合わせたのは、互いの瞳 (2・前編)

「幸運とチャンスは同じものではない。チャンスとは最初に踏み出す一歩。そのあとにやってくるのが幸運である」
   ----- エイミー・タン
       (中国系アメリカ人、作家、1952年2月19日生まれ)

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【雑事】

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Sarahさんとのコラボシリーズ、第一弾の2回目です。

Sarahさんの記事への入り口

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マクロビオティックを真剣にやってみよう、と思った時。
入れ込まないように、いい意味でいい加減に、と自分に繰り返し言い聞かせていたにも関わらず、
理論と実践を両輪として立つマクロビに、今まで全く知らなかった世界を見て。
そこから得られる知的な刺激、心のケアなくてしては成り立たないという懐の深さと温かさに、ぐんぐんとはまっていったのです。




家族には強制しないと言いつつ、家での食事は完全にマクロビ系に切り替えて。
思春期に入ったお嬢も、それをきっかけに栄養学に興味を持ち始めたのを、味方を得たように喜んで。
のめりこんじゃいけない、と自分ではブレーキをかけているつもりで、マクロビでは薦められない食べ物も、完全に絶つことまではしないように。

うまくいった、と思える日があって、翌日も続けられて、さらにその翌日も……と積み重なっていくことが、とても嬉しかったのです。
そして毎朝のる体重計で、着実にその変化が見られ、毎日のように達成感を覚えることが、自分への自信と励ましとなって、更に深く入り込んでいったのですね。
ウォーキングから始まって、運動量を徐々に増やしていったのに対して、食事は胃が小さくなるにつれて徐々に減っていき、朝食こそしっかり食べるものの、間食はなし、昼と夜はほんの数口ですむほどの量になっていき。
食べないで運動するわけですから、力が出ないかと思いきや、始めると元気が出て続けられるので、いつしかそんな”無理”にさえ、達成感を感じるようになって。
今思えば、一種の断食ハイのような状態だったのかなあ、なんて思います。

友達と良く外食もしましたが、ほんの数口食べて満足して、あとは持ち帰りのBOXに。
食事はしっかり楽しんでいたし、友達といられるのも嬉しかったし、本人的には至極満足であったのですね。
外食に限っては動物性のものも口にすることで、自分はガチガチマクロじゃない、と思えたし。
家の食事をヴィーガンにすることで、外食で口にしたものから、いわゆる好転反応が見られるようになって、身体が変わってきているという実感も得られたのが、また励みになったのです。

ゆるゆると始めたはずの菜食が、静かに深くなっていって、半年経った頃には、体重は7kg落ちて、体脂肪率も15%以下になって。
鏡の前に立った時、がりがりの手足と、くっきりと目立った鎖骨、とがった肩の骨を持った自分の身体。
さすがに嫌悪感を覚えるようになりましたが、かといって、どうやって戻したらいいかがわからない。
マクロビ情報では、そうやって落ちるところまで落ちた後、適正体重に戻っていく、と聞いていたのですが、いつそうなっていけるのかはわからなくて。

じゃあ食べる量を増やそう、としても、それでせっかく体重と一緒に落ちた”悪いもの”が、また身体に戻るような気がして、どうしてもそれができなくて。
食事療法をきっかけとして行き着いたのは、食べ物に感謝しながら、食べ物を恐れるという拒食症であったのです。
自分でもそれは薄々わかっていたのですが、それを崩す勇気がないまま、しばらく時が過ぎました。


きっかけをくれたのは、やはりお嬢でした。
第二次性徴期で食欲も増し、彼女なりに体型なども気にするようになり。
まだその頃、彼女への愛情を、態度や言葉で素直に表すことができなかった私は、思春期特有の気分のムラを、何とか食事の面からケアしてあげたくて。
栄養学や料理に興味を持ち始め、やたらと私のレシピ本を読み漁るようになったお嬢には、きっと伝わると思っていたのですね。

しかし、あれやこれやと悩む私に対して、彼女がつのらせたのは、はっきりと苛立ちの感情で。
学校のストレスを相当に溜めていた彼女が、ある日爆発して叫んだのは、マクロビに傾倒する私への怒りと共に、
「ママは太ってる人を軽蔑してるでしょ!」
という一言であったのです。

家族を少しでも幸せにできるよう、自分のできることを求めて辿り着いたはずのマクロビオティック。
それは、決してしばられるようなものでも、とらわれてしまうような宗教的なものでもない、とわかっていたにも関わらず、今の私は何なんだ。
家族に嫌な思いをさせているだけじゃなく、マクロビにも申し訳ないばかりの不甲斐無さ。
そう思った時に、改めてもう一度、自分の中を探ってみたのです。

(続く)
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by senrufan | 2011-02-19 15:52 | Trackback | Comments(0)
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