東日本大震災によせて

     IMG_2728

阪神大震災の時、父は尼崎に単身赴任中でした。
その時の教訓から、今回揺れが来た後、すぐに私に電話をくれて、「これからしばらく電話も使えなくなるだろうけど、大丈夫だから」と言ってくれました。
こちら時間で、10日の夜のことでした。

日曜に、旦那が日本出張から帰宅しました。
その日、彼が京都から新幹線で東京に向かってる最中に地震が起こり、8時間かけて新横浜に到着した後、タクシーに並ぶ千人の列に参加。
当然乗れるはずもなく、深夜でどんどん冷え込んでくる中、近くの居酒屋さんが店を開放して、温かいご飯と共に泊めてくださったんだそうです。

両親と旦那の無事は、おかげで早くに確認できたのですが、福島にいる義兄家族と連絡がとれず。そして、仙台に住む友人の無事もわからず。
この夜はさすがにほとんど寝られず、USTREAMでずっとニュースを見ながら、Twitterを追いかけ続け。翌日の夕方になって、それぞれの無事を知るまで、半分虚ろなままでした。




こちらに来て、日本がいかに特殊な国かということを、何度も何度も、繰り返し感じ続ける日々を過ごしております。
それは何年経とうが変わることなく、アメリカが、他の国が何かを発するたびに、そして日本についての何かを見聞きするたびに。

こちらに来てから、特に間もない頃は、覚悟はしていたものの、結構なストレスがありまして。
修理を頼んだのに来ないとか、約束したのに来ないとか。レジでは目を光らせてなきゃいけないとか、電話してもたらい回しにされるとか。
日常の些細な事柄ばかりなのですが、日本だったら考えられない、と常にイライラを隠せなくて。
日本人同士で、「まったくアメリカってさあ」と、ため息をつきあっていたものでした。

ですが、そうじゃないんですね。アメリカや他国が悪いわけでもなんでもない。
日本が特別な国なんです。日本が並外れた国なんです。

その中で生まれ育った為に、あれが当たり前と思っていた為に、そのまま自分が居る国への非難に変えてしまいましたが。
しばらく経って、それこそただの無知でしかない、と気づいたのと同時に、いかに自分が狭い人間であるか、ということも知りました。

国と国の差だけでなく。人と人との差、ということを。
ずっと昔から何度も繰り返し繰り返し、人には人のやり方や価値観があるのだ、と言い聞かせてきたにも関わらず、何年経っても割り切るのが難しいこと。


日本を離れてから、噛み締めるようになった言葉は沢山ありますが。
その中でも、「水に流す」という言葉は、日本独特のもののように思えます。あ、あと「水商売」もありました。
過ぎたことは忘れましょう。わだかまりは忘れて、前を見ましょう。この晩限りと致しましょう。
美しい水を湛えていた日本らしい、という解釈もできますが、根底にあるのは、自然災害の多かった日本だからこそ生まれた感覚なのでは、と思うのです。

世界有数の地震国で、古来より数々の天災に見舞われて。
八百万の神を身近に見ていたように、自然に対して畏敬の念を持ちながら、共存しようとする意識。
欧米が昔に行ったように、自然をコントロールするのではなく、”手入れ”という感覚で。
年月を経て、そこから離れたように言われることが増えてはいても、それでもまだまだ刻まれている、その感覚は。

自然というものは、人間を含有しつつ、人間と共存できる部分を持ちながらも、それでもやはり圧倒的な存在で。
決して手が届かないものであって、それはどうしようもないことなのだから。
泣いて苦しんで、でもそれが過ぎたら、また前を向いて歩いていこう。今できることを考えよう。
苦しい時はお互い様なのだから。

天災に慣れた諦観、と捉えるより、ずっと尊く、強いもの。
それを今回の大震災で、まざまざと見せていただきました。
日本という国に生まれ育って、様々な欠点や将来の不安を論いつつも、変わらず愛してきた国ですが。
それが今回ほどはっきりと、「誇り」の色を帯びたことはありません。

アメリカの現地ニュースで、深夜に店やホテルを開放して、帰れなくなった人達を受け入れる様子などを映しては、キャスターが感嘆の声を上げてます。
そのたびに、これが日本なんだぞ、もっとほめてくれ! と思いっきりドヤ顔で見てますが、その顔は涙が垂れ流しです。(台無し)

NY Times : Sympathy for Japan, and Admiration
Wall Street Journal : Sturdy Japan
The Independent : Towns vanish, thousands die – but a nation begins its fightback


繰り返しになりますが、こういう時は、何も出来ないのが一番辛いのです。何かしたくて、いてもたってもいられないのです。
やみくもにブログをアップしたのは、その気持ちをどうにも収めようがなかったら。
コメント欄を閉じたのは、これは自分だけの排毒のようなもので、言葉でやりとりできる類のものではない、と思ったから。
そんなどうしようもないものでも見てくださった方がいらっしゃったようで、リンクしていただいたり、温かいメッセージを受け取ることができたのは、正に想定外の喜びでした。

寄付することと祈ることしかできない私には、これが自分なりの回復の手段であったのです。

Toshitaka君が立ち上げた、Help Japan with Clean Bottles!プロジェクト。
被災地に今、物品を送ることは、かえって迷惑になりかねないことは、これについて聞く前に知ってはおりました。
それを敢えて応援するのは、決して闇雲ではなく、きちんと委託できる会社を見つけていて、ボトルはこちらに送り、災害支援の一環として配布してくれることが決まっていたことは勿論ですが。
彼とお母さんも、私と同じく、いてもたってもいられない気持ちのまま、何かできることを探した結果がこのプロジェクトであって、その気持ちが痛いほどに理解できたから、に他なりません。

いろんな方がTwitterやブログで、得た情報を発信したり、思うことを綴られました。
回線問題や情報の節制、節電の為に、一斉に抑えられて、それもまた素晴らしいのですが、元々の動機は、やはり「いてもたってもいられない」という気持ちからではないか、と推測し。
だったら、それはそれで受け入れたい、という気持ちしか、私にはありません。

デマや詐欺は論外ですが、情報の取捨選択は、結局は自分自身が行わなくてはならないこと。
聞いた情報を載せてくれた有名ブロガーさんに、あなたがこういう誤情報を流すなんて、と非難することなど、私には到底考えられず。
それこそ、人それぞれの価値観で。それぞれの葛藤と回復の為、と思えば、ますます貴重に思えます。

阪神大震災の時に、物品援助や現地ボランティアについての色々は、以前からしっかり見聞きしております。
同じことを繰り返さない為に、アメリカにいる自分も心しておかなければなりません。

あの恐怖と屈辱はそれでも何かできることを。
  :阪神・淡路大震災を経験した西宮市議会議員・今村岳司さんのブログより


福島原発被災で、この時とばかりに原発中止を求める声が高まってますね。
でも今現在、被爆の危険を背負いながら、必死に作業してくださっているのは、その原発で働いていらっしゃる方々であることを忘れてはなりません。
自衛隊員、消防士、警察官、駅員さんから運転手さんに至るまで、支えとなってくれている方々の働きを、決して忘れることはできません。
世界的に見ても、「部分停電で、需要と供給をみながら全体停電を防ぐ」というのは、日本にしかできない神業だ、というツイートを読みました。
東京電力さんの努力には、本当に頭が下がります。
うーん、私達が日本にいられたらなあ。停電なんて日常茶飯事のこちらで鍛えられた、ナイロンザイル並みの神経で耐えてみせるのですが。(ぢまん)

ニュースキャスターや某官房長官だって、個人的に言いたいことは沢山あるのでしょうけれど、今は目の前の仕事をこなしているように。
今やるべきこと、を優先してくれているおかげで、皆が助かると共に、それがまた彼ら自身にとっても必要なことなのではないか、と思います。

大震災を「天罰だ」と言ってのけた某知事は、さっさと一人で地獄に行けばいい。行き先はきっと我欲地獄。
しばらく前から某シリーズで、原発のことを書こうかどうしようか迷っていたのですが、これでまたしばらく静観することになりそうです。


木曜の夜から、月曜の夜現在まで、怒涛のような数日間でした。
少し前の日記で、「ここ数年、風邪らしい風邪をひいてない」と書いた翌日の朝、喉痛を感じ、急いで漢方茶を飲んだんですね。
考えてみれば、ここのところ風邪のひき始めはあっても、それが風邪にならないのは、感じた時にすぐ漢方茶や梅醤番茶などで手当てしていたから、であることを今頃思い出しました。(遅っ!)
おかげで、その翌日にはすっきりだったのですが、10日の夜からの寝不足と心労で、11日からいきなりひどい風邪っぴき。
鼻水・鼻づまり・くしゃみ・頭痛。さらにニュースやTwitterを見ては泣き通しですから、乾く暇がありません。ティッシュが何枚あっても足りません。

そして、尾篭な話で申し訳ないのですが、お通じもいきなり悪くなっていて。
腸が第二の脳である、ということは以前に書きましたが、心と身体がいかに繋がっているか、またまた思い知る羽目になりました。

アメリカにいて、何も不自由のない私でさえ、こうなのですから。
実際に被害に遭われた方々はどんなにか、と思うと、また涙が止まらなくてどうしようもありません。

菊の助さんがおっしゃった通り、どうかがんばらないで下さい。
どんなにお辛いことか、私の全てをもってしても、到底想像にも及ばないほどでしょう。
皆さんが休みながら、何かに寄りかかりながら、思いっきり泣ける場所がありますように、と痛いほどに祈るばかりです。


さて、ここも通常の日記に戻ります。現時点で私のできることはやりました。
寄付は、アメリカではAmerican Red Cross、日本ではグルーポンに、それぞれまとまった金額を寄付させていただきました。グルーポンの方は、いつも情報をいただいているかもくんさんサイトから教わりました、感謝です!
あとは近日中に日本の母に頼んで、地球村募金に寄付するつもりです。

寄付先については慎重にならざるをえませんが、それについての注意点を記した記事を教わりましたので、ご参考までに。
ベイエリアのカリスマブロガー・渡辺さんのサイトにも、貴重な助言が載せられています。

Tips for Giving to Earthquake Relief Efforts in Japan 

赤十字に献金して大丈夫か

今後は様子を見ながら、定期的に寄付を行っていくことと、郵便事情をにらみながら、福島の義兄へ何か送りたいと考えております。

下世話かもしれませんが、復興の為に一番必要なのは、やはりお金だと思ってます。
それも、単位が並じゃない。なんせ10兆円規模の被害ですからね。
糸井重里さんが発言してくれた通り、寄付する側も、”気持ち程度”じゃどうしようもないのです。
寄付先やお金の行き先も、今後の様子からある程度目安をつけなきゃいけませんから、一度にせずに、定期的に。
そして、あとは買い物ですかな。経済を回す、という意味で。パニックに襲われた買占めじゃなくってね。

ビル・ゲイツをたらしこんで寄付させられたら、と一瞬でも考えた自分が怖ひ。
ちなみに、ユニクロの社長の英断は、残念ながら私のおかげじゃありません。(聞いてねえよ)

寄付についての一指針

Google Crisis Response 自動車・通行実績情報マップ
 Googleとホンダが共同で作ったサイトだそうですが、これは素晴らしい!
 物品輸送の助けになりそうだ


今週中にアップする日記には、トップにClean Bottleプロジェクトへのリンクをのせておきます。
引き続き、ご賛同くださる方はご協力をお願い致します。

私は大変ヒッキーなので、ツイッターは非公開だし、ミクシィもごくごく限られた人数だけとしか繋がってないし。
Toshitaka君プロジェクトに参加する為に、ようやくFacebookのアカウントを取ったのですが、まだ2人しか繋がってないまま、一体どこに何があるのか五里霧中。(おろおろ)

なので、少しでも多くの人に何かを発信しようとしたら、このブログが一番マシなのですけど。
今回のことで、もう少し世間様と繋がっていた方が良いのかも、と思ったので、お友達の皆様でFacebookに入ってらっしゃる方は、お手数ですが繋がっていただけませんでしょうか。
本名で取ってますので、それで検索してくだされば見つかると思います。ついでに、ガイドもしていただければ尚感謝。(ずうずうしい)

久しぶりにコメント欄を戻します。
批判以外で、どうぞよろしくお願いします。(ぺこり)


最後に、Twitterでのつぶやきを集めたサイトを。今の日本の、珠玉の言葉が集まってます。
彼らに恥じることない自分でいたい、と心から思っています。

Pray for Japanより
 心に残るつぶやき
 井上雄彦さんのSmile

[PR]
by senrufan | 2011-03-14 13:50 | 東日本大震災 | Trackback | Comments(12)
トラックバックURL : http://senrufan.exblog.jp/tb/15049527
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented at 2011-03-15 15:00 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by senrufan at 2011-03-15 15:16
*非公開コメントさん
初めまして! いつも大変お世話になっております~(深々)
わざわざありがとうございます、早速修正致しました。いえいえ、そんな顰蹙なんてとんでもない。
えええ、奥様は一体?? というか、むちゃくちゃ恥ずかしいというか背中に冷や汗というか! 日頃の行いが悪いとロクなことになりません……これからもどうぞよろしくお願い致します~。
Commented at 2011-03-16 14:09
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mame-honey at 2011-03-16 14:48 x
こんにちは。
いてもたってもいられない気持ち、すごくわかります。
ネットが発達したお陰でみんながとても簡単に情報を発信する事が出来るようになったから、善意でチェーンメール的な記事を発信しちゃうって起きるんだと思います。やはり便利になった分、自分自身で取捨選択する力をつけないと駄目なんですね、、。
とりあえず今の自分に出来る事は募金なので。それを継続的にやっていかねばと思います。でも募金先も選ばないと、、。
私的には赤十字、一択でしょうか?とりあえず、会社が義援金のマッチングを行うらしいので、今はその口座情報まちです。色々な情報、いつもありがとうございます。
Commented by senrufan at 2011-03-16 15:44
*非公開コメント(2)さん
今日教わったのが、「混乱の金曜日、絶望の土曜日、復活の日曜日」という言葉。落ち込むところまで一気に落ち込んだら、あとは上だけ向いていきたい、向いていかなきゃ、と。まあ、いつもの私の荒療治パターンです(笑)
こんな個人的なグダグダにリンクしていただくのは、かえって申し訳ないぐらいなのですが……でも正直、とても嬉しく、慰めをいただいた気持ちです。本当に、一日でも早い平穏を祈ります。
Commented by senrufan at 2011-03-16 15:49
*mame-honeyさん
わかっていただけて嬉しいです~。相変わらず恥をさらしまくってます。
そうなんですよね、今回は本当にネットのありがたさを痛感すると共に、だからこその問題点も具体的に見ることになり。余計に自分自身の情報収集力&判断力を高めていかなければ、と強く感じた次第です。
おお、マッチングをやってくださいますか、素晴らしい! あちこちで小さな募金やベークセールが次々と企画されてて、とてもありがたく思うのですが、まずはより確度が高いところが優先かと。継続的に、それもとても大事ですよね。
Commented at 2011-03-16 18:05 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by マミィ at 2011-03-16 21:41 x
地震直後から今まで、心配と不安に心が押しつぶされるばかりで井戸の奥底にしゃがみ込んでいた情けない自分です。Miyukiさんの情報収集力とみんなへの呼び掛け、本当に頭が下がります。ちっぽけな自分にもできることはあると、やっと浮かび上がって来られたので、さっそく日本赤十字社に寄付してみました。みんなにも勧めてみます。ありがとう!日本、がんばれ!!!
Commented at 2011-03-17 03:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by senrufan at 2011-03-17 12:43
*非公開コメント(3)さん
おお、市議のブログ、読まれてましたか! 私こそそちら様の記事を拝読して、優しい気遣いに溢れた言葉に力づけられてますよ~。

そですよね、今回の震災では、ネットの力に圧倒されまくりです。阪神大震災の時と比較して、これほど変わったか、と驚くばかりです。確実に進化だと言っていいですよね。
そうやって落ち込まれるというのは、きちんと読まれる方のお気持ちを考えてらっしゃる証拠です!(力強く) 私は自分と親しい友人しか見てない、という意識でやってますので、こんな恥も大いにさらしてしまうのでございます……だから今回のことでこのブログでは、僻地がゆえに助けになる情報も発信できないという無力感と、僻地だから自分の感情を吐露できるという安心感、双方を味わうことになりました。
私を含めて、皆さんがそちら様のアップを楽しみにしているのは、そういうお心遣いがちゃんと伝わっているから、でございますよ~! どうか安心して、またお言葉をどんどん聞かせてくださいませ!
Commented by senrufan at 2011-03-17 12:47
*マミィさん
姉さまーーーー!!!(がしっ!)(もう離さないっ)
ずっと案じておりました~~。マミィさんのご親戚やお友達はいかがお過ごしでしょうか。どうか何事もありませんように……!
できること、あります。昔からのお友達とちゃんと繋がっていらっしゃったマミィさんには、沢山あります。ノルマンディーから日本に、大きなエールを送ってくださいねー!!
Commented by senrufan at 2011-03-17 12:51
*非公開コメント(4)さん
初めまして! コメントをくださって、本当にありがとうございますvv
イーストベイにお住まいでいらっしゃるのでしょうか。実は昨日、オークランドに行ってきたところなんですよ~。

そうですか、今村さんの。率直に書いてくださって、ほんとにありがたいことですよね。
ぜひぜひ拡散をお願い致します! 実際に体験された方の言葉には、それだけの力と裏づけがありますから、知っていただく価値大有りですよね。

こちらこそ、こんな僻地に良く辿り着いてくださいました~(うるうる)
よろしければ、私からも後ほど訪問させてくださいませ。嬉しいご縁、ありがとうございました!


<< 在サンフランシスコ領事館 義援... 東北地方太平洋沖地震 (その3) >>