That day has come

「偉大なことを成し遂げるためには、ふたつのことが必要である。ひとつは計画、もうひとつは不足気味の時間である」
   ----- レナード・バーンスタイン
        (アメリカ人、作曲家・指揮者、1918年8月25日生まれ)


「iの時代」を創った男、ジョブズ氏が駆け抜けた15年 -米アップルCEOを退任

スティーブ・ジョブズ ―ひとつの時代が終わった

病気療養中であったスティーブ・ジョブズ氏が、アップル社のCEOを退いたニュースは、世界中で波紋を呼びました。
ある意味、覚悟はしていたニュースでありながら、実際になってみると、なんて言っていいのかわからない自分がわかりません。

アップル製品は一切持ってないくせして、ジョブズ氏のスピーチや製品発表のニュースだけは見ておりました。
明快でぶれることがなく、こんな少ない言葉で、これほど見事に説明ができるなんて、と、英語オンチの私をしてカンドーさせる彼のプレゼンテーション力は、言い尽くされた表現でありますが、正に神がかり的な凄ささえ。


ITってなーに?レベルな私、彼の業績については、ごにょごにょごにょに留めておくとして。(殴)
意外な面は、菜食主義者で仏教徒、というところですね。
ずっと以前に読んだ記事で、仏教のとある教えについて書いてあったのですが、ジョブズ氏が仏教に惹かれたのは、こんな点にもあったのかも、などと、絶対間違ってるに違いない想像をしたりしております。

「普通の宗教では、自分が信仰するものを他人に押し付けよう押し付けようと、大きなお世話をやるのです。
いまも我々はいやになるほど経験していますが、昔もそうだったろうと思います。
概ね信仰中心の宗教は、人のこころを盲目にしてしまう。
自分の角度だけで世の中を見るものだから、世の中が見えなくなるのです。

でも仏教は智慧の宗教だから、いつもこころを開いて、目を覚まして、すべてありのままに見ることを重んじるのです。
《無知でいる限り、人は誰でも騙される、 操られてしまう。奴隷にもなってしまうかもしれない。身を守るのは、自分が持っている知識と智慧です。だから、いつでも智慧を磨いておきなさい。ものごとは自分で判断しなさい》という教えです。

人をいかに独立させるかというのが、仏教のねらいなのです」

* * * * *

【時事】

   apple_think_different

カナダ行きの飛行機の中で、お嬢が読んでいた雑誌、「The Economist」
この中に面白いコラムがあったのですが、タイトルが「Think different」アップル社のスローガンでありますね。




探してみたら、オンラインでもアップされていました。ラッキー。

Think different
Clay Christensen lays down some rules for innovators. But can innovation be learned?



詳しくは本文を読んでいただくとして、ざっとポイントだけを。
ハーバード・ビジネススクールのClay Christensen氏らが出版した、「The Innovator's DNA」
彼らが著したのは、「現在Disruptive Innovatorと呼ばれる人物達が、どのような思考回路を持っているかについての分析」でございます。

彼らが辿る思考の道筋は、以下の5段階であるそうです。
1. associating
2. questioning
3. observing
4. networking
5. experimenting

これらを通じて、「一見全く関連のないもの同士を関連付ける」ことによって、新しい分野を開拓し、Innovatorと呼ばれるだけの業績を上げるに至ったのです。

そして著者達は、Innovator達は「T-shaped(T字型)」の思考回路を持っている、という主張も述べています。
つまり、ある特定分野において、非常に深い知識と理解を持ち、それ以外の分野は広く浅い知識を持っている、ということでございますね。

Innovator達は、AからBを「連想」し、どうやったら別なやり方でできるかと「問いかけ」、
周囲のものを「観察」して、持っている「人脈を利用」して、彼らの仕事からアイディアを得て幅を広げ、市場で「実験」してみる。
結果、受け入れられた"発明品”が、我々消費者の手に渡る、ということになるわけです。


さて、カリスマInnovatorのジョブズ氏ですが、彼には当然批判も多く、その中で特に目立つのが、「彼は盗作の天才だ」というものです。
Wikiにある彼のページで、「ジョブズに対する評価」のところに書かれているようなことですね。
つまり彼は、「世界で初めての新しい技術」を発明するのではなく、「世界にあるAやBを結びつけ、全く新しいコンセプトの商品を生み出す」ことに長けていた、というのです。

何人かのエンジニアの方々がアップル談義をしている時に、聞いたことなのですが。
iMac、iPod、iPad、どれも技術は目新しいものでもない、既存のものの応用だ。
しかし、全く新しい視点を出し、ああいう形に仕立てて、市場に出して、それを売った。それが売れた。そこにこそ、アップルとジョブズのすごさがある。
売らなきゃ話にならないし、売れたからこそ賞賛される。売れるものに仕立て上げたのが、彼らの功績だ。

技術は確かに既存のものであっても、それらを結びつけるという発想自体は初めてのもの。
Christensen氏らの掲げるInnovatorの、最高の見本の一つと言っても良いのでしょう。


サムスンの携帯端末・Galaxyが、iPadのデザインと機能を盗用したということで、アップル側より訴えられている裁判。
対するサムスンの反論のニュースに、思いっきり吹きました。

サムスン、iPadのデザインは映画『2001年宇宙の旅』に既出と主張

大変旧人類な私ですが、いつか欲しいなスマートフォン、とは思っておりまして。
iPhoneとアンドロイド、どちらにするか、結構悩んでいるのですよ。
それは、現在使っている携帯屋が提供しているのがアンドロイドだということもあるんですが、iPhone自体にはとても惹かれるものの、アップルの販売戦略が、ですねえ……
なんというか、そんなに囲まないで~、と思っちゃうんですよ。押しつけの空気を感じた途端に、腰が引けてしまう天邪鬼。

著作権については相当敏感であるべき、と素人ながら思っておりますし、コピー商品には眉を顰めます。
ただ、Disruptive innovationとは一体、「新発明」であったのか? そこに立ち帰ってきてしまうんですね。
既存の技術や仕組みを上手く利用して、「全く新しい商品」「初めて作られたビジネス形態」などを生み出すのは、「発明」という言葉に対して私が持つイメージと、全くイコールではないのです。
Innovatorと敢えて書いているのは、私の中での「発明家」の姿とは、完全には重ならないからです。

「無から産み出す」というより、「有を組み換える」ことで作られた商品達。
だから海賊版製品や、見るからに真似っこは論外にしても、あそこまで厳重に、何もかもを傘下に置こうとしなくても……と思ってしまったりするのです。

どこまでがコピーで、どこまでが新しいアイディアをもらうヒントであったとするのか、本当に線引きが難しいことなので。
そんなことを一々論議するより、一番の安全策を取るのが常道なのだ、とは思うのですが。
自分達も、”共有”しているものをベースにしたのであれば、もう少し”共有”スペースを設けてくれてもいいんじゃないのかな、なんて。
あああ、頭が悪すぎて、全く的外れなことを言ってる自信が、132%ほどありますが……!
どなたか、正しい見方を教えてくださいまし。


ナンにせよ、コラムの最後に書かれた言葉には、大きく頷くのでありました。
「嘆くべきことだが、InnovatorのDNAとは、なかなかお目にかかれないものだ。しかもジョブズ氏の商品とは違って、クローンを作ることは不可能なのである」


        20060424_151455

(2枚の写真はお借りしたものです。ありがとうございました!)
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by senrufan | 2011-08-25 14:41 | Trackback | Comments(0)
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