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その命に罪はないけれど

「私は常に思っている。人生は旅である。我等は忽然として無窮より生まれ、忽然として無窮のおくに往ってしまう」
   ----- 若山牧水
       (日本人、歌人、1885年8月24日生まれ)

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【時事】

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アメリカでは今月に入って、大規模な卵のリコール騒ぎがありました。
アイオワ州のWright County Egg、Hillandaleという2つの業者が出荷した卵から、サルモネラ菌に汚染されたものが発見され、現在までで5億個の卵を回収する、という事態になっています。
レストランや家庭での食中毒、更には入院する人まで出ていらっしゃる模様。

私自身は食中毒の経験はないのですが、友人で数人体験者がいて、それがどれほど苦しいものか、話としては知っており。(「いっそ殺してくれー!って思ったよ」)
今回のニュースを聞いただけで、動悸・息切れ・揉み手・うろうろ歩きという症状を発しました。いや、全く役立たず。




関連するものとして、以下の3つを。
まず、卵の回収や対処については、FDA(米国食品医薬品局)のサイトでの説明を。

Wright County Egg Expands Nationwide Voluntary Recall of Shell Eggs Because of Possible Health Risk

この回収騒ぎで、卵の値段が上がっている、というニュース。

Egg prices rise since recall

なんでも、今回の騒ぎを起こした2つの会社は、実は同じ人物(Jack DeCoster)が経営しており、過去に色々と法令違反を起こしているんですね。
97年当時、クリントン政権で労働長官を務めていたRobert Reich博士が、先日NBCの番組に出演して、彼の過去を暴露した上、こういう業者を保護するような共和党の政策(自営業者保護と規制緩和)を非難した、という話も聞きました。
これは、秋の中間選挙への布石にもなるのかしら、なんて。

Farms recalling eggs share suppliers, other ties


ヴィーガンに近い我が家では、卵も滅多に買いませんので、今回の騒ぎは免れたわけですが。
買うにしてもオーガニック卵だから大丈夫、ではないんですよね、サルモネラというものは。
かといって、低温殺菌ならともかく、電離放射線をあてての殺菌を施した卵もあるので、やはりオーガニックは捨て難い選択肢。

ということは脇に置いといて、とりあえずアメリカでは、生卵は食べないようにしておりました。
なのでベジィになる前、日本に里帰りした最初の朝は、必ず卵かけご飯で始まったものでございましたよ……いつもありがとう、お母さん。

今回のニュースで知ったのは、アメリカでは州によって異なるものの、基本的にレストランでの生卵の提供は禁止されているところが多いそうで。
が、朝食の定番メニューの目玉焼きで、黄味柔らかめの両面焼きとか、メレンゲやカスタードクリームとか、ドレッシングで生卵使用のレシピもあるので、完全に生卵フリーではないのですよね。

そして、もう一つ教わったこと。
今回被害が出ている州は、中西部から西海岸にかけてに集中していて、東部では出ていないのはなぜか、という理由。
それは、東部には日本の一流卵メーカーが本格進出していて、自社農場だけでなく、アメリカの大手農場の買収も行って、日本流の品質管理を施した卵の流通で成功しているから、なんだそうですよ。
例えばニューヨーク州では、なんと卵マーケットの50%以上が日系なんですって。
すごいなあ、日本。さすがだなあ、日本。


この騒ぎによって、食品管理や食の選択など、米国食事情に少々変化が見られるかも。
前回日記のようなレストランを、Northern California's farm-to-table cuisineと呼ぶ向きもある、と教わった今日、
Organic・Local・Sustainable等々を含め、
今回苦しんだ方々の分まで、良い方向に向かってほしい、と願うのでございます。
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次回は、冒頭の写真を撮る機会となった、とあるデート模様についてです。
ええ、お相手は美女ぞろいですがなにか。
by senrufan | 2010-08-24 13:04


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