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北の優しい異国から(8)

「人は誰もタイムマシンを持っている。過去に連れて行ってくれるものは思い出と呼ばれる。未来に連れて行ってくれるものは夢と呼ばれる」
   ----- ジェレミー・アイアンズ
        (イギリス人、俳優、1948年9月19日生まれ)


先日書いた、Saint Benoît Yogurtのことですが。
ファーマーズマーケットに行ったら、看板に「Jar Deposit:$1.25」の文字が加えられていたのですよ。

えええ、前に持ってきた時にはなかったよね、と思わずお兄さんに言ってしまったら、
「そういえば持ってきてくれたよね、うん、いいよ
と言って、お金を渡してくれたのでした。
私の顔なんか覚えてないでしょうに、なんて優しいお兄さんなんだ~~。(うるうる)

これで、商品値段は$4でも、容器を返却すれば$2.75になる、という計算。
まだお高めではありますが、あのクオリティと味だったら許容範囲かも(当社比)、というお値段になってくれました。嬉しい。

お金をもらってにっこにこの私、お兄さんに、「今日はヨーグルトはいらないの?」と聞かれて、
「うん、今日はいらない」
と、きっぱり答えてしまったのでありました。
外道と呼んでください。もしくは、恩知らず。

* * * * *

【旅行】

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モントリオールで食べた、美味しいもの。
それは、ベーグルクロワッサン、であります。

ケベックを旅行先に選んだ理由の一つに、「フランス系だから食べ物も美味しいだろう」というイヤシイ期待もあったので。
Yelpやガイドブックを手がかりに、夜はフランス料理を楽しんだりして、どこもなかなか美味しかったのですが。
ここベイエリアでも、レストランのレベルは相当高いのと、普段食べている野菜が良いものなので、それと比較して物足りなく感じられたり、という……あっ、投げないでください、石を投げないでくださいってば!

でも、フランス(カナダだよ)ということで大いに期待していたのが、クロワッサンでございます。
2004年の夏にパリに行って、そこで食べたクロワッサンとカフェオレの味が忘れられず、戻ってからクロワッサン探検を繰り返し。
ようやく、これという3軒に会えたのが、多分2006年か7年で、それを日記に書いたのが2008年……今ではあの3軒も、どんな味になっているんだろー……(ぽつり)(先日のTartineは、変わらずんまかった)

都合の悪いことは百万光年彼方に置いといて、今回のケベック旅行ではそういうワケで、ベーカリーに期待していたのです。


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モントリオールのベーカリーと言えば、いろんなところで目にしたのが、ベーグル屋さん。
NYで食べたベーグルがとても美味しくて、今でも地元のベーグルショップに時々通って、ベーグルとスプレッドを買ってます。
日本でも食べてみたのですが、ふわふわし過ぎで、ちょっと違うなー、と。
やっぱりベーグルといえば、みっちり・もっちり・むぐむぐ・あむあむ。こんな擬音が伴うモノが好みなんですね。

ところがネットで見たところ、「モントリオールのベーグルは世界一」という文字が何度も現れて。
こーれは行ってみなくてはなるまい、と、有名な2店のうちの1店に行ってみたのです。




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ロシアからの移民のおじいちゃまが始められたという、家族経営のベーグル屋さん。
年中無休なだけでなく、24時間営業というから、素晴らしい。
モントリオール生まれの宇宙飛行士・Gregory Errol Chamitoff氏は、こちらのファミリーの遠縁に当たるそうなんですが、2008年6月、国際宇宙ステーションに行く際、こちらのベーグルを持って行ったそうですよ。

入ってみたら、どーん!と積まれたベーグルの棚で、並ぶのがやっとの細い通路。
イートインのスペースは全くなく、カウンターで注文して受け取るという、正しくパン屋さんでありますな。


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カウンター上のボードを見れば、これでもかと並んだベーグル色々。
加えて、全粒粉のMatzoやNYスタイルのプレッツェルもあり、クリームチーズやPB&Jなどのサンドもあり、ツナやサーモン、ケベック名物のSmoked meatまで。
うーわー、これは迷う、迷う、どうしよう。


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必死にオーダーを考える私達の目に映るのは、カウンター後ろの厨房で、すごく楽しそうにベーグルを作ってるおじさま達。
メガネのおじさま、私のカメラを見ながらにこにこと、何か言葉をかけてくれたのだけど、フランス語なんでわかりません。(爆)
私の方に目をやりながら、手元は全くぶれることなく、次々とベーグルを形作っていくのが、すごいったら。
細長い生地から一定の長さ分をちぎって、ひねりながら輪っかの形にしていくのですね。
それを隣りのおじさまが、どんどん窯に入れて、焼きあがったのを取り出して、という分担作業。なんと昔ながらに、薪で焼いているそうですよ。


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結局、4種類のベーグルに、サンドを1つ買って、外のベンチでいただきました。
ブルーベリー、ガーリック、チョコチップ、クミンシード、そしてオニオンベーグル+クリームチーズとサーモンサンドです。

もー、これがどれもすごく美味しくて、驚きましたですよ。
外側さっくりで、ちょっとクッキーっぽいような焼き具合なんですが、中はみっちり。ひねってある分、密度が高くなってるんですね。


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今まで食べていたNYスタイルとは、別物。や、NY式も大好きなんですが、モントリオール式もすごく良い。
NY式だと、真ん中の穴があまり開いてないぐらいにふっくらしているのですが、こちらはもっと細くて、大きめのドーナツのよう。
とにかく違うのは、その食感。こんなにさっくりしているのに、ベーグルらしいもっちり感も残ってるなんて、不思議だなあ。


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それに、表面についている具(と言っていいのか)の量が多いんですよ。
うちの方で買うベーグルは、もっと少な目ですが、こちらのは細い生地にたっぷりついていて、しかもそれがあまり落ちない。
玉ねぎ~、クミン~、としっかり味わうことができるのですね。なんてヘタな説明なんだ。


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穴が大きく開いているせいで、サーモンがしっかり見えてます。
ベーグル好きな旦那も感激の、大満足なランチでありました。
あーあ、旅行先でなければ、2ダースぐらい買って、持ち帰りたかったなあ。(ため息)


Fairmount Bagel
74 Fairmount West
Montreal, (Quebec)
H2T 2M2

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余談ですが、こちらのお店の斜め前の交差点。
BONDという名のレストランが建っていて、「JAMES BOND BLVD.」の看板がついていましたよ。
by senrufan | 2011-09-19 09:03


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