
なんとか確保したテーブルで、お菓子の前に、コーヒーをしっかり味わおう。

頼んだのは、Ethiopia Welena Suke GutoEthiopia Yirgacheffe Dumerso、そしてKenya Gikanda Gichathaini
ブラッドオレンジとサトウキビ、桃とアプリコットといちじく、などなど、その豆が持つフレーバーとテイストが説明されていたけれど。
飲んでみて、それが全部当てられたら、今頃こんなところで、凡人業なんてやってない。(唇を噛む)

ただ、ああ、違うねえ、と。
それぞれ、さっぱりと酸味があるのだけど、それが微妙に違うよね、とな。
特に、サトウキビのフレーバーと言われた豆は、キャラメルのようなコクを感じてね。
2人のれでぃーが付き合ってくれたおかげで、飲み比べができて嬉しかったのだ。
新鮮な淹れ立てコーヒーの美味しさは、やっぱり格別だったよ。


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実はこの日は、2回目の訪問だったの。
最初に友達と来た時、良くわからないまま、正面カウンターに歩み寄り。
メニューボードに、コーヒーが1種類しかないことに首をひねりながら、ボードに書かれたコーヒー(1種類)をオーダーしたんだよ。


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そしたらお店のお兄さん、横にある大きな保温ポットからついでくれて
間違ったああぁ、と思っても、すでに遅し。
ドリップコーヒーは、専用カウンターで頼むか、正面カウンターで「ドリップを」と注文しなければいけない、ということを、ようやくこの時知ったのだ……バカバカ僕のバカ。

ちなみに正面カウンターにある、その日のコーヒーは、フレンチプレスで淹れられているんだって。
あまり頼む人がいないのか、回転が悪いようで、すでにぬるいし、酸味も新鮮さが薄れていて。自業自得なれど、がっくし。
まあ、おかげで2回目の時、ドリップコーヒーの美味しさが際立って感じられたので、結果おーらい、と思うしか。


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でも考えてみたら、これも良いかも、と思ったり。
というのは、ドリップコーヒーは1杯$3.50~4だけど、フレンチプレスは$2なんだよね。
良い豆のコーヒーが飲みたい、でも時間がない、という人には、そういう選択肢があるのも良いんじゃないかなあ。


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そして、焼き菓子なんだけど。私が行った時は2回とも、甘い系だけが並んでて。
試すことができたのは、ドーナツ、クイニーアマン、ボストック、そしてクグロフ。
どれも悪くはないけれど、普通にフツーのアメリカンなスイーツ、かな。

ただ、甘いものとコーヒーを合わせると、コーヒーの味がわからなくなるのが残念。
今までは逆に、コーヒーでお菓子の甘さが抑えられるのがありがたいと思っていたけれど、コーヒーを主役に考えると、しかも私程度の舌だと、せっかくの酸味や香りが感じられなくなってしまうんだ……

これが、コーヒーソムリエのレベルになると、例えばストロベリーのパイに、豆のロースト加減でベリーの風味を引き出して、互いに引き立てられるようにできるらしい。
チーズとワインのように、チーズケーキとペアリングできるコーヒーを選ぶことができるらしい。
しかし、凡人業に従事してウン十年のワタシには、生まれ変わっても無理なので。(いばる)
Sightglassのように、塩味系の焼き菓子を置いてあるというのは、選択肢を増やす意味でいいと思うし、そういうペアリングまで考えた、焼き菓子とコーヒーのラインナップを揃えるお店が出てきたら、もっと良いんじゃないかなあ。(夢)


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店の奥には、大きな焙煎機。お店全体の風景を引き締める。
豆の甘味を引き出すローストを心掛けているそう。

そしてお店の光景で、最近のコーヒーショップとちょっと違うのは、本を読んでる人が多いこと。
つまり、PCを前にしている人が少ないのだな。
オーナーがFree Wifiを入れなかったのは、お客さん同士で会話を楽しんでほしかったから、だそうで。
「カフェは人生みたいに楽しめるべき」
とおっしゃる言葉には、この場所が、コーヒーが、コミュニティ作りに役立って欲しい、という願いがこめられているんだね。

私自身は、といえば、コーヒーハウスというのは、一人でもゆったりと過ごせる場所であってほしいので。
本はいつも手放さないので、読書ができる環境は歓迎だけど、ネットができる場所だと更にありがたいのも、正直なところ。
スマートフォンを持たない原始人としては、趣旨はわかるし賛同もしたいけれど、ややフクザツ感もあるんだな。


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ところでこのお店、前にどーん!と設置されているのが、自転車用のスタンド
なんでも、スタッフ全員が自転車マニアで、通勤も自転車であるところから、こういう設備が作られたらしい。
駐車が大変なサンフランシスコでは、自転車族も多いので、これはポイント高し、かな。

最初に訪れたSightglassでの感動が大きかったので、こちらでは、やや落ち着いた感想となったけれど。
コーヒーのバラエティの多さ、バリスタさんの力量を目にできて、知識が得ることができる環境作りと、唸る点が多々あって。
総体的に判断して、こちらの方に軍配を上げる人は多いかも、とは思う。
というより、ここまで高いレベルでの比較になると、あとはコーヒー自体の好みで決めるしかないのかなあ。

何にせよ、菜食になって以来、家では一切飲まなくなったコーヒーを、ここまで新しい感動を与えてくれる飲み物として再発見できたのは、サンフランシスコ発のコーヒーブームのおかげ以外のナニモノでも。
なので次回は、前述の雑誌の話をベースに、そんな雑多なことをぐだぐだと。


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Four Barrel Coffee
375 Valencia Street
San Francisco, CA 94103
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by senrufan | 2012-01-25 07:31 | Trackback | Comments(12)
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Commented by 悦ちゃん at 2012-01-27 09:14 x
アメリカではどうしてサイフォンを見ないんでしょう。日本で旦那に見せたら興奮して、カッパ橋で買ってしょって帰って来ました。ただ、、洗うのとか面倒。。壊しそうでおろおろ
Commented by KawazuKiyoshi at 2012-01-27 15:28
フルとベングラー
いい指揮者ですね。
いつか、よい指揮者と巡り合いたいものです。
お元気で。
今日もスマイル
Commented by マミィ at 2012-01-27 19:32 x
ここもまたまた居心地の良さそうなコーヒーハウスでありますなぁ。free wifiを入れないこだわり、それによって客層も随分違うのでしょうねぇ。

「焼き菓子とコーヒーのラインナップを揃えるお店」って良いアイディアですね!
Commented by kako_usa at 2012-01-27 21:21
Miyukiさん、こんにちは~
おしゃれでいいなぁ~と、コーヒー専門店シリーズ(勝手に命名^^;)楽しんでます~♪自転車を楽しめるのもCAならではですね^^
私は、毎朝コーヒーメーカーが入れてくれるコーヒーを20オンス飲んでいますが、日本で働いていた時は、朝、昼、夕は習慣のようにコーヒーショップに立ち寄っていました。専業主婦となってからは、スタバですらめったに行かなくなってしまいました。 何て言うか・・・贅沢な感じがして^^; 今はどちらかと言うと、おうちのどこかにスペースを確保してネスプレッソを置きたいな・・・なんて思っています。なかなか手が出せないネスプレッソなんです(笑)コーヒーは好きですが、外で楽しむようになるには、自分が働くまでお預けになりそうです^^;
Commented by ノンノン at 2012-01-28 03:40 x
Miyuki さん、こんにちは。
先日はお返事ありがとうございました。Fugisan.com (あれ、Fujisan?? どっちでしたっけ?)送料無料を狙うってよいですね! ほんとにめったにめったに日本から本は買わないのですけど、でも欲しい本は出てくるので。英語の本は待つことをいとわなければ図書館でだいたい事足りています。今待っている2冊はすごく人気があって、リクエストした時点で70人待ちと130人待ち(!)でした 。もうそろそろ順番まわってくるかな~。楽しみ~。
Commented by Miyuki at 2012-01-28 11:13 x
*悦ちゃん
確かになかなかサイフォンを見ないですよね~。コーヒーハウスに行くと、日本製のコーヒー道具が売ってるのは、やはり日本の方が進んでいるからなのかしら。旦那様、ナイス買い物。長持ちしてくれますように!
Commented by Miyuki at 2012-01-28 11:14 x
*Kawazuさん
いい指揮者でしたね~。
私の指揮者の知識は、20年ぐらい前の時代で止まっているのですけど、今はどんな若手が出てきてくれているのでしょうか。
スマイルが欲しい時こそ、良い音楽を良い指揮者盤で聴きたくなります。
Commented by Miyuki at 2012-01-28 11:17 x
*マミィさん
素敵ですよね~♪ でもこおゆうのって、一種流行のようなものだから、どんどん似た場所ができてきて、いずれ飽きる……斬新さというのは、本当に大変なことだと思うです。

ご賛同ありがとうございまする。カフェオレとクロワッサン、ビスコッティとカプチーノ。古今東西、コーヒーは憩いのテーブルに欠かせませんな!
Commented by Miyuki at 2012-01-28 11:24 x
*kakoさん
てへ、ありがとうございます~。コーヒーは前は良く飲んでいたのですけど、今になってこんな感動があるとは、と喜んでます♪
なるほど~。kakoさんとは違うかもしれませんが、私も娘が小さい頃はそういう思いがありました。一人でコーヒーハウスに行くということ自体と、その時間が、すごく貴重で贅沢なものだったんですよね……(遠い目)
ネスプレッソ、いいですね! 良い豆を買って、ミルで挽いて、きちんと粉を平らに詰めて……ミルクや砂糖も自分好みで色々選べるというのが、おうちコーヒーの一番良い点ですねえ♪
Commented by Miyuki at 2012-01-28 11:31 x
*ノンノンさん
こんにちはー!
fujisan.comは雑誌のオンライン講読などもあって、海外暮らしにはなかなかありがたいサイトですよね~♪ 早く日本の電子書籍が一般化してくれるといいのですけど。
英語の本が読めるノンノンさん、素敵です! 私は残念ながら英語アレルギーがあって、3ページ読むと吐いてしま(ピーーッ)(自主規制) 70人と130人待ちですと!? そ、それはすごすぎる! それはどういうご本なのでしょう? 人生がバラ色になる秘訣とか(妄想)
Commented by 初音 at 2012-01-29 14:44 x
miyukiさん、こんにちは~♪
コーヒーに良い香りが~ ^^
こうゆうカフェがあると良いですねぇ♪
私も喫茶店では読書タイムです!だから落ち着く喫茶店じゃないとダメです^^
焼き菓子も美味しそうねぇ~写真に出演?してるボーヤも可愛い!!
久々に喫茶店に行きたくなりました~ (^^)v
Commented by Miyuki at 2012-01-30 08:33 x
*初音さん
こんにちはー! リフォームお疲れ様です~。
カフェは本当に大好きなんですよ。一人でも、友達とでも。なので、いつも良いカフェを探してます(笑)
そう、気楽に読書ができるというのも大事なポイントですよね。
うふふ、このボーヤとお父さんと会話したんですけど、ボーヤがなんと日本語が書いてあるTシャツを着てて、それが居酒屋の宣伝っぽいヤツで、”こビール”という文字が! ウケましたー。


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